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書類のミス【小説】505字

こう見えて私、よく仕事の書類作成でミスするんですよ。

「放棄」って書こうとしたのに何故か「勃起」って書いちゃってたり。「勃起しない場合は」ってどういうことだよって感じですよね。キーボードで入力しているからこそのミスですよ。

「依頼人」を「イラン人」って書いてたこともありました。依頼者はみんなイラン人なんかって。イラン人がみんなそうなら恐ろしいですよ。

後は、「道具」を「とおる」って書いてたり。とおるって誰だよって思いますよね。「とおるを指定する場合は別途料金が」って。とおるでどうやってやんのって笑いが止まりませんでしたよ。とおるは無敵サイボーグかなんかなのかって。

「毒物」を「徳光」ってミスはもうあるあるですよ。徳光って。あの涙でやるんかいって毎回一人突っ込んでますよ。

とはいえ、これらは顧客や上に提出する前の最終チェックで見つけたものなんで、こんな馬鹿みたいな誤字を外に出したことはないですよ。

それがこんなミスをするなんてね。誤字ならまだよかった。社外秘を部外者のあなたに誤って見せてしまうなんて。これが上にバレたら首が飛びますよ。

でも、大丈夫です。私、仕事人なんで。自分のミスの後始末はきっちりつけるんで。


2021年8月


見出し画像にイラストをお借りしました。


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爪毛川太
爪に火を灯すような生活をしております。いよいよ毛に火を灯さなくてはいけないかもしれません。いえ、先祖代々フサの家系ではあるのですが……。え? 私めにサポートいただけるんで? 「瓜に爪あり爪に爪なし」とはこのことですね!