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迷ったときは実際にトライしてみることが大事〜一眼レフカメラを手にして学んだこと

先日、4年ほど前に購入した一眼レフカメラを手放しました。

ここ1年くらい「もうなくてもいいよな」と「そのうち使うかもしれない」という感情が行ったりきたりして、放置状態が続いていました。

しかし、一眼レフカメラというものは、きちんと管理していないと本体やレンズの中にカビが生えてしまうことがあります。このまま放置して使えなくなるよりも、値段がつくうちに買い取りに出してしまったほうがよいと考えました。

とはいえ、買い取りに出すために梱包し、カメラ関連の本やグッズを処分するときになっても、残念な気持ちが消えませんでした。自分がやってみたくて購入したものだからです。

でも、私は一眼レフカメラからいろいろなことを学びました。そんな話を書いてみようと思います。

私が一眼レフカメラを買った理由

一眼レフカメラを購入した当時、私のメインの仕事は校正ではなくライティングでした。

ライティングの仕事をしてはいるものの、これといった特徴のないライターだったので、「なにか差別化できるようなものがほしい」と思っていました。

そんなときに出会ったのが、取材ライターという仕事です。

「いろいろな人に話を聞いて、それを記事に仕上げる。おもしろそうじゃない?」

そう思いました。

だからやってみることにしたのです。

取材ライターの話になるとだいたい出てくるのがカメラの話でした。だから、自然とカメラにも興味が向きました。

「カメラにも挑戦してみたい」

しかし、一眼レフカメラは決して安いものではありません。

ぐるぐる迷っているときに、撮影ありの取材案件の話がきました。一眼レフカメラ購入を迷う私の背中を押してくれたのは、言うまでもありません。

私なりの努力

中古で購入したNikonの一眼レフカメラは、思った以上にどう扱ってよいかわかりませんでした。

本を購入し、ネットで調べ……。

それでもなかなか撮影のコツがつかめません。どう扱ったらよいかすらもわからないのです。

とはいえ、仕事は引き受けた後なので、なんとかしないといけないという状況。

そこで、知り合いの写真家の方にお願いして、使い方を教えてもらうことにしました。

フォトスタジオにうかがったとき、私が薄い布のトートバッグからカメラやレンズを無造作に取り出す姿を見て、写真家の方が絶句されていたのをよく覚えています。

そんな私だからか、カメラやレンズの扱いについて特に念を入れて教えてくれたように感じました。

思っていたのと違う現実

引き受けた取材案件は、私が住んでいる地域の観光スポットを撮影し紹介する記事作成の仕事でした。

観光スポットは外であることが多く……それはつまり、撮影は天候に左右されることを意味します。

しかも、「晴れていればOK」ではないんですね。

自然を撮影するので、風や太陽の位置も関係します。

それなりにきれいに写すことができれば業務上は問題ないと思うのですが、ここに住んでいる人間だからこそ、その景色がいちばんきれいなタイミングを知っています。

可能な限り、そのいちばんきれいなタイミングを撮影した写真を納品したい。

そのこだわりが、結局自分の首をしめることになりました。

そして、人と会うのにやたら緊張してしまう性格も、取材ライターとして活動するには向いていませんでした。

取材中は楽しいと感じても、取材のアポ取りから緊張し、取材前も緊張し、終わったらどっと疲れる……。

また、よい写真のために撮影のタイミングを考え、撮影し、取材することに思った以上に時間を割くことになってしまったので、スケジューリングにも苦労しました。

しばらくがんばっていましたが、その負担の大きさから、私は取材や撮影をともなう仕事を受けないことに決めました。

正直「これがやりたかったはずなのに」という思いがしばらく消えませんでしたが、やはりいつもどこかに違和感を抱き、無理をしていたように思います。

取材の仕事を受けないと決めたとき、とても心が軽くなりました。

一眼レフカメラ購入から学んだこと

勇気を出して購入した一眼レフカメラを使いこなせなかったのは、正直残念に思います。

でも、結局私はカメラに対してそこまで興味が持てないことに気づきました。自分が取材にも向いていないこともよくわかりました。

これは実際にやってみないとわからなかったことだと思います。

あの時、一眼レフカメラを勇気を出して買っていなければ、「いつかやってみたいな」というなんとも言えない憧れのような気持ちをずっと持ち続けていたでしょう。

一眼レフカメラを買って、カメラをさげて、取材に行って……実際にやったからこそ気づけたと思います。

さらに知ることができたのは、写真やカメラの奥深さ。そして、私は「人の話を聞いて文章にすること」は好きなんだということ。

それらを学べたのは、とても価値があることだと思っています。

撮影を仕事にしている人に尊敬の気持ちを持つようになりましたし、「人の話を聞いて文章にすること」は別の仕事で活かせています。

自分の知見を広げ、自分自身のことを知るためにも、これからも「迷ったときは実際にトライしてみる」ことを意識していきたいです。

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