互恵で栄える生物界―目次
はじめに─私たちはダーウィンの洞察を誤ったやり方で世界にあてはめていないだろうか
楽観的でいる以外に選択肢はない
植物と土壌微生物の互いに生命を与え合うパートナーシップ
科学は人間が自然からの収穫の限度を理解する道具
第1章 地面の下にある「ギブ・アンド・テイク」のタペストリー
森林生態学者スザンヌ・シマードと「マザーツリー・プロジェクト」
皆伐して一種類のみの苗木で森を作ることへの違和感
菌根菌のネットワークが森林にもたらす意味とは
私たちはまだ十分詳しく調べきれていないだけ
サーモンが森にもたらす恵み
ポプラと根粒菌
次に生きる共同体にDNAをもたらすすべてのもの─森の記憶を記録する
第2章 もっとよい隠喩(メタファー)が必要
「ごまかす」生き物たち
不可解な相利共生
社会情勢と科学
無政府主義者にしてすぐれた生物学者でもあったクロポトキン
利己主義と闘争の生物界
穏やかな選択がもたらすもの
第3章 私たち一人ひとりが生態系
大気中に漂う微生物
多種多様な細菌
すべての生き物は微生物叢の宿主
臨機応変に振る舞う微生物
自然とのつながり
土と健康
第4章 砂漠を湿地に変える
アメリカ西部を水で潤す
瀕死の川
持続可能な放牧
ビーバーの復活
タッグを組んだ牧場主と役人と科学者
第5章 自然を育てる農業
昆虫学者、農業研究に乗りだす
土壌炭素と微生物
環境再生型農業と科学者
化学的混乱から環境再生へ
積み上がる成功事例
土地に適した種子の消失
参加型育種と農場主
スイートコーンをめぐる攻防
第6章 鳥たちと一緒にコーヒーを
生態学者と有機栽培コーヒー農園
土地の共用か、それとも節約か
コーヒー農法集約化の影響
3番目の役者
害虫予防の原則
森林農業と野生生物
第7章 尾根の頂上から岩礁までを癒やす
ミッドコースト流域協議会の歩み
サーモン復活への道のり
ネズミとサンゴ礁
サンゴと藻類と魚と鳥
第8章 青々とした街で暮らす
厳しい気候と屋上緑化
バイオフィリック・シティーズ
シンガポールの取り組み
わずかな草木でも効果を発揮
都市に水路を取り戻す
環境教育の格差をなくす
個人の庭から自然に優しく
ニューヨーク緑化プロジェクト
都市で進化する動物たち
再び、ビーバー登場
半寄生植物が少しだけ許せない
謝辞
訳者あとがき
索引