Cobaltを読んでいたころ
Cobalt(雑誌)を読んでた頃、というタイトルにしたが、実際のところ私が雑誌のコバルトを買ったのはほんの数回にすぎず、
購入していたのは、主に文庫化された「コバルト文庫」だった。
さらにライトノベルとはいえ、漫画でなく、小説であり本なので、図書館での取り扱いも多かった。
氷室冴子先生、新井素子先生といったお気に入りの作家の先生の作品は買って読んでいたけど、コバルト文庫のたいていのラインナップを地元の図書館で利用できたのは、ありがたかった。
コバルト文庫を読んでいたのは、りぼん、花ゆめ、アニメージュ、そしてLaLaを読んでいた時期とかぶる。
以前の投稿にも書いたが、漫画が大好きで漫画家になりたかったけれど、自分の画力ではとうてい無理だと悟るに至り、それなら氷室冴子先生のような、ライトノベルの作家になりたい、と思うようになった。
ライトノベルとはいっても、今読み返しても氷室先生の作品は深くて、代表作のジャパネスクシリーズは、正直あまり好きでなかったのだけれど、
雑居時代のようなコメディタッチのものから、純文学の作品と遜色ない初期のシリアスな作品、そして先生本人も好きだというヤマトタケルといった作品に、深く影響された。
先生のすごいところは、先生の作品を通じて、ジェィン・エアといったような海外・日本の古典作品を読み始めるきっかけを与えてくれたことだった。
作品をより理解したいのと、先生のような作家になりたかったので、この頃から漫画とラノベも読みつつ、図書館で古典や、純文学系の本を借りて読み漁り始めた。
そのおかげで、だいぶ読書の幅が広がり、知識量も増やすことができたと思う。
古典や純文学も読みつつ、コバルト文庫以外のファンタジー系や、スペースオペラ系のラノベを読んで、自分でもラノベ風の作品を書き始めた。
友達との交換日記に小説を書いて、絵が上手な友達が挿絵を描いてくれたのが嬉しかった。
新人賞に投稿しようと思って、いくつか作品を書いたけど、結局は応募しないで終わってしまった。
何度も新しいラノベを書き始めるのだけど、完結できる作品の方が少なかった。
そうこうしているうちに、大学受験対策を始めるようになり、私の第一志望の大学は小論文が受験科目にあったから、その準備を始めることになる。
そうなると、読む本は文学ではなく、論文やノンフィクション系となり、受験が終わってからも、歴史書や評論書などを中心に読むようになってしまった。
いつしか小説をほとんど読まなくなってしまい、そこで私の作家志望の夢も自然消滅してしまったのだった。