昔々 或処に 黄昏時に集まって ひっそりと開かれた 空想クラブがあったそうだ 何時 誰がそう名付けたのか 人々はそれを “月見草倶楽部”と呼んだ 開催の知らせは届かず 再開の約束は交わされず 何処にでもあって 何処にもない そんな集会なんだそうだ 現代も密かに 形を変えて 開かれているとか いないとか 部屋の片隅で 外気の内側で 微睡の最中で 記憶の彼方で 己の心が求めた時 倶楽部はきっと 現れるそうだ 「 こんにちは ここは 月見草倶楽部 電子の海