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【001】クリエイティブ・ディレクターってぶっちゃけ何する人??
初めまして、佃 尚能 (つくだ ひさのり)と申します。本業はドラマ・ディレクター・・のはずなんですが、ひょんなことから、ここ数年テレビの クリエイティブ・ディレクター なんてことをやってます。
「ハァ?クリエイティブ・ディレクター
って何だよ。超うさんくせぇ!!」
と思う人が、日本の人口の98%ぐらい、いらっしゃると思いますし、実際、うさんくさい人も多いのですがーー (笑)
やってみて思うのは・・・
クリエイティブ・ディレクター、マジ重要!!!
なんです。これは、映像の世界だけではなく、どんな仕事でもプロジェクトでも必要不可欠。むしろ、いないと始まらない。
世の中のプロジェクトが とっちらかる、トラブる、頓挫する、オモンナイ 原因の98%は クリDがいないから と言っても過言ではない!(過言かなぁ・・?w) と僕は思います。
という訳で、初投稿となる今回は、この数年間で僕が考えた「クリエイティブ・ディレクターって何だ!??」ということを書いてみます。どうぞ、お付き合い下さいませ。
◆ クライアントの98%は、何がしたいのか分からない!
はい、いきなり問題発言 (笑)
でも、そうなんです。
クライアントにも、もちろんやりたいことはあります。でも、どうしたいのか、どうやったらいいのか分からなくて、モヤモヤしている。
モヤモヤがモヤモヤのまま、デザイナーやクリエイターに丸投げされて、クリエイターは自分のやりたい・得意な表現に突っ走る。
で、ひとしきり出来上がると「イメージと違う!」が勃発。
そりゃそうです。もともとイメージなんて無いんだから(笑) でも、クライアントさん、これだけは分かるんです。
「 違 う !」と。
そこからは、暗中模索・五里霧中。両者、無限地獄のやり直しスパイラルが始まる訳ですが・・
(どんなにそれっぽいオリエン資料があっても)
そもそも、クライアントに明確なイメージがある、なんて思うことが大間違い!
最初にやるべきは、モヤモヤした<欲求>を最大限引き出して、捨てさせて、整理して (なんとなく見えてきた方向に自然と追い込んでw)
「あ、自分たちがやりたいことって
こういうことなんだ!」
と (さも自発的かのようにw) 認識させる。それが、クリエイティブ・ディレクター の最初の使命です。どんなに急いでいても、行き先が「見える」までは、発車させちゃダメ。
① モヤモヤした<欲求>から
<表現>の核 ⇒ 行き先を設定する。
ことが、何より重要な、クリDのお仕事の第1ステップなんです。
このプロセスを「コンセプト・メイキング」と言いますが、その話は長くなるので改めて。どこに向かって全力疾走するのか?を、言語化・ビジュアル化して、全関係者で共有することだと思って下さい。
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◆ そのクリエイターは本当に、このプロジェクトに適任なんスか?
なんか、(お金もないのに) やたらと、有名クリエイターとか使いたがるじゃないですか? 代理店とか、プロダクションも有名クリエイターの名前つけときゃ、企画通りやすいとか思ってるじゃないですかぁ?
「その人、本当に適任なんですかねぇ?」
某世界的スポーツ大会や、トリエ●ナーレにも思うんですよ。
「本当に、その人が適任なんですかねぇ??」
この言葉を徹底的に突き詰めるのも、クリエイティブ・ディレクターの仕事だと僕は思ってます。
①でたどり着いた方向性の<表現>を<形>にする ために、最も相応しいチームを編成する。
② プロジェクトに最適な人材を厳選し
③ プロジェクトの<欲求>と
目指す<表現>を共有する
作業工程で言うとまだ前半戦ですが、クリエイティブ・ディレクターの仕事の5割は①~③に詰まってる、と僕は切実に思います。
その先には、お金と時間とクオリティ管理だったり、ノーマライズとの戦い (あらゆるプロジェクトは抗い続けないとありきたりになっていく) だったり、まだまだバトルが待ち受けていますが、その辺の話はまた追々。
僕はコンセプトメイキングやプランニング、企画コンテまで自分でやってしまうので、広告業界では登場するはずのプランナーやコピーライターが出てきてませんし、プロデューサーの仕事に被る部分もありますが、
クリエイティブ・ディレクター
= クリエイティブの製作総指揮
としての、僕なりのスタンスを、さわりだけ語ってみました。お後がよろしくなかったらゴメンナサイ m(_ _)m