2019年4月8日の振り返り
2019年4月8日
自主学校瀬戸ツクルスクールのセカンドジェネレーションスタート。初日は9名でスタート。男女、小1~小5。
あ、そうか。初日だから入学式か、と思ったが、特に準備もしていなかったので、そのままスタート。
10時に駅に集合。
私が電車で着くと、数名の保護者とともに、メンバーも。これもなかなか新鮮な気がした。
保護者同士が立ち話で談笑する。おそらくこうやって保護者同士が知り合うだけでもいろんなトラブルを回避することができると思った。
ただ、やはり学校は人数が多いから難しいだろう。その点でツクルスクールは恵まれているな、という感じ。
駅で私も混ざって談笑していると、地元の人たちが駅を使うために横を通る。
「みんな、かわいい子たちだね~。」
といって、声をかけてくれた。あぁやっぱり外にでてよかったな、と改めて思った瞬間だった。
9名揃い、近くの公園へ。
基本時間割があるわけではないので、それぞれのペースで歩く。整列もさせない。
子どもたちは、任せると自分で考えて動く。確かに危険はあるのかもしれないが、交通量が多いところではないし、見通しもいい。子どもたちも縦割りなので、年上の子が年下の子に声掛けなどをしてくれている。
時間にゆとりがあるだけで、子どもたちの自主性は随分と育むことができる。
無事公園に到着。公園の遊具があるところにあるベンチに荷物を置き、
「みんなちょっと円になってくれるかな~」と声掛け。
「円になりたくないな~という人は、横に座ってても大丈夫だからね~」と声掛けするも、みんなきれいな円になって立ってくれた。一応校長なので短めに挨拶。
「今日からよろしくお願いします。私もどうしていったらいいのかわからないので、ぜひみんなと一緒に話し合って、みんなで楽しい学校をつくっていきたいと思います。よろしくお願いします。今は何のルールもない状態です。だから、ひとつだけ先生から提案させてくれますか。「やめてといったらやめる」というルールですが、どうでしょうか。もちろんルールはこれからも変えていけばいいんだけど、とりあえずまずはこれでいいかな。あと、円になるのは、みんなが全員大切だよってことです。」
特に反論もなくとりあえず可決。
みんなすごくよく話を聴いてくれました。そして、
「えーと、どうしようか。とりあえず好きにしてみようか?」と提案。
子どもたちはそれぞれやりたいことをやるのかな~と思ったら、「自己紹介いるじゃん!」との意見。
「おぉ確かに~」ということで、自己紹介を始めようと思ったが、円に立ったままではなくていいよね、と思い、ベンチに座ってみんなで自己紹介。
ツクルスクールでは、自己紹介と一緒に○×ゲームをしてもらったりしている。この○×ゲーム。その子の好きなことや興味があるものがわかっておもしろい。例えば「えぇと一尾茂彦と言います。よろしくお願いします。私の今日の朝ご飯はパンです!〇か×か?」といった具合。
ここでもまずは私が見本を見せる。どういう問題を出していいか分からない生徒もいるだろうし、そもそもやり方が理解できていない生徒もいるかもしれないから。
そして、「もし○×クイズをやりたくない、あるいは、できないなぁという場合は名前だけでOKですからね。」と伝えます。
ここも少しテクニックで、最初に少しハードルを上げておいて、難しいな~と思わせてから、簡単なものを見せると、あぁそれだったらできる、と思えるというところがある。
もちろんここでも自分で選べるんだよというメッセージもある。
そして、一応クイズをやってくれそうな子どもからスタートします。今思えば、やりたい人からやってもらってもいいかな、と思いました。自己紹介は進んでいき、「この子言えるかな~」と思う子もいましたが、みんなを見事にひっかける素敵な問題を出してくれたりしました。
このときも気を付けることは、全員が言えなくてもいいってこと。4月はまずは安心感。特にこの学校は何かを無理にやらせるところではない、ということを信じてもらうための期間。常にその目標を思い出すようにしています。
今回スタートするにあたって、最終的には個別学習、プロジェクト学習、探求学習といったユニットを組み合わせていく方向性。
しかし、まずは先生とメンバーの信頼関係、メンバー同士の安心関係を築くことに専念する4月ということにしてみた。
あるアメリカの学校では最初の1か月は学習などはせずに、様々な活動をし、そのなかで、一人一人の特性を見取っていくという取り組みがあるそうなので、それを参考にした。まずは子どもたちの普段の生活の中から興味ややり方を知り、学習(教科に限らず)につながていきたい。
男子3名。最初は、ゲームやる?とかいいながら、ドラえもんを遊具のところで読み始めた。少し経つと、数名がグラウンドにサッカーをやりに。私も同行。ちょっとだけ一緒にやって遊具のところに戻った。
