見出し画像

金比羅尾根を歩く

拝島で流れが合わさる多摩川と秋川。この大きな川に挟まれた山域にはたくさんの山道が通っている。秋川の最奥にそびえる奥多摩三山の最高峰である三頭山でも標高は1531m。今回歩いた金比羅尾根の中ほどの尖った山頂を持つ麻生山は794mだから、暑い夏を避けた10月から5月までがハイキングシーズンだ。

20世紀の半ばまで、炭、木材、養蚕の集積地として賑わった武蔵五日市の街を見下ろすようにそびえる金比羅山・金比羅神社(金比羅神社、琴平神社は、この山域にいくつかある)から、御岳山とその山頂に立つオオカミの護符で有名な武蔵御嶽神社への参道として歩かれていたのが金比羅尾根だ。御岳山手前の日の出山から右に折れて三室山経由で青梅線日向和田駅へ下りるルートもよく歩かれている。ちなみに三室山から少し下った梅郷にも琴平神社がある。

駅から駅へのハイキングルートとしては五日市線の武蔵五日市駅から青梅線日向和田駅までが紹介されているが、この緩やかな稜線は、楽しい派生ルートがいくつか取れる。日の出山から御嶽神社へ行きケーブルカーを使って御岳駅へ下山してもよい。または、麻生山から沢沿いに大きくて美しい白岩滝を見ながら白岩滝バス停まで下りてもよい。アジサイの季節には、あじさい山経由で武蔵五日市駅に出るコースもある。日の出山からつるつる温泉へ下山してもよいだろう。

かつては馬に荷を背負わせて歩かれたアップダウンが少ない尾根通しの道なので、歩く人を選ばない。厳しい上り下りを避けたければ尖った麻生山には山頂を巻く道が付いている。そのうえ、武蔵五日市駅から日の出山までは、なぜか、週末でも歩く人がとても少ないので、静かな山行が楽しめる。

これからの紅葉シーズン、都下、交通便利なところにある金比羅尾根ハイキングをお勧めしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?