株式公開3月期 業務系ソフトウェア受託開発業47社は6年ぶりの減益
株式を公開している3月期決算の「ソフトウェア受託開発」59社は、「業務系ソフトウェア受託開発」(BSD:当該技術者派遣を含む)47社と、「組込み/通信ソフトウェア受託開発」(ESD:同)12社で構成される。
2004年度から20社減
3月期決算のBSDカテゴリーに分類される企業数は、単月・単独業務で最大の企業数となっている。ただ2019年度はM&Aで▲2社、決算期変更で▲1社、計▲3社となっている。直近ピークだった2004年度の67社から▲20社となっており、この傾向は今後も続くと考えていい。
純利益は▲0.2ポイント
BSD47社の2019年度通期業績は、売上高が前年同期比△2.4%の8,807億13百万円、営業利益が△8.4%の828億28百万円、経常利益が△7.6%の842億12百万円、純利益は▲1.0%の509億15百万円だった。
営業利益率は9.4%で2018年度比△0.5ポイント、経常利益率は9.6%で△0.5ポイント、純利益率は5.8%で▲0.2ポイントだった。純利益率が線年度を下回ったのは2013年度以来6年ぶりとなる。
2018年度から集計企業が3社減っているので1社当たりで比較すると、売上高は187億39百万円で前年同期比は△9.0%、営業利益は17億62百万円で△15.3%、経常利益は1792百万円で△14.5%、純利益は10億83百万円で△5.3%に補正される。
就業者総数は▲0.4%
就業員数は正規雇用が▲0.4%の4万8967人、非正規雇用が▲0.3%の3354人、総計は▲0.4%の5万2,321人だった。1社当たりに換算すると、正規雇用は△6.0%の1,042人、非正規雇用が△6.1%の71人となる。
1人当たり売上高2009年度水準を超える
1人当たり売上高は1683.3万円で△2.8%、営業利益は158.3万円で△8.8%、経常利益は160.0万円で△8.0%、純利益は▲0.6%の97.3万円だった。1人当たり売上高は、直近ピークの2009年度水準(1678.3万円)を上回った。
リーマンショック(2008年秋)の不況を機に続いていた発注単価(IT企業側から見れば受注単価)の値下げ圧力が、ここ数年の人手不足を原因として緩和したと推測できる。