なくしたものが見つかった

祝日の今日は天気もよかったので、電車に乗って自宅のある沿線のそれほど遠くないところに出かけた。
少し風も吹いているし、日焼け(冬でも紫外線はそれなりにある)防止もあって、帽子をかぶって外に出た。
電車に乗り込んで、いつもの癖で帽子を取ったところまでは覚えている。 
目的地の駅に着き、電車を降りて駅を出たところで帽子がないことに気がついた。すぐに駅に戻ればよかったのだが、やや急ぎの用もあったため、そのまま駅をあとにした。
用をすませて小一時間後、駅に戻って駅員さんに落とし物についてたずねようとしたが、運悪くちょうど駅員さんが不在だった(この駅は沿線でいちばん乗降客が少なく駅員さん不作の時間帯があるようだった)。
しかたなく同じ沿線の次の目的地に出かけた。同じ沿線なので、ダメ元でなくした帽子のことを駅員さんにたずねてみた。なくした帽子の特徴や時間帯、なくしたと思われる場所について説明したところ、似た特徴の帽子が最初の訪問駅で保管されている、とのこと。
わざわざ届けてくれる人はいないだろうなぁと思っていたので、とてもびっくり(良い意味での驚き)だった。
最初の訪問駅に再訪して確認したところ、自分の帽子だった。高価なブランド帽子でもないし、たぶん3年くらい使っているやや古い帽子だけれど、暖かくて気に入っているものだった。
帽子をなくしてショックだったのは、買い直すお金がもったいないというよりも同じようなものがまた手に入るのだろうかということだった。めでたく自分の元に戻ってきて、とてもうれしい。
このところ、ちょっとシンドイことが続いていたので、何か好転の兆しのようにも自分には感じられた。
届けてくれた方、お心づかい本当にありがとうございます。

実は同じ沿線で帽子をなくしたのは今回が初めではない。何年か前、そのときは真夏に帽子をなくした。このときも(今回と同様にブランドものでも真新しくもない帽子、今も手元にあって活躍中)、駅に届けられた。
自分は服や靴、小物類を選んで買うのにとても時間がかかるほうである(決断力がなかなかない、自分のイメージと少し異なるとなかなか気持ちが動かない)。
なので、なくしたときは、物自体がなくなった(=それに投入したお金もなくなる)こともショックなのだが、それを選ぶことに費やした時間や探した執念みたいなものが不意になったようで、ショックを受けるのである。
であれば、もっと物を慎重に扱おうね、ということになるのだが…。 

こうやって人の善意に助けられると、自分も落とし物を見つけたら必ず届けようと思っている。
でも、注意して周囲を見てないのか落とし物と思しきものを見かけたことがない。こういった注意力のなさが何度も落とし物をしてしまうことにつながってしまうのだろう。

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