どちりなの祈り|肆|ロザイロの祈り
どうも!躓くロバです!
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今日のテーマはロザイロ!
ロザリオじゃないよロザイロだよ!
これまでパアテル ノステル、アヘ マリヤ、そしてサルベ レジイナという3つのお祈りを紹介してきました。これらはそれぞれ『どちりな』の三章、四章、五章のタイトルとなっているものでした。
今日は少し遡って、四章の中にあるロザイロのオラショについてお話しします。ロザリオじゃないよ、ロザイロだよ。
1. 主の祈り(=パアテル ノステル, 『どちりな』第三章 )
2. アヴェ・マリアの祈り(=アべ マリヤ, 『どちりな』第四章)
3. 元后あわれみの母(=サルベ レジナ, 『どちりな』第五章)
4. ロザリオの祈り(=ロザイロ, 『どちりな』第四章第一節)
5. コロハの祈り(=コロハのオラショ, 『どちりな』第四章第五節)
『どちりな』で紹介されているロザイロは、現在のロザリオの原型だと思いますが、ずっとシンプルです。だからロザリオの祈りをご存知ない方にも比較的馴染みやすいと思います!というわけで張り切って行ってみよう!
構成要素I : 2つの祈り
早速引用から入りましょう。
師 御はゝ、サンタ マリヤのロザイロと申は、パアテル ノステル十五くはん、アベ マリヤ五十くはん〔ロバ注:百五十の誤か〕なり。これを御あるじJxの御さげうにあてがひ奉り、十五のくはんねんにわくるなり。(ibid., p.35)
師匠 聖マリアのロザイロは、主の祈り15回、アヴェ・マリアの祈り150回だよ。これをキリストの生涯にあてはめて、15の觀念に分けるんだよ。
これを読んだカトリックの方は「へぇ、お祈り2種類だけなんだ」ってなってると思いますが、プロテスタントの方は「ツッコムところそこじゃない!回数!回数が多いよ!」ってなってると思います。私もそう思う。
まあそれは置いておいて、若干引用の補足します。
主の祈り15回、アヴェ・マリアの祈り150回は、どちらも15で割れますね。主の祈り1回、アヴェマリアの祈り10回を1セットとして考えてると、15セットできます。その15のセットで、キリストの生涯の場面場面を心の中に描いて念じる、つまりは黙想するのです。
これは現在のロザリオをもとにした推測ですが、周辺のテキストとの整合性を鑑みても間違ってないはずです。
主の祈りとアヴェ・マリアの祈りについては既に見ました。
まだ分かっていないのは15の観念です。
構成要素II : 15の觀念
「キリストの生涯のうちどの15場面を抽出するか」というのはかなり難しい問題だと思うのですが、ロザイロは次のように応えます。
まずはざっくりテーマ別に3つに分けます。5×3ですね。
はじめの五かでうは御はゝサンタ マリヤの御よろこびのだいもくなるによて、すなはちよろこびのくはんねんとかうするなり。なかの五かでうは御あるじの御パシヨンをサンタ マリヤふかく御しうたんなし玉ふによて、御かなしみのくはんねんと申也。のちの五かでうは御あるじJxよみがへり玉ひてより、サンタ マリヤ御くはんぎふかぎがゆへに、ゴラウリヤのくはんねんとなづくる也。(ibid., pp.35-36)
(キリストの生涯のうち15場面を抽出します。)
はじめの5つは「御よろこびのくはんねん」、
次の5つは「御かなしみのくはんねん」、
最後の5つは「ゴラウリヤのくはんねん」だよ。
ちなみに現在はそれぞれ「喜び(受肉)の神秘」「悲しみ(受難)の神秘」「栄え(ご復活)の神秘」と呼ばれています。
それぞれのテーマごとに5つの場面があります。
紙面の都合上箇条書きで示します。悪しからず。
御よろこびのくはんねん五かでう(喜びの神秘)
①受胎告知
②マリアのエリザベト訪問
③キリストの誕生
④神殿への奉献
⑤学者たちとの討論
かなしみのくはんねん五かでう(悲しみの神秘)
①ゲッセマネの祈り
②鞭打ち
③茨の戴冠
④十字架の道行き
⑤磔刑
ゴラウリヤのくはんねん五かでう(栄えの神秘)
①キリストの復活
②キリストの昇天
③聖霊の降臨
④マリアの被昇天
⑤マリアの天上の戴冠
ちなみにこの15の觀念を図にしたものが残ってます。こちらです。
左下からスタートで、右下でゴールです。
こんな感じ。
↑ → → ↓
↑ ↓
↑ ↓
「マリア十五玄義図」と呼ばれ、京都大学を中心に研究されているようです。詳しい内容が知りたい方はこちら、もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
……どうでしょう?プロテスタントの方は「え、それ福音書に根拠あるん?」ってなってると思います。うん。少なくともマリアの被昇天とか天上の戴冠とかはないですね。
ロザイロの祈り
ここまで祈りの構成要素を見てきました。
随分長かったですね。もう少しです。
されば此オラシヨの申やうといふは、まづパアテル ノステル一くはん、アベ マリヤ十ぺんづゝ申あいだに、十五のくはんねんの一かでうづゝくはんねんして、そのときあらわし玉ふ御たいせつ、御へりくだり、御かんにん、御かなしみ、御よろこび、そのほかにあひのぜん、又はサンタ マリヤ御こゝろにおぼえ、つとめ玉ふところの御ぜんどくをDより我等にもあたへくださるゝやうにたのみ奉るべし。(ibid., p.36)
ロザイロの祈りっていうのは、主の祈り1回、アヴェ・マリアの祈り10回ずつの間に、キリストの生涯の場面を一つずつ思い浮かべるんだよ(それを15回繰り返すんだよ)。その時にいろんなことを心に留めて、善い徳が与えられるようにお祈りするんだよ。
ざっくりだけど、こんな感じ。ちなみに「150回は流石に多いよ」って方に朗報なんですが「50回でもいいよ」っていうことも書いてあります。
(現在は50回バージョンがスタンダードです)
もし此百五十ぺんのオラシヨをまいにちつとめ奉る事かなはぬにおひては、せめてその三分の一なるいづれの五かでうをなりとも、のぞみにしたがつてくはんねんして、パアテル ノステル五くはん、アベ マリヤ五十ぺん申べし。(ibid., p.36)
え?なになに?50回も多い??
ふふふ、現在は10回バージョンもあるんです。
10回バージョンのためのロザリオを作った時の記事があるので気になる方はこちらもぜひ!我ながら可愛いから!
そんじゃまたね!
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