いろんな端っこには福がある

 「遠慮しなくてもいいところ食べればいいのに」と言われることがある。全く遠慮はしてないのだけど。

 私は鮭の皮が好きで、特に細くなっていく方、脂が多くなっていく方の皮が好きだ。皮がパリッと焼けているのも好きだし、しなってるのも変わらず美味しい。細くなっていく端っこの方が一番美味しく感じる。身が少しだけ付いてると格別だ。(身は身で美味しいから普通に食べるけど)

 たらこや明太子の皮も好き。たらこと明太子のどちらが好きかは選べない。どちらも違って美味しい。ただこれは生の皮が好き。中身を出した後に残った部分を食べると、歯応えがなんともたまらない。たらこソースを作るために生身を出して残った皮の部分をいつも欲しがる私は周りの人から不思議がられることが多い。

 パンは耳ではなくて、1番端っこの片面が全て耳みたいになってるところが好き。スーパーのライフのパンコーナー「麦の郷」に売っているホテルブレッドのはしっこの部分が特に好きだ。カリッとなるまで焼いて、バターをたっぷり塗って食べると歯応えとジュワッと感がとても美味しい。
 フランスパンも端っこ(おしり)の食べにくいところが好き。バターとか塗りたくても、耳?表面?はツルツルで塗りにくい感じも好き。これは焼いても焼かなくてもどっちも美味しい。

 お肉もステーキやトンカツとかは端っこが美味しく感じる。脂身が好きなわけではないから、脂身ばっかりなのはちょっと困るけど。ステーキは食感や味の染みかたが美味しいし、トンカツは衣のつき方的に端っこが美味しく感じる。

 他にもちょくちょくそういうのがあって、周りの人には「変わってるね」「え、ほんとに?」「もったいなくない?」と言われるけど、何とも言えない食感や味に魅力を感じてしまう。だから自分から端っこをもらおうとするのだけど、周りからみると遠慮してるように見えたり、周りのためを思って端っこを選んでいい人みたいに思われる。いくら好きなんです、と伝えたところで、またまた〜、みたいに返されて信じてもらえなく、なんだか勝手に好感度が上がる時さえある。
 他にもきっと私みたいに端っこ好きな人がいると思うのだけど。私は日々たまに食べる端っこに小さいしあわせを感じる。


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