【stand.fm 002.セルソース立ち上げの経緯】書き起こし
このnoteは、stand.fmの「マサトのおもろかったらOK(仮)」の内容をもとに書き起こし、まとめたものです。
1.はじめに
前回、とりあえず自己紹介をと、台本なしで喋りました。3分ぐらいで終わってしまうかなと思ったら、10分以上喋ることがあって、案外喋れるんだなって感じでした。
途中、深い話などはできませんでしたが、それは追々。今はあまり考えずに、とりあえず、ゆる〜くやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
2.人生最強の時期のこと
今日は、今僕が何をやっているかっていうのを、ちゃんと説明したいと思います。
前回も話しましたが、住友商事に入社していた9年半のうち、5年弱ロシアに駐在していました。
最初の1年間はサンクトペテルブルクっていう街で、ロシア語の勉強を目的とした社費留学をしました。大学でロシア語を勉強するだけ。
勉強ができるのに給料もいただけて、自分の時間もあるっていうめちゃめちゃおもろい、最高のときがあって…。
これはもう、人生最強の時期でしたね。
そのあと、もっとも過酷といわれるプラスタンという町の木材加工工場を立ち上げるのですが、このつづきはまたどこかで、深く話したいと思います。
3.不意に舞い込んだビジネスチャンス
住友商事を退職して、今は『セルソース株式会社』という再生医療の会社の代表をしております。
石垣島でナオ(本田直之)さんと巡り合い、それから一緒にトライアスロンの練習をするチームとのさまざまなご縁から、現セルソースの大株主であるドクター・山川先生と出会います。
そこで、“これからの時代は『再生医療』がくる”という会話から再生医療に興味が湧き、(当時は再生医療についてまったく知りませんでしたが)僕なりに勉強をしました。
その結果、再生医療は、わずかながらでも、社会に意義のある仕事になるのではないかと、ビジネスの可能性を確信し、起業を決意。
2015年にセルソースを立ち上げました。
起業するからには、事業として成功させるのは当然と捉えています。
成功の定義には、いろいろな捉え方があると思いますが、
僕の考える成功は、
社会的なインパクトをしっかり残す会社
それは、
社会の好機として多くの方々へ事業が行き届くこと
更に、
応援をしていただけること
その結果、
僕ら自身も、社会もハッピーになる
これが理想の成功です。
そんな影響力のある会社をつくることが重要だと考えています。
4.まずは最短で上場。走りながら、考える
セルソースの立ち上げ当初から僕自身の目標(やらなければいけないステップ)に“上場”を定めていました。
最初といっても、当然、社員もいない狭いオフィス。その頃から、最短で上場すると自分のなかで決めていました。
プランをする際、一般的には「時期が来たらやろう」っていう判断をしがちですが、その“時期”はいつまでたっても来ない。
もしくは、気がつけば旬は過ぎてしまって、そのタイミングを逃してしまいます。
だから、そんなに難しいことは考えずに、とにかく走りながら考えることにして、スタッフがたった2〜3人のころから、気持ちは固まっていました。
それを達成するため、事業計画はまさに、逆算思考。
最短で上場するためには、いつから証券審査を入れないといけないとか、監査法人を入れなきゃいけないとか…。
必要なプロセスを年単位で逆算しました。
そうすると、売り上げが小さいうちに、監査法人に話を通さないといけないし、まだ社員が8人ぐらいだというのに「上場したいので、証券審査お引き受けいただけないですか」と、証券会社へ交渉しなきゃいけなかった。
これって、今考えると、無謀とまではいわないけど、普通に考えたら、躊躇してしまうフェーズだと思います。
僕が言うのもなんですが(笑)、(最短で上場の)可能性がゼロではなかったものの、まさかと思いながらも、よく引き受けてくださったなと、主幹事証券のみずほ証券さんには、今でも感謝しています。
5.上場準備開始と組織づくりの並走
当時、社員は8人しかいなくて、細胞培養する社員が少々、コーポレート側はほとんどいない状態。営業はほぼ僕という小さな組織。
ここで、僕の上場の意向とビジョンをスタッフに打ち明け、上場の準備をスタートさせました。
同じ頃(創業2~3年目)から、会社の体制を整えることも同時に進めていきました。コーポレート側(組織)も立ち上げつつ、ビジネスも立ち上げる、並走状態。
創業初期はかなり刺激的だったし、楽しかったです。寝ているとき以外は仕事しているっていうぐらいでしたが、本当に楽しくやっていました。
そして、いろんな方の助けもあり、事業も軌道に乗ってきて、ついに、去年2019年10月28日にマザーズ市場に上場を果たさせていただきました。
今年、上場1年目になります。
早めに動いた準備が功をそうし、証券会社のサポートのおかげで、PL上でインパクトのある業績を残すことができたので、上場準備時期のジャッジを含め、逆算設定なしで上場はできなかったと思います。
6.上場1年目。試行錯誤の今
僕自身、この事業が社会的に意義のあることだと伝わらなければ意味がないと考えていました。
そのためにいろんなチャレンジをしているひとつに、コロナ渦で偶発的にはじめた、オンライン配信の決算説明会は、非常にいい試みだったと思っています。
というのも、決算短信や有価証券報告書のような、数字と文字ばかりの書面では、UXが悪いというか、僕たちの思いの熱量や実態までを伝えられないなと思っていたからです。
けれど、オンライン配信にすることで、ダイレクトに伝えられるようになったと感じています。今後もオンラインで配信していく予定です。
このように、試行錯誤を繰り返しています。
7.ビジネスのチャンスは、無数にある
「社長は、ドクターでも理系でもないし、なんで再生医療なん?」
と、これまで散々言われてきました。
上場するときも、証券会社の方や機関投資家の方などに、とにかく言われました。
だけど、正直そんなん関係ないでって、僕は思います。
たとえば、社会人1年目のときって誰しもが未経験者で、これまでの学業を仕事に直結させられる人って、ごくわずか。
だいたい会社に就職して、なんやかんや2〜3年やったら、そこそこの専門知識をつけるっていうのを、誰もが通っています。
起業もそれとまったく同じで、僕自身はセルソースという会社を立ち上げてから、再生医療について、正直めちゃくちゃ勉強しました。
普通はドクターしか足を運ばない“学会”というところに所属させてもらって、朝から晩まで勉強漬けを半年ぐらい続けました。
さらに、会社の経営をしながら、OJTという形でいろんな先生方からの学びを続けて、すでに5年経っています。
再生医療について、全部は網羅していないにしても、自分がカバーしている範囲については、かなり詳しくなったと考えております。
8.おわりに
現在のセルソースは、こんな感じでやっています。
ゆくゆくは、セルソースの組織作りであるとか、セルソースのミッション・ビジョン・バリュー、これもセルソースに限らず、世の中にとって重要な考え方と思うので、こういうお話もできればいいかなと思います。
では、今日もありがとうございました。