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映画の現場(ダンボール小学生)

ある夏の日のロケで出会いました。

7月、ある住宅地にて

新しめの集合マンションエリアでカーチェイスの撮影(なぜOK出したのか、、、)

朝から同じエリアで撮影。
お昼過ぎたぐらいになると荷物を抱えた小学生達がぞろぞろと帰ってくる。
夏休み前でみんな持ち帰ってきている様子。

"え?!撮影!?すごー"

自宅マンション前が撮影現場になっているのを見て興奮する子供たち。

その中にひとり、大きなダンボール製の筒状のものを首から下げた小学生がこちらをじっと見ている。


気になる、、、気になる、、、

もう撮影どころじゃない。
君が気になって仕方がない。

徐々に近づいてくるダンボール小学生。
言葉は発しない。
でもその距離はもうスタッフと同じ立ち位置に。

意を決して彼に聞いてみる。

"首から下げてるそれは何?"

すると彼はこう言った。

"カメラ"

カメラ、、、カメラ?ただの筒だよ?と内心思った。

"僕が作ったビデオカメラ"

スチールじゃなかった。ムービーの方だった。
そして彼は初めて問いかけてきた。

"撮っていい?"

そう、ダンボール小学生はそのダンボールカメラで撮影に参加したかったのだ。

ダンボールカメラに許可取りなんて無用!

"好きなだけ撮りな!"

そう私が言うと、今まで見せなかった機敏な動きでカメラを回す。

ダンボールの筒持った小学生が最前線にいる事にざわつくギャラリー。
彼の事情は誰も知らない。
困惑の表情。

喜ぶ私。少し涙が出たくらい。

彼がランドセルを脱ぎ捨てて無心にカメラを回す姿がかっこよかった。
素敵だった。

満足気に帰るダンボール小学生。
あの子は今どうなってるかな〜?

最後まで読んで頂きありがとうございます♪

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のがみ|つくるぶ
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