TWO PUNKS
"いつもの薄汚れた小屋へ行き
俺たちは歌った 朝まで歌った
一切れのパンを腹に押し込み
ぐったり 地下室で横になる"
THE MODS
[TWO PUNKS]
モッズの森ヤンとキーコが
共同著者で書いた本を読んでいる。
バンド結成前夜から
東京進出までの日々を綴ったエッセイ集。
これがメチャクチャ面白い。
モッズという硬派なイメージとは程遠い
笑いあり涙ありの日常がリアルに書かれている。
一部だが各項目のタイトルだけでも惹かれる。
開戦前夜―THE MOZZ
モリヤンとの出会い
杉乃井パレスの夏休み
箱バン時代―指が腐れるばい!
キャバレーの用心棒
新一年生の俺
怪談好きのモリヤン
外タレば観に行くぜ
宵越しの金すらない
お兄さん、拝借します
苦学生?パンクスは一日にして成らず?
感染、パンク熱
悲しき皮ジャンパー
犬とパンクス
俺たちはイイ方たい!
バイトあれこれ
命知らずの恥知らず―山善
ニューヨーク or ロンドン
ドリンキン・マシーン vs トゥー・パンクス
自動車、デストロイ事件
etc.
反抗期とモラトリアムの闇
真っ只中だった14才の自分を
救ってくれたのはモッズの音楽だった。
ファーストアルバム1曲目
[不良少年の詩]のイントロを聴いた瞬間。
お前が向かうのはバイクじゃなくてコッチだろ。
とロックの世界に誘導されたと言っても過言ではない。
バンドを組んでスタジオで練習した後
その足で近くの寡黙なマスターが居る店で
瓶ビールを1本だけ飲むのがルーティンだった。
浦和の楽器屋のホールで対バンで出演した時
出番の順番を決めるジャンケンでボーカルが負けて
トップバッターになり友人知人が到着する頃には
出番が終わってたり。
北千住の白木屋で今日は朝まで飲むぞと
4人で意気込むも結局日付が変わる頃には
寝てしまいタクシーや徒歩で帰ったり。
そんなトホホな事すら
楽しかった日々を久しぶりに思い出した。
バブル全盛の時代。
誘われた合コンにも参加せず
暑い夏も凍える冬も仕事終わりにスタジオに入り
僕らは音を出し続けた。
そしてたくさん笑い合った。
この本には
そんな貧乏でもキラキラした瞬間が
たくさん詰まっている。
いつか上京後の日々も出版して欲しい。
モッズの素顔が垣間見れる1冊。