くりぃむナンチャラの面白かった記憶を書き留める(+act.のインタビューを添えて)
テレビ欄の番組表を見ていて、9月18日放送回のところに【終】マークがあったのを見て、ああ、終わるんだなあと改めて思いました。
10月から「にゅーくりぃむ」として新たな出発を切ると思われますが、「ナンチャラ」は終わってしまうわけで、寂しいものがあります。
くりぃむナントカがゴールデンに入れ込まれた末に終わり、くりぃむしちゅーのお二人が「ナントカのような番組を復活させたい」と思い続け(AERA ムック「読んでから笑え!」くりぃむしちゅーインタビューより)、 「ソフトくりぃむ」から続く「ゴリゴリ」「ガリガリ」「グリグリ」「ギリギリ」と題名の変遷を経てナンチャラに落ち着いて、6年半。
久しぶりに、+act.の、くりぃむナンチャラ100回記念インタビューの記事を読みなおしたんですが、「この番組(くりぃむナンチャラ)は僕らのライフワークなんですよ(上田)」とおっしゃっていて、芸人としての、くりぃむしちゅーの拘りを改めて感じました。
名前を変えて二人の番組が新たに始まるとはいえ、そんなくりぃむナンチャラが終わってしまうのは、やっぱり寂しいので、この機会に、今まで放送された回で、特に自分が好きだった回、面白かったなあと思い出される回をピックアップして、書き留めておこうと思います。
あいつ今何してる?
何回かあった企画ですが、中でも三四郎小宮さんの回は凄く面白かったです。企画趣旨は「急に仕事がキャンセルになった相方は、今どこで何をしているのか?を当てる」というものだったのが、有田さんの発案によって三四郎小宮さんに対して急遽仕掛けられることになったドッキリ「トレンディエンジェルたかしが逮捕された」。指示する有田さんとそれを膨らませてガンガン焚きつける相方の相田さん(「おまえ(小宮さん)も逮捕されちゃうよ?」「そこ(漫画喫茶)で2、3日待ってろ」など)、その流れがあまりにも面白くて腹抱えて笑いました。面白いと思ったらその場で方向性を変えちゃう、そしてそれを成立させる胆力。くりぃむしちゅーの真骨頂であり、それに乗っかる三四郎とトレエンたかしさんの力がうまく作用した、忘れられない回です。
第二の鈴木亮平選手権
NO.1坊主芸人を決める「坊主渋滞を考えよう」から始まった(?)シリーズ企画で、裸渋滞を考えよう・TGC~東京ガリガリコレクション~・RAZIN…坊主頭にハムスターを乗せて「♥♥♥♥♥♥♥」のテロップが出たところとか、アンガールズ山根さんが輪ゴムくぐりをエアでやるところとか、RAZINでABC-Z の塚ちゃんが芸人と遜色ない働きをしてたところとか(TVer配信がなくて残念でした)、全部面白かったんですが、中でも一番、否、見てきたテレビ番組でも1,2を争うほど笑ったのがこの第二の鈴木亮平選手権でした。
最後のパンティ仮面相撲、今まで自分がはいていたパンティを被るのに躊躇する参加者たち、最初は相撲をちゃんとするも、途中からカメラの前に一人づつ出てきて「ペロッ」有田「失格!」
…これで腹爆発しない人はいるんでしょうか。
最近総集編があったときにも流れましたが、以前放送されたとき、繰り返し何度も見たはずなのに、まためちゃくちゃに面白くて、何度も見てしまいました。自粛禍で本当に元気が出る映像でした。
上田さんが文字通り腹を抱えて笑い転げていたこと、有田さんの「深夜番組をなめてるんですか!?全員失格です!」の咎めツッコミ、あまりにも美しすぎました。上田さんじゃないですが、人生の終わりにこれを思い出せたら、素敵な人生になる気がしています。
ミニスカート陸上
恐らく番組の代表作ともいえる企画。毎年1~2回ありましたが毎回楽しみでした。
おじさんたちがよってたかってパンチラしないようにいろいろな競技を頑張るサマが、当然の如く面白くて。
