「NOと言う女と社交辞令の女」の話
皆さんは会社の飲み会、参加するだろうか?
私はもう久しく行ってない(今はコロナだが、それは全く関係なく以前から)。
声もかけられない。
イジメにあってるとか、そういう事ではない。
8年前、入社した最初の年は忘年会に行ってみた。
とても楽しかった。
次の年は、楽しくなくなった。私はどうやら不特定多数の飲み会が得意でないようだ。
仲の良い人と4人くらいで飲みたい。掘り下げた濃い目の話をしたい。アホな話もいい。
毎回事務員の子が参加不参加を問うてくれるので、
「会社の飲み会は参加せんから、声もかけてなくていーから」
「えー?楽しいよ!行こう!」
「気持ちは嬉しいけど、大丈夫。会社の飲み会行くなら家でアニメ見ながら一人で氷結飲んどきたい🍺」
今まで全員(暗黙のルールで半強制)参加していた飲み会だけに、しばらくは声をかけられていたが、更に月日が経ち
「あれ?そういや声かけられんくなったけど、忘年会なくなった?」
と事務員の子に聞くと
「いやもう、行かん言うから誘ってないけど……今年もあるよ。行こうや。」
「いや、大丈夫。気持ちだけ受け取る」
あれから数年。
今はコロナで自粛しているのか……それすらも不明だが、それでいいのだ。
さて。
私は件の事務員の子と同い年で、たまに事務所に寄っては一時間ほど二人でおしゃべりをする。
私の仕事はその日その日の現場の仕事なので、ほぼ事務所にいる事がないのだ。
その子と会社のあーだこーだの話、専務の悪口、子供や家族の話、ドラマ見たとかカフェイン断ちしたとか。
わーっと話して盛り上がった後、
彼女「ちょっとまたご飯行こうやー」
私「えーよ!私今日でも行けるけど」
彼女「いやあ、それはさすがに無理じゃけど(笑)」
私「あ、そう?私はいつでも行けるから声をかけて」
一ヶ月後。また話して盛り上がった後。
彼女「ちょっとまたご飯行こうやー」
私「えーと、前も言ったけど、私は今日でも明日でも行けるよ!」
彼女「あー、うち、ダンナがうるさいし、さすがに今日明日は無理じゃなあ(笑)」
私「……ふーん」
一ヶ月後。またまた話して盛り上がった後。
彼女「ちょっとまたご飯行こうやー」
私「もうえーわ。絶対行く気ないやん!」
彼女「えー!?何でそんな事言うんよー。行こうやー」
私「いや、もう嘘じゃもん。私さあ、好きな人からそういう社交辞令言われるの好きちゃうわ!話一段落して、仕事に戻るなら『楽しかった!じゃ仕事するわ。』でいーじゃろ!〇〇ちゃんのアホー!!」
彼女「えー?(笑)」
それ以降も彼女は何回か誘ってきてくれた。もはや話を終わらせるときの口癖みたいになってるのだろう。
それをよく理解したので「だが断る」と言い続けた。
一抹の寂しさがなかったと言えばウソになる。いや、とても寂しかった。そして彼女は「またご飯行こうやー」と言わなくなった。
私と彼女は仲良しだが、ご飯には行かない。
同僚<友達
白でも黒でもないグレーという存在の曖昧さを、私はそれでも愛おしいと思う。