〈 No.001 〉原度器株式会社のMAGNESIUM
100日かけて偏愛を紹介していく「偏愛の百日(ひゃっか)事典」。
記念すべき1つ目の偏愛は原度器株式会社の「MAGNESIUM」。
コンベックス(巻き尺)は空間演出デザインコースの必需品ともいわれ、入学当初には先生からも「常に携帯し、気になったものや空間のサイズを測るクセをつけましょう。」とアナウンスがあった。
よく使う道具だからこそ、「使いたい!」と思うかどうかは非常に重要で、このMAGNESIUMにはその魅力が十分にある。
一般的にコンベックスといえば黄色や赤、青といった原色が使われていて、お世辞にもおしゃれとはいえないものばかり。そんな目立つものをおもむろにカバンから取り出し、街で計測を始めようものなら一気に注目の的間違いなしである。
その点、MAGNESIUMは高級感のあるつや消しボディで、「むしろ見てくれ」と言いたくなるイケメンコンベックスといえるだろう。
「これを使っている自分って、もしかしたらイケているのではないだろうか…」と錯覚させるほどのポテンシャルを持っている。
MAGNESIUMの魅力は決して見た目だけのことではない。
名前の通りマグネシウム合金を使っており、軽量かつコンパクトでありながら頑丈なのだ。
一般的な、”いかにも” なコンベックスに比べて、幅でいえば2cmほど小さく、重量は100gも軽い。
毎日持ち歩くうえでこの差はかなり大きい。
実際、入学してから半年間、ほぼ毎日MAGNESIUMを持ち歩いているが大きさも重さも全く気にならない。
テープ部分は適度にコシがあり、引き伸ばした状態から一気に戻しても、チープなコンベックスにありがちな「右に左に大暴れしながら迫ってくる恐怖」がない。
滑らかにまっすぐ引き出され、同じ道をまっすぐに戻ってくる。
温室育ちのお坊ちゃんのように素直なのである。
実のところ、普段からMAGNESIUMを使っているかと言われると、そんなことは全然ない。
入学から半年たっても「気になったものを測るクセ」が身についていないのである。
しかし、今回MAGNESIUMについて書いたことでより愛着が増した。
明日からもまた、頼りになる相棒としてカバンの中で活躍の機会をうかがってもらおう。
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