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ブラックウィング602の魅力:学生時代から手放せない1本


はじめに

鉛筆というと、子どもが使う文房具というイメージを持つ方も多いかもしれません。
実際、小学校や中学校で初めて持つ筆記具として、誰もが一度は鉛筆を使った経験があるでしょう。
大人になるとボールペンやシャーペンが主流になり、鉛筆の存在感は薄れていき、机の奥でひっそりと出番が無くなる事が多いと思います。

そのような状況の中でも、特別な鉛筆として大人にも愛され続けている鉛筆があります。
それがパロミノ社のブラックウィング。

この鉛筆は、アーティストや作家をはじめ、プロフェッショナルたちからも絶大な支持を集め、長年にわたり愛用されてきました。

筆者も中学生の頃から使い始め、今でもデスクに欠かせない一本です。今回は、この鉛筆との出会いと、その魅力についてお話しします。

ブラックウィングの歴史

ブラックウィング歴史は1930年代に遡ります。
ドイツのEberhard Faber社によって製造されたこの鉛筆は、学生、建築家、さまざまなクリエイターに愛されました。
その理由は、なんといっても他に類を見ない滑らかな書き心地にあります。

特に「ブラックウィング602」は、「半分の力で、2倍長く書ける(Half the pressure, twice the speed)」というキャッチコピーで軽い力でしっかりと線を描けるという特性が、多くの人々を魅了しました。

しかし1998年に製造が一時中止され、市場から姿を消します。
このニュースは多くのファンに衝撃を与え、ネットオークションなどでブラックウィング鉛筆が高額で取引されるほどの騒動となりました。

私も入手できない状態となり、オークションなどではとて購入できない価格となってしまい諦めていた時期です。

しかし、2010年にカリフォルニアのパロミノ社(現・ブラックウィング)によって復活を遂げ、今日では再びその品質と伝統が世界中で評価されています。製造元が変わっても、ブラックウィングの「滑らかな書き心地」は変わらず、多くのファンに支持されています。

ブラックウィングとポスタルコ スナップパッド


筆者との出会いは中学生時代

私が初めてブラックウィング602に出会ったのは中学生の頃でした。

当時、文房具にこだわりを持つ友人から「これ、すごく書きやすいよ」と勧められたのがきっかけです。
鉛筆というものに特別な期待は持っていませんでしたが、実際に使ってみた瞬間、その滑らかな書き心地と手に馴染む質感に驚きました。

すっごく書きやすい!!
芯が柔らかく、それでいて折れにくく、どんなに長時間書き続けても疲れにくい。
それまでは鉛筆の軸なんてどれも同じと思っていたんですが、握った感触も他の鉛筆と比較すると柔らかく感じるんです。

それもそのはず。
木軸は北米産のインセンスシーダーという木で、北米カリフォルニア州とオレゴン州にだけ自生する柔らかな木材。傷つきやすいため家具などには不向きですが、鉛筆の滑らかな書き心地を叶える最高の木材を使用しているそうです。

それ以降、ノートは全てこの鉛筆で書きました。
特に試験日には重宝してました。
当時の私は筆圧も強めで、英語が書きにくいと思っていたんですが、ブラックウィングだと滑らかに書く事ができストレスなく試験に挑む事ができました。

数本のブラックウィングを持参していたので、試験中も心強かったのを覚えています。
学生時代はほとんどのノートやメモがこの鉛筆で埋められており、その黒く太い芯で描かれた文字を見ると、当時の自分を思い出すことができます。

付属の消しゴムも交換可能ですし、長さも調整可能と使い勝手は抜群に良いです。

本体の金具の部分が若干狭くなっていて、消しゴム側の金具を少し圧入して固定します。



社会人が鉛筆を使わなくなる理由


社会人になると、鉛筆を使う機会が減っていく背景にはいくつかの現実的な理由があります。その中でも特に多いのが、鉛筆の携帯のしにくさです。

鉛筆は使っているとどうしても先端が削れて尖った状態になります。そのため、ペンケースやポケットに入れる際には、先端が引っかかってしまったり、他の持ち物に当たって汚れたり傷をつけてしまうリスクがあります。

社会人の多くは、外出時に使う筆記具として携帯性を重視するため、このような「先端が剥き出しになる」鉛筆の取り扱いが面倒に感じることが多いです。

こうした理由から、社会人になると鉛筆の使用頻度はどうしても減りがちです。とはいえ、デスクワークや創造的な作業においては、その独特の書き心地や柔軟性が役立つ場面も多く、使う場所を選べば鉛筆は依然として優れたツールだと思っています。

先端が剥き出しになる問題を解決するツール

そのような場合でもこのブラックウィング ポイントガードを装着すれば問題なしです。

ブラックウィング ポイントガード

純正品なのでサイズもピッタリ。
カラーも3色から選択できるので、ペンの金具と同色にすれば違和感なく使用できます。
ブラックウィングは色々なモデルがあるので、色を組み合わせてみるのも面白いです。

社会人になってもデスクに常備


社会人になってからは、ボールペンや万年筆といった他の筆記具を使う機会が圧倒的に増えましたが、筆者のデスクの上には、いつでも手に取れる場所にブラックウィングを置いあるというか、転がっているというか。。。

ふとしたアイデアが浮かんだときや、電話をしながらのメモなども、自然にブラックウィングを取っています。

鉛筆ならではの柔らかさと自由さ、そして消しゴムで簡単に修正できる気軽さが、構えない感じで軽く書き出せます。

最後に 〜鉛筆を使う意味〜


筆者の職場もデジタル化が進み、AIに頼ることが多くなる今、鉛筆を使う機会は確かに減っています。
スケジュール管理も全てAIが処理しています。
しかし、手書きで何かを記録すると、デジタル処理では得られない「記憶に残る感覚」があります。ふとしたアイデアや電話中のメモを書くとき、私は自然とブラックウィング602に手が伸びます。
それは、手で書くことで頭の中が整理され、情報がしっかりと定着するからです。

手書きにはただ書く以上の意味があり、デジタル全盛の今でも、その価値は失われていないと感じます。

デジタルツールのおかげで生活は便利になりますが、人間本来の力が鈍ってしまっては意味がありません。いつでも手軽にできる手書きは、脳を鍛える一つの良い方法としておすすめです。



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