思い出される過去の放送といったら、ただただひたすらパンツが見えて「失格!」と怒鳴る有田さんの声が響くばかりで、なんにも細かい中身を覚えてないので、本当になんにも残らない、ただただ面白い企画だったなあと思います。
ミニスカ姿の上田さんが、「家から離れた公園で、普段の自分を開放する」と例えられていたのは思い出しました。遠目から、待機するメディア王上田晋也(ミニスカのすがた)、すっごく面白かったです。
前述の+act.でも、上田さんが「70歳くらいになって『ミニスカート陸上』がやれたらいいなって。ジジイが頑張ってパンツを見えないようにしてるって面白いじゃないですか。やれたらいいですよね。」と触れられていました。
各種インタビューでもよく「ミニスカートはいてパンツを見えないようにする仕事をやったあと、政治家と政治の話する仕事があったりして、なんだこの振り幅は!情緒不安定になるわ!と思う」という話を鉄板で披露していて、毎度ウケをいただいてらっしゃるので、メディア王としての活動も、すべてフリになる、この企画が大好きでした。
私も70歳のくりぃむ(というか上田さん)が若手と躍動してパンチラしないように頑張ってる姿、みたいです。何とか、これだけでも続けてくれないでしょうか…リンカーンの大運動会みたいに…
もうええわを言わない相方たち
ギリギリくりぃむ時代にもやっていたような記憶がありますが、コンビ(グループ)のネタって完成されたものだから、それが崩れるのは予定調和でない面白さが生まれると同時に、ドキドキ・ひやひやしますよね。
特にギャラクシー賞月間賞を受賞した2018年の回で、どうにか漫才をおわらせた後のバックヤード、カミナリまなぶくんの「どうした?」とたくみくんの体調を気にかけるのが、凄く人柄が出ていて心に残っています。ギャラクシー賞受賞の際、「芸人の関係性やパーソナリティ、芸人にとってツッコミとはなんなのかも見えてくる企画であった」と評されていましたが、同回に一緒に出演していたアイデンティティとダイアンは「何してんねん(ちゃんとやれというニュアンスで)」と怒っていたし、相席スタートはケイさんが焦って「何?もうやだあ~」となっていたり、別回ではハライチが、そのネタの特性上逆に澤部さんが追い詰められることになっていたのが、【コンビの関係性】の現れであり、それを垣間見られたところが、やっぱりよかったです。
プロレス関係回
解散予防運動会で「予防」と銘打ってるのにすでに解散していたジューシーズをブッキングした上、出されたお題を揃えるというコーナーで、一番強いと思う外国人レスラーを答えるくりぃむが、同時に「スタンハンセン」と一発で揃えた回。本人たちも揃ったことに「今、びっくりしている」と言っていましたが、一番強いと思う外国人レスラーという二人にはわかりやすいお題、きっと二人で過去「最強の外国人レスラーって誰と思う?」って話を絶対に楽屋でしているだろうし、当てにきてる、狙ってるよなあ、と思いつつ、そういう仕事以外の話をするコンビ(グループ)っていうのがちょっと特殊で仲の良さにつながるんだろうなあ、などと考えを巡らせた、私の中では「スタンハンセン回」です。
プロレスの流れで言うと、第二の中西学選手権、第二のライガー選手権、クイズ天龍源一郎、プロレスマニア王など、さすがはプロレス好きのお二人だけあってプロレス企画も多くありました。有田さんのプロレスラーモノマネも見られるので楽しかったです。罰ゲーム執行人でよく出演されていたプロレスラーの方にも敬意を払う有田さん。プロレス関係でもう一つ、第二のライガー選手権のオープニングで、プロレス熱が復活した上田さんがよく試合を見に行くようになったと話していて、有田さんが「僕より(プロレスの試合を見に)行くのやめてもらえます?」なんて会話をしていたのも、ラジオでプロレストークしていた頃を思い出して、嬉しく見ていました。
ロケ企画
