「本日もうウチのお義母さんは天然なり」の話
夫の母親はかなり天然である。
そして、言葉に一切の裏表がない。
御年70歳。
田舎のええ感じのおばあちゃん、と言うのがピッタリの雰囲気だ。
息子はおばあちゃんが大好きだが、私だって大好きなのである。
結婚したばかりのある日、お義母さんと話をしていた。
私は最近あったちょっと面白い話をしていて、さあ、このエピソードはあと少しでオチです!という直前で
「ああ!分かる!こないだ私もな……」
(あぁー……)
というやり取りが、短時間のうちに3セット程あった。
なので、流石に3回目には
「もう、お義母さん!お義母さんも話したいかもしれんけど、私も話したいんですよー。私の話も最後まで聞いてください!!」
「ああ、そうか……ごめんなあ」
と静かに聞いてくれていたが、しばらくすると
お義母さんは
「そういえb……」
と喋りそうになり、慌てて口を押さえる事が何回かありながらも、私の話が取り敢えず一段落した。
すると、終わるや否や
「もういいかな?私、しゃべっても良いじゃろうか?」
「………。いいすよ、もう」
という、少女の心を持ったままのおばあちゃんなのだ。
また、息子が保育園児の頃、
おかあさんといっしょで流れていた「新幹線でゴー!ゴ・ゴー!」を口ずさんでいた。
「のぞみに さくら はやぶさ こまち〜♫」
すると
「〇〇君は、小町とか上手い事言って〜」
お義母さんは照れまくっている!
何故だ??
……………( ゚д゚)ハッ!
(昔の人は小町って、べっぴんさんとかそういう類の……)
「お義母さん!お義母さんは大変可愛らしいと思いますが、何と言いますか、息子は新幹線の歌を歌っており、小町というのは『のぞみ』『こだま』という類の、新幹線の名前なんですよ……」
「ああ、そうか!私は、こんな若い子が小町とか言うから、ビックリして……」
最後のエピソードも、結婚当初。
お義母さんの誕生日がつい先日だったと聞いて
「お義母さんにプレゼント送りたいんじゃけど、何がいいかな?」
と夫に聞くと
「うーん、何もいらんと思う……」
無欲!
「いや、誕生日のプレゼント……何かは……あるじゃろう」
「うーん、洗剤でも送っとけばいーんじゃない?」
お中元!
夫の実家へ行った時、夫が直でお義母さんに尋ねた。
「お母さん、誕生日のプレゼント送りたい、って言ってるけど、何かいる?」
「ええ?うーん」
「洗剤とかは?」
ワォ(・o・)
「洗剤!いいなあ!」
「え?洗剤ですか?」
「何でも嬉しいけど、実用的な物は助かるなあ」
「そすか……」
確か、その時はカバンか何かを送った筈だ。
そして、今は……
何もしていない。
母の日も。誕生日も。お中元も。お歳暮も。
私も息子から母の日とかで、何かをしてもらった事はないし、それで全く問題ない。
お義母さんは、
「三人が元気で暮らしていれば、それが幸せなんよー」
と言っており、どうやら本音のようだ。
一ヶ月に一回程、
「お義母さん!喫茶店にコーヒー飲みに行きましょう!」
と誘い、お互い好きな話をして、結局奢ってもらう。
(たまには、私が奢るときもあるわよ)
お義母さんには、ゼヒとも元気で長生きしてほしい。