看護師を手放した本当の理由「主婦の居場所の見つけ方」
10年前。
婚約者が病気になりました。
その病気は、良いものではありませんでした。
一筋縄ではいかなかった治療だったけど
効果があって「寛解」へ。
今年で、寛解から8年経ち
病気は「完治」しています。
婚約者は、以前の生活を取り戻し
私の夫となりました。
病気は「完治」がゴールだと思っていました。
だから、「完治」の定義である5年が待ち遠しかった。
でも、5年経って
医者から「治ったよ」と言われたからって
再発の不安が消えるわけではありませんでした。
風邪をひけば、鼻血が出れば、
一気に恐怖に包まれます。
「また…?」
「もしかして…」
って、今でも、きっと何年たっても
この苦しみからは解放されることはありません。
お互い口にはださないけど
夫もそう思っているはずです。
病気が治っても、一度病気になってしまえば
健康だったころと完全に同じようには生活できないのです。
余計なことを考えないようにすればいいだけ。
もっと楽観的にって思えたら
どれだけ楽に生きられるだろう。
胸が張り裂けそうなときは
体を動かしたり、歩行瞑想したり
ひたすら感謝を紙に書いたり。
でも、それは対症療法で。
もっと、根本的になんとかしなきゃだめだって思ったんです。
私は、産後すぐに働きに出ました。
その理由は複雑にいろいろと絡み合っています。
でも、その一つとして
「夫がもしも、また働けなくなったら」
という不安がありました。
万が一に備え、働いていよう、と思ったんです。
夫は協力的で、私が復帰してから
早起きしてお弁当を作ってくれました。
夕食の片づけをして、娘の面倒もよく見てくれました。
妻が働いているんだから、夫も協力する。
それは、「当たり前」でしょうね。
でも、仕事をして、家事・育児をするのは
夫にとっては、すごくすごく体に負担でした。
「無理なんかしていない」っていうけど
すぐ熱を出すようになりました。
一旦咳き込んだら、なかなか治りません。
ピンピン元気に仕事をしていますが
治療後の体力低下は歴然としていました。
そして、私は不安になるのです。
「無理しないで」
「お弁当つくらなくていいから」
といくら私が言ったって
夫はやるんです。
人は変えられません。
自分が、変わるしかないと思いました。
私が、家事、育児を担当して
夫は仕事に専念してもらう。
家では、ゆっくり休んでもらうと。
そのために、仕事を辞め、専業主婦になりました。
これでよかったと思います。
夫の睡眠時間やリラックスする時間が
長く確保できるようになり、
体調を崩すことがなくなりました。
健康でいてくれることで
私の不安も解消されていったのです。
無理をしてほしくない。
忙しさに飲まれて生きてほしくない。
それは、いつまでも健康でいてほしいからです。
私が「頑張る」人生を辞め
余白を大切にしているのは
夫のためでもあるし
それが、自分のためであるからです。
この文章を読んで、あなたはどう思いますか。
もう、あんなに苦しいはしたくありません。
夫には、いつまでも元気でいてほしい。
私は、いつも元気で、笑顔で、穏やかな
家族の安らぎでありたい。
「再発したらどうしよう」
「いざという時のためにお金を貯めなきゃ」
起こっていない未来への不安。
未来に翻弄され、今をないがしろにして
子どもを抱きしめる時間もないなんて。
夫の健康を害し
自分もボロボロになる働き方なんて
いいはずないんです。
一度病気になったら完全にもとに戻らない。
なってしまうのは、仕方ないことだし
運命だったと受け入れるしかない。
でも、病気にならないように、再発しないように
努力することはできます。
後悔したくないんです。
それだけやって病気になってしまったら
それはもう、仕方ないことだから。
それが、兼業主婦から専業主婦になった理由。
兼業主婦を非難したり
専業主婦を推奨しているわけではありません。
自分にとって、「最良な生き方」を選んだだけです。
働いていても、働いていなくても
余白のある生活を、目指してほしいのです。
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