満月の夕
SOUL FLOWER UNIONとは別に
SOUL FLOWER MONONOKE SUMMITという
ユニットが在る。
阪神淡路大震災の時に
中川と伊丹英子が中心となり
電気を使わなくても気軽に演奏できる
チンドン部隊を急遽結成し避難所や公園など
何ヵ所も周り続けた。
当時のインタビューで中川は語っている。
[若者は来なくてエエねん。
避難所で1人ぼっちで引き籠ってる
爺ちゃん婆ちゃんを表に連れ出すのが目的やねん。
ターゲットはそんなジジババや笑]
そうして彼らは
戦前戦後の流行り歌や民謡を
先の世代に向けて演奏した。
そんな中で生まれたのが[満月の夕]だった。
SOUL FLOWER MONONOKE SUMMITは
これまで3枚のアルバムを発表している。
それも原曲に忠実な歌詞を歌うのではなく
一部の歌詞を変更して歌っている。
[有難や節]という歌では原曲は
"どこでどうやら道間違えて
怒鳴る女房の閻魔顔"
だが中川の場合は
"どこでどうやら道間違えて
騙す教祖の恵比寿顔"
と歌っている。
当時世間を騒がせていた宗教団体への
痛烈なカウンターパンチが
この1行で分かる。
ストーンズがカバーしてた
チャック・ベリーってどんな音楽だろう?
それと全く同じ感覚で原曲を聴いてみたら
思った以上にポップで驚いたのを覚えている。
この亜細亜の小さな島国が
表向きはグローバル化と見栄を張る時。
奥底にはこんな郷愁にも似た
切っても切れないメロディが遥か昔から
鳴り染み付いている事を忘れてはならないと思うのだ。
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