「あなたには私を嫌う権利がある」の話
10年前。
結婚をして引っ越した。
引っ越し先は、少し前に結婚した友人が暮らしている場所に程近く、私は嬉しかった。
彼女の誕生日を少し過ぎたところだったので、
私はプレゼントを持って遊びに行った。
(あれ……?何だか距離を感じるな……)
その子とはもう5年くらいの付き合い。
いつも通り、楽しく笑顔で会話をしているのだけれど……
プレゼントも喜んでくれてはいるけれど……
何だか……ちぐはぐな感じ。
「じゃあ、またね」
帰り際、
(多分、これでもう会わないだろうな……)
と思って、実際それは現実となった。
これと言った原因があった訳ではない。
(気づかないうちに、私が何かしたか?)
と思ったりもしたのだけれど。
(いや……多分これはそういうこっちゃないんだろうな)
と、考えを改めた。
恐らく、以前の彼女であれば、私が何かしでかしたとして。
多分、その旨を伝えてくれたと思うのだ。
(なんつーか……彼女は私の事がそんなに好きでなくなったんだろうな……)
それは悲しい出来事であった。
しばらくして。
今度は、私が先の彼女の立場を知る事になる。
友人のミサキはある宗教を信仰していた。
最初はそれを知らず、普通に友達として付き合っていた。
ある日、共通の知人の話で信仰している宗教の話を聞き、それ以来、オープンに話をしてくれるようになった。
ある日
「一緒に会合に行かん?」
と熱心に誘われ、当時私はざっくりと「宗教」という物に興味があったので、参加した。
その会合は想像してたより、良い意味で普通で、
(なんか……宗教って……新興宗教のイメージが強いけど……普通じゃな……)
と思った程度で終わった。
(禁断の秘術でも使ってんのか?的怪しい儀式のイラスト)
それ以降。
忘れた頃に連絡が来る。
それは大抵
「今度選挙があるから、よろしく」
的な内容のラインで
(うーん……)
最初は友達として楽しかったけど……
別に嫌いになった訳じゃないけど……
最早これは、友達と呼べるだろうか?
私はそっとミサキと距離をとった。
別に彼女が悪い訳ではない。
私が悪い訳でもなかろう。
「縁が切れる」
「縁がなくなる」
そういう事なのだろう。
結果、そうなったとして。
楽しかった思い出がなくなる訳ではない。
好きじゃなくなった時。
どちらの立場であれ、一抹の寂しさは消える事はないので。
その時はただ
(あぁ~~……つら)
と全力で感じ切る事にしている。
あなたには私を嫌う権利がある。
私にも。
しかし。
出来るなら、好きになる権利を多めに行使したいと思い生きている。
真面目な話を一生懸命考えたので、目がしょぼしょぼして、こんなんなるつくね。
目薬をさして、顔面復活したつくね。
(スッピンです)
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