「向こうでサッカーやっているよ。」というと、2人が「おれも行く!」と移動しようとした。残された1人は最初は「おれは行かない。」といっていたが、二人とも行くことになったので、「やっぱり俺もいく。」ということに。
最初は男女混合で試合をしようとしたが、チーム分けしたりしていたら、自然と女の子たちはフェードアウト。最後は男子だけでサッカーをしていました。もう走る走る。久しぶりに私も走りました。一番怪我に気をつけなければいけないのは私ですw
チーム分けのとき、「このチームじゃやだ」と、少し意見を持った生徒がいましたが、「オッケー、じゃどうする~?」と受け入れつつ、流す感じでやっていたら、気が付いたらしっくりまとまっていました。
この辺りも最初のところなので、変にこちらから押し付けることなく、意見を伝えた人の気持ちを大切にしつつ接するようにしている。今は何かをしっかりやることではなく、お互いの信頼関係を築くということが最優先なので。
しばらくして私は疲れて離脱。みんな楽しそうにやっていたから、特に意に介さず。この辺りも少し意図的で、「疲れたときは、疲れたからやめるね~」といって、何事も自分で選択できるよ、ということを伝えるメッセージでもある。まぁリアルに疲れていましたが。
戻る途中、ちょっと石を登れるところがあり、女の子たちは、「私、登れる!」といって登っていました。ここも止めてもいいのですが、自分がフォローできる程度のものだったので、後ろでいつでも支えられるように待機。「安全が確保できるときはできる限りチャレンジしてもらう」ということを考えての行動。みんな無事上がれてうれしそう。こういったちょっとしたことの積み重ねがチャレンジ精神や自信につながると思っている。
私は遊具のベンチに戻ると、女の子二人はタブレットで何やらゲーム。二人で楽しそうにしていた。迷路?のようなもの。こういうものが好きなんだね~と思って観ていました。
そうこうしているうちに11時20分くらい。サッカー組も遊具のところに戻ってきて、「飽きた~」「おなかすいた~」となったので、「じゃ昼食決めよう~」と私から。「何が食べたい?」
「カレー!」「他には~?」
まだ最初だということと、特に円になって話し合いの状態じゃなかったということで、意見を言っていない子には私から声掛け。すると「おすし」
周りからは、「いいね~」「でも、お寿司だとお腹膨れるかな?やっぱりカレーがいいな。」
そしたらお寿司を希望した子が「昨日、カレーだった。」と一言。確かに連続はね・・・。「お刺身食べれない~」という意見も。私から「別々に作ってもいいよ~」なんて。そして、「手巻きでいいんじゃない?」と私から。
このあたりも最初はある程度の見本を伝えるという感じ。ある程度学校に行っていると、意見が分かれた場合はどちらかにしなければいけない、と思い込んでいる場合があるので、別れたら、人数が多いので、別々につくればいいということを言わないと、それに気づかなかったりする。
また、手巻きは~?というのは、すべての意見を包括できるやり方があるのだよ、ということを伝えるという意味で伝えています。
結果、手巻きずしになりました。全員合意でした。
そして、「じゃそろそろ行こうか~」と移動スタート。ここでも約束通り11時30分まで待ってもよかったのですが、もちろんそんな規則はないので、みんなの意見に合わせて移動。
今日の買い出しは目の前にあるスーパー。入るときに、「お金の管理をしてくれる人~」と投げかけた。一応目ぼしい生徒がいましたが、とりあえず聞いてみると、数名が立候補。とりあえずこのときは料理が一番好きな子に渡しました。
「ずるい~」という言葉もでていましたが、特に後を引きずることなくそのまま買い物に。今回の予算は3000円。それだけ伝えて、あとはスタッフはベンチに座る。
一度あるいは何度も経験しているメンバーたちだったので、お任せ。近くにいると、どうしても大人を頼ってしまう。そして、必要なときは近くの大人を頼っていた様子。20分くらいして買い出し終了。早めに切り上げてきた女の子たちと、のりを買い忘れて買いに戻った男のたちで分かれていた。女の子たちの男の子たちに対する意見がおもしろかった。
そして帰りながら、「おれ、すっごい計算したんだよね。だから、余ったのはちょっとだけだよ。」と話してくれた。「お~いろいろ考えながら計算したんだね。ありがとう!おかげで予算内に収まったよ」と伝えると、うれしそうでした。
ここもね。「すごいね~」ではない。感謝。貢献感。やったことを確認といった勇気づけの関わり。もちろん「すごいね~」でもいいのだけれど、「すごいね~」は過度の承認欲求や逆の意味に捉えられかねない(できないとすごくない)ということになるので、気を付けている。それでもついでちゃうときはあるが。
そして、地域交流センターに到着。スーパーの目の前がセンター。普段は着いてもすぐに調理し始めないが、スーパーが近いということもあり、すぐにみんな調理スタート。もうみんなノリノリ!包丁や食器もふんだんにあり、それぞれがやりたいことをやっていました。
