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〈 No.002 〉SDIのGLANZ

前回、京都芸術大学 空間演出デザインコースで学ぶ生徒の必須アイテム「コンベックス」を取り上げた。

同じく空デ生の必需品であり、使用頻度でいえばコンベックスよりも圧倒的に多いのが、カッターナイフ。
そんなカッターナイフ界に衝撃を与えた(のかどうかは知らないが、少なくとも異端ではある)、GLANZ(グランツ)について語りたい。

丸みを帯びたフォルムに、見た目からして伝わってくる重厚感。
このGLANZの魅力は大きく分けて2つある。

一般的なカッターナイフは、スライダー部分で刃が固定されている。
つまり、刃が長ければ長いほど固定位置と切る位置が離れているため、わずかではあるがぐらつきが生じる。
結果、定規に合わせてまっすぐ切っているはずなのに、微妙に曲がっているということが起きたりする。
世の中のカッターナイフ上級者の間では、刃のぐらつきを抑えるためにカッターの刃が出ているあたりの金属部分をペンチで軽くつぶすという裏技もあるようだが、その課題を全く違った角度から解決したのがこのGLANZなのだ。

GLANZは親指操作部分で刃を固定するのではなく、「ボディ全体で挟み込む」という機構を取っている。
スライダーはあくまで刃をスライドさせるだけであり、頑丈なボディで刃全体をガッチリと挟み込むことで、まったくブレない「切断集中カッター」が出来上がるのだ。

GLANZのいいところはもう一つある。
それは適度に重いこと。
こちらはよく目にするであろうオルファのカッター。その重量は約20gだ。

みなさんご存じ OLFAのカッターナイフ

それに対して、GLANZは実にその3倍、59gもある。実際、持ったときはずっしりとした重量を感じる。
ただ、使ってみてわかることだが、この重さが「正解」なのだ。適度な重さがあるからこそ、安定感のあるカッターさばきをすることができる。
前回のMAGNESIUMの長所がコンパクト&軽量であったのに対し、こちらのGLANZはあえて重量を増やすことで使い勝手を向上させた。

独特の操作感も相まって、GLANZの”使いたくなる度”はかなり高い。使い始めて1年近く経つが、筆箱から出すたびにいまだにテンションが上がる。自分にとって、いつまでも使い続けたくなる、良い道具の一つがGLANZだ。

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