映画『イエスタディ』現代の夢物語
Amazonプライムビデオで鑑賞しました。ダニー・ボイル監督、リチャード・カーティス脚本。2019年制作、イギリス映画。
シンガーソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)は全く売れず、音楽で成功する夢を捨てようとしていた。そんなある日、世界規模の大停電が起こり、ジャックは事故にあってしまう。目を覚ますと、そこはジャック以外は誰も「ビートルズ」を知らない世界になっていた、、、、
私はビートルズの熱狂的ファンではないけど、やっぱり天才だと思っています。そんな彼らの曲を、全く知らない人が初めて聞いたらどう感じるのか、とても楽しみでした。
ジャックがプレゼントされたギターで「YESTERDAY」を初めて歌ったとき、もっともっと友人達に驚いてもらいたかったし、実家で「LET IT BE」をピアノで披露しようとした時も、父母にもティーカップをひっくり返すぐらい驚いて感動してほしかった。
それくらいの衝撃があると思っていたのですが、ちょっと予想していた反応と違いました。そうですよね、現代には、それこそエド・シーランもいますしね。1960年代の音楽環境と違ってますからね。
この作品にはエド・シーラン自身が本人役で出演しています。
エド・シーランがジャックに「いつか誰かに追い抜かれる日が来ると思っていた。それが今日だ。君がモーツァルトで僕はサリエリ」なんて言うシーンがあります。ジャックに対し尊敬をもって。
多様な音楽があふれる現代では、「ビートルズ」の天才ぶりは才能ある人こそ気が付く、という設定です。
ジャックは「ビートルズ」の曲で認められ、イケていないルックスを改造されデビューします。
ジャック自身は、自分で作っていない曲で人気者になっても幸せではなく、売れない頃に支えてくれたエリー(リリー・ジェームズ)とも上手くいきません。それこそ「HELP!」の状態です。
ヒメーシュ・パテルは吹き替えなしで歌っているそうですが、心の叫び版「HELP!」も良かったです。
最後にジャックはウェンブリー・スタジアムの大観衆の前で、自分の曲は「ビートルズ」の盗作であることを発表します。目の前にあった大金や名声より、エリーと自分らしく生きていくことを選びます。
ジャックの「愛するひとと、嘘をつかずに生きる」選択と、ビートルズの名曲の数々でとても楽しく幸せを感じる作品でした。
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