心のまま…2
「マナミ」
と、和馬は片手をあげて、
口の端だけで笑って近づいて来た。
「久しぶり、生きてたんだ」
私はニヤニヤしながら軽く言ったが、これはシャレにならない挨拶だ。何故って、、
「俺、死亡説出てたらしいね。海外に行ってたから、消息不明っぽかったんだろうな、はは」
2人で、笑いながらビールを飲んだ。
同窓会会場を見渡すと、みんなよく笑っているし楽しいムードに溢れている。
記念撮影をプロのカメラマンに頼んだそうで、100人揃ってかしこまって映った。
まだ解散の時間では無いが、和馬が
抜け出そう、と誘ってきた。
2人だけで話がしたい。
そして会場を出て向かったのは、すぐ隣のホテルの最上階ラウンジ。
エレベータに乗った途端に、抱きしめられてビックリしたが、すぐに体の緊張が解けた。
和馬に抱きしめられた時の
「不思議な落ち着き」を思い出して思わず目をつぶる。
エレベータが織りなす浮遊感とともに、私は気を失いそうになった。
つづく