ロッキード事件の闇 今こそ政治改革を「いでよ、政治家」
毎週月曜日「経済記者シニアの会」サイトに掲載される「経済記者OBの目」。今回は高橋成知記者のコラムです。
ロッキード事件と言えば、「田中角栄」という名前が出てくる世代は多いだろう。しかし、今の「Z世代」にとって田中は?なのであろう。一国の首相が米国のロッキード社から民間航空機の売り込みのため5億円を受け取った疑惑。前代未聞の大疑獄事件に発展し、マスコミの報道は過熱、毎日事件のニュースが載らない日はなかった。
しかし、本当に首相にそんな権限があるのか?検察の主張は、証言のみ。物的な証拠がないので弁護士団がそこをつけば、起訴されることはなかったと、作者、真山仁氏はいう。
「ハゲタカ」で有名なノンフィクション作家の真山仁氏がこの不透明な問題をコツコツとし調べ、「ロッキード」として1冊にまとめ上げてくれた。巷いわれる「角栄は米国の石油メジャーのしっぽを踏んだから」とか「米国の頭越しに中国との国交を回復させたから」という陰謀説は間違いであることを気づかせてくれる。
角栄の資源外交で実現したプロジェクトはゼロであったし、中国の周恩来と米国のキッシンジャーは、「眠れるハイドを起こすな」との日本観で一致しており、「日米安保の瓶の蓋論」に同調していた。
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