ここでも子供らしさ爆発。ひたすらノリを切る子。海老を買ってきてどうするのかと思ったら、ゆでる子。なるほどね。まぐろを切ってたら、それもゆでて、ゆでまぐろ!といってつまみ食いしたり、魚の匂いが嫌だからということで、ひたすら卵を切ってたり、キュウリを切ってたり。鮭もかってきて、どうやら刺身用は高いと思ったらしく、普通の焼き鮭。さすがにそれはお腹を壊すよ、といったら、すぐに切り替えて、フライパンで炒め始めました。
すでに刺身用に切ってあったので、皮だけ残っていたのですが、それを焼きだす子も。そして当然つまみ食い!おいしい!!そうなんだよね。つまみぐいおいしいよね。ノリも火であぶっている人たちもいたり、海老をうまく切って開けてうれしそうにしてたり。途中で具がなくなって、醤油掛けご飯になってたり(減塩醤油を買っておいてよかったw) いたるところの子どもたちの思考と工夫のあとがありました。
途中ご飯をよそう順番でいざこざがあり、ケンカになりましたが、なんとか落ち着いていました。このエネルギーすごいよな~。クラス会議のネタができてよかったです。こういうときに周りの子たちの発言にいろいろな信念が浮き彫りになります。なるほど、そういう風に考えているんだね~というのが分かりおもしろいです。
今日もとてもおいしそうに食べてたみんな。自分たちで考えて、自分たちで買って、自分たちで作って、食べる。
ということで、後片付け。
これは女の子が率先してやってくれました。男子は途中からゲームに興じていました。今日は係り決めをやらずに、どうなるかやってみました。特に何かを言わなくても、なんとなくみんなでやっていたからいいかな、と。今後不満がでてきたら、やったらいいかなと思っている。
今回はこの施設を使うのがはじめてということもあり、仕上げはスタッフで行いました。最後に物品の数量の確認があるのですが、みんな素晴らしく手伝ってくれました。素敵すぎます。ここではいろいろなものの名前を知ることができていいですね。すりきり棒とか。
そして、終わった後、点検中、フリースペースでタブレットやらスイッチやらをやっていました。ここでも数が一個しかないので、少しいざこざが。一人が「なんでなんのルールもないの?」とつぶやく。そうだね。ルールって安心するためにあるからね。これから話し合って作っていこうね、ということで、よい事例ができました。本人たちが当事者意識を持てるような事柄をピックアップしておいて、話し合いのときや提案のときに示す。ここも大事にしたいところです。
そして、もう一度公園へ。まだまだ遊ぶ遊ぶ。あっという間に仲良くなった8人(1人はセンターでさようなら、またね。) おにごっこしたり、こおり鬼したり楽しそう。男女が仲良く遊んでいました。
やはり開放的な空間にいるとエネルギーのぶつかり合いもなく、健やかに時間を過ごせるな~と思いました。
水曜日に遠足にいくのだけれど、そのことについてミーティングであげようかとも思いましたが、昼食のときにみんなにやんわり聞いたら、スケート、ボーリング、海、山、とでて、それくらいだったので、スケートに決まりました。
このとき気をつけないといけないのは、ほか場所も必ずいくからね、と伝えること。そうしないと、自分の意見が選ばれなかったということになってしまうので。見通しを伝えるということも大事。
最後に公園から少し離れたところで帰りの会。
公園でやってもよかったが、ちょっと仕切り直しがしたかったので、場所を変えた。みんな素直に円になってくれて、今日の楽しかったことを話してもらいました。全員が発言してくれました。
最後に「パス」といった子がいて、「オッケー」で終わったら、「ナイスパスは?!」と。おぉそうだった。みんなで「ナイスパス!」次回の予定を伝えて終了。
いやー楽しかったです。最高でした。
まぁ初日ということもあり、まだ慣れもないので、子どもたちも楽しかったと思う。これからまだまだいろいろあると思うが、一日一日積み重ねていけばいいなと思っている。
そして、学校の先生、大変だよな~と思った。子どもと対峙するだけでなく、時間との闘い、教科との闘い、職員室での戦い、たくさんありすぎるよなって思いました。それでもやっていこうと思った時に、賞罰を使ってしまうのは仕方がないことだと思った。人数も多いしね。
ということで無事一日を終了。大きなけがもなく終われました。
全然かけてないシーンもあるのに、すごい情報量のなかで生活しているんだと改めて実感。今回は初回だったし。次回からはもっと短くなると思います。
ありがとうございました。
ママの学び場一尾塾 (思春期の子育てを中心に、子育てについてのあれこれなどを話しているYouTube動画です。)
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