ボケモンをつかまえろ!、幽霊で行こう!など、ロケに行く企画も、楽しかったです。くりぃむは最近スタジオが多くてほとんどロケに行かない印象なので(しゃべくり007の正月ロケくらい?)猫カフェで猫と戯れたり、若手やボキャブラ世代(X-GUNさがねさんとか)と商店街で絡んだりするくりぃむはよいものでした。特に幽霊で行こう!は、企画から最終的に離れて、途中ラバーガール大水さんの相談会になってて面白かったです。
とろサーモン久保田さん回
有田哲平と顔が似ている、「有田の代わり」として何度も出演されていた久保田さん。グリグリくりぃむ時代からの通し企画ですが、ちょくちょくやってくれてて毎回楽しみでした。特に面白かったなと思い出すのは、M-1チャンピオンになった後に出ていた「どっちが久保田でどっちが有田?」。相方の村田さんも出演しての、女性の顔写真パネルを見てこの女性が好みなのは久保田さんか有田さんか当てるクイズ、久保田さんと有田さんがダッシュで隙間を通るのを、どっちが通ったか村田さんに当てさせるゲーム、めちゃくちゃ笑いました。
お正月特番回
2018年のゲストはくりぃむ、2019年のくりぃむZONEともに面白かったんですが、特にゲストはくりぃむは本当にDVDで残せばよかったと今でも思うくらい盛りだくさんで面白かったです。
舛添要一と第三者(くりぃむ)のドライブナイトニッポンあり、お化け屋敷ロケ、にゃんこスターのお悩み相談、丸山桂里奈さんの駄菓子漫談、本田翼ちゃんとのぷよぷよ世紀の凡戦あり。くりぃむZONEは前年とテイストが違いましたが面白かったのに、今年(2020年)は特番なかったので凄く残念でした。
境界線大喜利
大喜利するくりぃむが見られるのが嬉しいところでした。大喜利の出来不出来でめちゃくちゃにディスられるくりぃむしちゅー。あっ、あと、正解発表の時、ぴょこぴょこ大喜利回答のフリップを行き来するくりぃむ、とてもかわいかったですね(駄目な顔ファンの感想)。
芸人相談酒場
鬼越トマホークがゲストでいた回、喧嘩をくりぃむが止めるくだりで上田晋也に対して「本当はボクシングにしか興味ないのにスポーツに関わってんじゃねえよ」「サッカーファンとか野球ファンとか興味ないのバレバレなんで、もうちょっとしっかり頑張ってほしい」、有田哲平に対して「番組スタッフにこっそりダメ出しするから嫌われてるらしいぞ」「打ち合わせしてるときに『それ成立してる?』っていわれるから正直きついらしいっす」、秀逸でしたね。何より、言われた後、背中を丸めながらすごすごひきあげる有田哲平がすごく有田哲平でよかったです(褒められて伸びるタイプ、とはくりぃむANN第1回での相方・上田晋也評)。
公式HPやウィキペディアで放送リストを確認しながら、この文章を書いていたんですが、お笑い芸人マニア王決定戦、裏方マニア王決定戦など、クイズとして楽しかった回もあったなあ、Mr.ビーン選手権も面白かった、藤田ニコルちゃんがジャネイヨ選手権で「オカリナジャネイヨ!」を見事当てて、その勘の良さに凄いなと感嘆したな、などと思い出したり、懐かしかったり。あれ、この企画、なんだっけ…?となってしまったり。
最近でもアイドル座付き作家選手権でのニューヨークが面白かったりしたので、やっぱり終わるのは寂しい気持ちです。
後継番組のにゅーくりぃむ。くりぃむしちゅーの2人をリモートで“誰か”に操ってもらい新たな一面を浮き彫りにする、というテイストだそうで、最近やった「たまには脳を休ませたい」回みたいな感じになるのでしょうか。
最後に。何度も引用してしまい申し訳ないんですが、+act.で有田さんがおっしゃっていた言葉で、特に心に残っている言葉がありまして、
「バカみたいな企画を現場でもっとバカバカしくしながら、オンエアでさらにバカバカしく見てもらうのが一番」
ナンチャラの意思は変わらず、また面白い番組を見ることができたらいいなと思っています。