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キュロットスカートと私

 先日、同僚さんから「昔の事をよく覚えていますね」と聞かれた。んー、ほとんどの事は忘れてしまったけれど。印象に残ることは今でも覚えているし、私が忘れていても周りが覚えていて大人になっても、
とやかく言われるので忘れないでいる。                                                                          
 そんな時にふっと、キュロットスカートを思い出した。さてさて、令和の時代でもキュロットスカートって存在するのかなぁ。10年近く前にはガウチョパンツとか流行ってアレがキュロットスカートの進化版みたいなものだったのかな、と思ったり…。(どう?違う?)
 私は幼稚園の年少の時に3つ上のイトコから「スカートを履いているとスカートめくりされるんだよ」と聞いてからスカートがこわくなって履かなくなった。(そもそもスカートめくりの意味を理解してないのに)なので年少の写真だとスカート姿もあるけど年長になるとズボンや短パン姿ばかりだ。私の1つ下で幼なじみのポテコが両手でスカートの裾を持ってお姫様のように広げ、足をクロスさせて可愛く写る写真の隣にいる私は短パンで足を肩幅くらい広げていて右手を前に出してピースをしている。そんなスカート大嫌いになった私は幼稚園の卒園式と小学校の入学式でイヤイヤ泣く泣くワンピースを着たのだが入学後の桜の木の下でクラス写真を撮る時はワンピースを着るのが嫌でたまらなく、しぶしぶ白いブラウスと吊りスカートで不満げな顔をして写っている。その写真を高校生になって見てみるとなんでそんなに嫌だったのか…周りの同級生は可愛らしい髪飾りつけてワンピースを着ているのに。自分だけ地味な格好をしているようで後悔をした。ちいと余談だが小学生の時にお呼ばれをした結婚式では絶対にワンピースなんか着たくなくて着物を着ている。(2度も)
 そんなスカート大嫌いだった小学生の私の味方がキュロットスカートだった。短パンとは違って裾が少し広がる感じだったりして偽スカートのようなデザインが多少のオンナゴコロも意識できてそこに愛着を持てたのだろう。偽スカートとか思いつつもどこでも思いっきり走る事が出来て棒っ切れを振り回すような、そんな私を見てた幼なじみのポテコがある日、自分もキュロットスカートが履きたい!と突然駄々をこねはじめた。ポテコはいつも可愛くスカート履けるんだから別に良いじゃん!と思っていたけど。今すぐに履きたいと言うポテコのためにポテコ母がスカートの裾の真ん中からウエストにかけてミシンでダダーっと縫った。途中、股上のあたりで止めてあるけど。それをいざポテコが履くのだが、なんだか歩きずらそうだし、走ったり遊んでいるうちにほどけてきてしまって、またスカートに戻っていた。(そののち、ポテコもキュロットスカートを履くようになる)しかし、スカートのほうが鉄棒でスカート回りが出来るし、おままごとはお母さん役とかお姉さん役になれるから良いのにな。いつもズボンかキュロットの私は郵便屋さん役とか2番目のお姉さん役という微妙な配役だった。けれどもスカートは履かない!が当時のポリシーだったのでそこは貫いていた。
 そんな私が中学生になる時、当時の地元の中学校は町内で一校に統合して校舎が新しくなり制服もリニューアル!紺色ブレザーと赤いリボン。深緑のチェックのプリーツスカートは私立の学校の制服みたいで評判が良く、あんなに可愛い制服が着られるなんて嬉しいね!なんて友達と話しているうちにスカート履かないポリシーが薄れていった。そののち、高校生になると制服のスカートのウェストを折って短くしてルーズソックスなんぞ履いているのだから人の気持ちの移ろい、というものはよく分からないものだ。

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