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「スゴイ!」の連発
私の祖父母は明治生まれでした。
幼かった頃のことをぼんやりと思い起こすと、明治あるいは大正の暮らしの名残り、それから親世代が通った大戦の時代のあれこれなど、いろんな話が語られていたし、暮らしの中にはそれらと関わりのある品々が残っていて、たとえ知らない時代のことであったとしても、それらが分かるような雰囲気が、うっすらとあったように思い起こされます。
ふと、昭和生まれの私たちは、それ以前の明治、大正と、それから平成、令和と五つの時代を知っている者という風に考えられなくもないし、これはなんだか「スゴイ」ことなんじゃないかと思ってしまいました。
そして、令和の時代に生まれてる人たちは、いずれ、昭和生まれが明治生まれの人たちを見たような目で、昭和生まれの私たちを見ることになるのでしょう。これもなんだか「スゴイ」と思いました。
とりあえず、この「スゴイ」としか言い様のない気持ちを、もっと丁寧に表現するとしたらどうなるでしょう?
そうですね、昨日と明日のことしか考えていない毎日の繰り返しの中で、ずっと大きな時間の流れがあることを、突然、実感してしまった感じ、とでも言っておきましょうか。
昭和一桁生まれの私の母が、平成が令和に代わった時に、
「(平成は)いい時代だった。戦争がなかったんだもの。」
と、つぶやいたのを聞いて、大きな衝撃を受けたことを覚えています。その時、その元号に込められた「平らかに成る」いう意味を深く感じ入ったものでした。
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さて、今、遠いところで起きている戦争をやめさせることは難しいのでしょうか? 地球上で、自然がもたらす脅威だけでもたくさんあるのに続く破壊、歴史の中で何度も繰り返していることを、それまでとは別の方法で解決することは、思いもつかないのでしょうか?
自分とは異質なものに対する反感を理解に変える道は、まだ遠いのでしょうか?
人間の意識がどこまで進化したら、それは可能になるのでしょうか?
自分につながる、ごく身近な人の身の上で
今立っているこの土地の上で
遠いところの戦争と同じことが起きたことをイメージするのは
それほど難しい話ではないだろうにと思われます。
新しい一年が始まり、大きな地震、航空事故、遠いところで続く戦争、年初より波乱を思わせる幕開けです。これを読んでくださっているあなたは、どんな思いで新年を迎えられたでしょう。
私は、新しい年の節目に考えたことを書き留めておき、また、来年も読み返そうと思います。
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