月の古民家ぼっちDIY(1): 月はどうかね?
月の古民家
浜松市天竜区に「月」という地名があるのをご存知ですか?「月まで3キロ」という短編小説の題材にもなったところです。山に囲まれた静かな集落で、鳥の鳴き声と水の流れる音しかしない。ときどきカモシカや猿にも遭遇します。ここにある古い民家をひょんなことから譲り受けることになりました。
月はどうかね?
そろそろ定年後にすることを考えないとね、キャンピングカーで全国放浪の旅なんかいいね!などとかみさんとと言っていたのですが、そもそも出不精の二人。キャンピングカーを買っても2〜3年で持て余すんじゃないか。安い買い物じゃないし・・・
浜松市は自然が豊かで、ちょっと車で走ればすばらしい自然に触れることができます。以前から、県内の道の駅などに遊びに行くたび「こういうところに住めたらいいよね〜」と冗談半分で言っていたのを思い出しました。キャンピングカーとそう変わらない値段だと思うし、古民家でも探してみる?とこれも冗談半分で。まぁ1〜2年のんびり探して、いい物件があれば考えてみるかなぁ、くらいのつもりでした。
ですが、スイッチが入ったカミさんの瞬発力と引きはすごかった。ある日、不動産屋さんが「ピンポーン」とうちに来て、今住んでいる我が家のお隣の家が別の人に売りに出されたので、我が家との境界を確認させてほしいというのです(私は出勤していたので留守)。それで、カミさんはべらべら世間話して「最近ダンナが古民家欲しいと言い出してね〜」と言ったら、「ほう、それじゃ月はどうかね?」となったんだそう。
聞けば、つい先月に家主さんから売却の相談を受けたんだそう。もう20年近く空き家になっていて、そろそろなんとかしないととなったんだそうです。まだ売り出し前で、まさにドンピシャのタイミング、というか早過ぎでしょう!
早速その週末に現地に行きました。その後も何度も通いました。ロケーションは最高ですが問題も山積みでした。本当に悩みましたが、最終的に購入を決断。地目変更とか、残置物の処理だとか様々な手続きを経て(この辺はまたおいおいお話しましょう)ようやく契約締結に。H 損保サービス不動産部の K 部長には本当にお世話になりました!
DIYリフォームに対する「覚悟」
そんなわけで、2023年1月に晴れて引き渡し。今のところ移住までは考えてないものの、それでもかなりのリフォームが必要で、母屋にトイレはなく、ところどころ畳や床が落ちている状態です。売りに出すまで、家主さんは草刈りのために毎週のようにここを訪れていたんだそう。最近体がいうことを聞かなくなり、息子さんに運転をしてもらわなければならなくなってからも、1ヶ月に1回は来ていたんだそうです。
そういう家を譲っていただいたわけですから、純粋に「大切にしなければ」という気持ちになります。ダメなところをとにかくぶっ壊して、業者さんに入ってもらって、ことごとく新しい設備を導入すれば、そりゃリフォームとしてはいいのでしょう。でも、古い木材ひとつにしても簡単に捨てる気にはなりませんでした。そこで、このぼっち DIY は次のような「覚悟」で進めることに決めました。
できるだけあるものを使う。新しく買った方が簡単と分かっていても、それが使えるものなら安易に捨てたり壊したりしない。
業者さんに頼めば楽だし早いと分かっていても、創意と工夫で自分でできることはできるだけ自分でやる。
さいふと相談しながらやる。
一気に完成させようと思わず、気長に楽しくやる。ずっと未完成でもよし。
はてさて、そうは言ったもののどうなっていくんでしょう?やらなきゃならないことが山積みで、いったいどこから手をつければいいのか・・・
次回は、月の古民家を買うと決めるまでの葛藤のお話です。