「チャーハンに〇〇〇はヤメて」の話
かっちゃんは全く料理をしないのだが。
数年前。
かっちゃんが料理をしてた時期があった。
少しずつ……
少しずつ……
褒めて伸ばして、育っていってもらおう。
「何もしたくない時に……かっちゃんがチャーハンとか作ってくれたら……そしたら、私、めちゃ楽やん!」
そんなアツい思いがあった。
少しずつ……
少しずつ……
まずは、料理を手伝ってもらうトコから。
かっちゃんの料理に対する苦手意識がなくなってきたある日。
かっちゃんはこう言った。
「チャーハンの作り方教えて!」
「……良かろう」
(あまりにもウマく事が運び、思わず内なる月が溢れるつくね)
ごま油に卵と塩と味覇さえあれば……
誰でも
最早プロ級?激ウマチャーハン
が出来る……
味覇。
素晴らしい調味料。
これさえあれば……
チャーハンだけでなく、ワカメと卵だけで既に美味いスープも、数分で出来上がる。
(安定のフリー画像よ……今日もありがとう)
私は1からチャーハンの作り方を教えた。
「わぁー!めっちゃ美味い!」
とても美味しいチャーハンのでき上がり。
しばらくして。
かっちゃんは……
いらんアレンジを加える。
美味しいチャーハンに
アレを投入する。
スケトウダラ・サメ・トビウオ・ホッケなどの魚肉に塩・砂糖・デンプン・卵白などを加えて練り、竹製や金属製の太い串に棒状に塗りつけ、焼く、蒸す、あるいは茹であげた魚肉練り製品
そう……
ちくわ
ちくわを舐めてるんじゃない。
ちくわを馬鹿にしてる訳じゃない。
はら家では
ちくわの天ぷらは人気No.1だ。
(ソースもめんつゆでも美味い)
しかしながら。
向き不向き
得手不得手
適材適所
という言葉がある。
ちくわとチャーハンはビビる程に合わなかった。
チャーハンに入ったちくわが、こんなに味を存在感を主張する等、誰が想像しただろうか?
(あんかけチャーハンならアリかもしれない)
かっちゃんはちくわチャーハンをいたく気に入り、私と息子に作ってくれた……
何回も……
ある日、息子がコッソリ言った。
「ちくわチャーハン……あんまり好きじゃない……」
「あー……うん。私も」
我々は思いを伝える事にした。
「お腹すいてるなら、チャーハンでも作ろうか?」
ニコニコ笑顔でかっちゃんが聞いてくる。
「かっちゃん!チャーハン作ってくれるの嬉しいんじゃけど……ちくわ抜きでお願い出来ん?」
ドキドキである。
「えっ!?ちくわチャーハン、ダメなん?」
「うーん……ダメじゃないけど……ちくわの風味がチャーハンを支配して……ちくわを入れん方が美味しいかな……息子も苦手みたい……」
「えぇー!ヒドイっ!」
かっちゃんは傷つき、二度とフライパンを握る事はなかった……
あーあ……