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「私の愛の一方通行」の話

FFBE幻影戦争というゲームがFF7リメイクとコラボする、というCMを少し前に見て、しょっぱい記憶が蘇った。


FF7……


ファイナルファンタジーシリーズの中で一番好きで、一番記憶に残っている、大好きなゲームだ。


スクエアの映像って、やはり当時から群を抜いて美しく、物語もとても素敵で、ゲームはそんなにしないけれど、ドラクエとFFのシリーズはぼつぼつ嗜んでいた。

大学生だった私は、週末に最終決戦を迎えるよう諸々の調整をし、食料を買い込み、ワクワクのドキドキで徹夜でセフィロスを倒しにいったっけ……



そんで、明け方、鳥のさえずりで目を覚まし


(あー、私、バトルの途中で力尽きたんじゃな……クラウドもセフィロスも私もボロボロじゃな……)


少ししんみりしながら、セフィロスを残り3ターン程で倒した、そんな記憶がある。


20年前ぶりのリメイク、発売してすぐに挑戦してみた。


(た、楽しいな〜!)


ワクワクしながら楽しんでいたが、バトルが難しいので、苦戦した。


ゲームをやり慣れている人には何てことないのだろうが、慣れるまで


(昔ながらのコマンド入力が楽でいいのにー)


と100回位思った。(慣れたらゲームしてる感が満載で、とても楽しくなった)


が、悲しいかな、神羅ビルに入り、宝条を追いかける段階になって……行けども行けども、宝条が見当たらない。
 

「宝条はどこよ?」


色々な攻略サイトを見ても、進むべき方向がわからない!


いや、攻略マップは明らかに出入り口と進むべき方向を示してくれているが、どこがその道なのか見分けがつかないのだ。


(そうよ、そういや20年前もそうだったわ……ダンジョンでもフィールドでも、画面が暗くてガチャついとって……何処へ行ったら良いか、物理的に分からん事が何回あったか……)


そして、今回のリメイクでも、そういう事が、何回もあった。


(あー、マジで迷子。もうイヤじゃ)


クエストもいっぱい出てきて、やりこみ要素でそれはそれで、楽しいんだろうが、取り敢えず、真っ先にセフィロスを倒したい。


なので、クエストはそこそこに先に進むのだが、クリアしてないクエストをほっとくのは、やらなきゃならない課題を放置しているようで、若干ストレスがたまる。


難しいバトル。


何処へ行けばいいか、分からない道。


置き去りにしたクエスト。


神羅ビルを右往左往。右往左往……


「ほ、宝条はどこだよォォォー!!!」


「お母さん。」


「今、お母さんてんてこ舞いじゃから!」


息子のしゅんとした気配。


( ゚д゚)ハッ!


「ご、ごめんよー!」


私はコントローラーを置いた。


(こんな自分に負荷がかかるなら、もうやめよう)


私はゲームを好きだが、ゲームは私を愛してくれない。


高校の修学旅行で、周りの女子が布団にもぐり、恋バナをしている時、私と友人三人は


「自分の、推しのFFシリーズはどれか?」


というプレゼン大会を行なっていた。


こんなにゲームが好きなのに……


神は私をゲーム上級者に、いや、中級者にすらしてくれなかった。


あーあ。


また挑戦してみようかな。


何か、今なら行けそうな気がする……






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