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河内長野 楊枝産業史9
白樺を薄く剥いた板を刃物で切削し、ヒゴ状の丸い軸を生み出す技術の開発により、消費者に馴染み深い「丸軸」楊枝の機械生産が飛躍的に向上した昭和23年。
さらに昭和27年には、これまで試行錯誤していた「軸の先端を削る」いわゆる「先付け」機械が発明されたことにより、河内長野はより競争力を持った産地となります。
海外においても、例えばアメリカやイタリアではマッチメーカーが楊枝の生産を行っていたため、四角の軸を削って丸くするといった工程のためコスト高となり、さらには為替による日本の輸出の強さもあって、河内長野の爪楊枝は国際的な競争力さえも持つようになっていきました。
この間に、丸軸の生産はより原料の産地に近い北海道で行われるようになり、河内長野では丸軸を仕入れ、切断、先付けを行うという加工形態が確立されていきます。