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映画『マイ・マザー』グザヴィエ・ドラン監督
Amazonプライムビデオにて「マイ・マザー」鑑賞しました。2009年制作。監督・脚本・主演グザヴィエ・ドラン。
この作品はドラン監督の19歳のデビュー作です。いくら天才と言われているドランでも、きっと荒削りで独りよがりだったりするんだろう、と思って観たのですが、むしろストレートで理解しやすい作品でした。
母親と二人で暮らす高校生のユベール(ドラン)は、母親の食事の仕方、センスの悪さ、何かにつけてイラついています。母親がうとましいけど、愛している。その確執が素直に描かれていました。
といっても、母親は虐待するわけでもなく、朝5時半に起きて仕事に行き、上手ではないけど食事の準備もし、趣味は悪いけど家も整え、洗濯もして普通に暮らしています。魅力的ではないけど、酷い人間ではない。
半自伝的作品ということですが、母親のデリカシーに欠ける言動とか、どうもかみ合わない感じとかを、生々しく表現している事に驚きます。
先生役のスザンヌ・クレマンが良かったです。「わたしはロランス」の彼女役とはがらっと違う、知的な優しい先生でした。彼女がユベールの文章を応募したことは、暗闇の中にいる彼にとって一筋の光だったと思います。
カナダのケベック州のフランス語が良いです。もちろん字幕なしでは全く解かりませんが、アメリカ映画にもフランス映画にもない空気感です。