解脱風呂【馬曲温泉:望郷の湯】
冬のあいだ、こわばる身体をほぐしに温泉へ行こうと考える機会が多いことでしょう。これを読んでくださってる皆さんは、どういう温泉が好みでしょうか?
私の場合、若い頃は長くお湯に浸かっていることができなかったけれども、最近は、湯舟から出たり入ったり、一時間くらいかけて身体の芯まで温めるような入り方をするようにしています。それでも、のぼせるのがイヤなので、温泉に行くなら露天風呂であることが必須条件、それに加えて、できれば景色の良いところ、かけ流しなら最高! と決めています。
そして、季節を問わず、時折、ああ、あそこに行きたいな~となる温泉が、長野県の山奥にあるので、ご紹介します。
そこは、タイトルにある通り、馬曲(まぐせ)温泉というところ。長野県の北東、木島平村の奥にあります。
ここの露天風呂からの景色は絶景です。北の方角にいくつも山並みが重なり、その先へ開けている遠くに目をやると、ちぢこまっていた心も遠くへ飛んでいきそうな爽快な気分を味わえるため、ひそかに「解脱風呂」と呼んでいるのでした。
露天風呂には掛け湯をする場所はあっても洗い場がないので、からだを洗いたい人は、まず内湯を利用する方がよいのですが、その内湯から露天風呂までは離れているため着衣で移動する点が注意です。
車がないと行けないというのが難点ではありますが、近くのスキー場のシーズンには、雪遊び帰りの人達にも人気です。お湯は熱めで力強く、本当に温まるすばらしい温泉ですが、町が経営しているためか入湯料も安く抑えられていて、素朴で飾り気のないところが実に良い雰囲気なのでした。
ここへ行く時は、まず、龍興寺湧水で湧き水を汲み、
そばを通るたびに、いつかは泊まってみたいと思う梨の木荘を横目で見て、
まず、ゆっくり温泉に浸かる。
おなかがすいたところで、「鞍掛の茶屋」で地元食材の定食にするか、温泉の近くの「山愚」(注:暖かい季節のみ営業)でお蕎麦にするか、それよりまず濃厚なソフトクリームを食べて火照りをさますか、迷います。
秋には、やまびこの丘公園にダリアの花を見に行きます。こんな奥まったところに本当にお庭があるの?と疑ってしまうほどの場所に、広々と空があり、山があり、咲き誇るダリアという組み合わせの公園で、ゆっくり散歩することができるのでした。
時期によっては、ここのダリアを惜しげもなくお湯に浮かべる「ダリア風呂」というイベントの日が馬曲温泉で開かれます。
そして、千曲道の駅に寄って、北信の豊かな農産物を買って帰宅するという楽しみ方をしています。
さらに、夏の暑さが盛りだった頃、涼を求めて、山の内町のソラテラスへ行ったこともありました。その近辺も、いい温泉があるかも知れないと考えています。
これを書いていたら、馬曲温泉に、また行きたくなってきましたよ。
(追記)2023年現在、馬曲温泉は休業中です。お出かけになる際には、現地の情報を直接ご確認ください。ここに代わる露天風呂があるとしたら、、、 山ノ内町のホテルセランにある「遠見の湯」がお勧めです。
(さらに追記)2024年5月、営業再開。