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最高級キーボード『HHKB』を使用して半年がたつので、感想をまとめる
知る人ぞ知るキーボード『HHKB』。
キーボードを検索していれば、いずれその存在を知ることになる程、かなりのビッグネームであり、最終到着点でもある。
なぜならこのHHKB、高性能キーボードという位置付けの商品で、お値段がなんと3万円を優に越す。
今から半年前。
小説を書くためのガジェットを定期的に調べてしまう私は、いい感じのキーボードを検索していた。そしてついに、HHKBに辿り着いた。いや、辿り着いてしまった。
高級感あふれるスタイリッシュな見た目と、シンプルな作りはとてもカッコいい。
ただ、値段が高い。
HHKB Professional HYBRID Type–Sのお値段は36,850円(税込)である。(2024年12月現在。)
iPadで使用している純正のキーボードが1万5千円くらいだったはず。そう考えると、倍以上のお値段である。
3万円があったら、Amazonのほしい物リストに入ったままの本が買える。
いや、投資だと考えれば安いのでは……?
いやいや、買ってみて自分に合わなかったらかなりの痛手だ。そんなリスクの高いことを簡単にはできない。
でもとても興味がある。最高級キーボードとは、どんな打ち心地なんだろうか……。
ということで
買うか買わないか迷った私はまず、ゲオあれこれレンタルにてHHKBを10日間レンタルし、実際に使用してから決めることにしました。
その10日間の心境などをお送りします。
※レンタルしたのは『HHKB Professional HYBRID Type–S(日本語配列)墨』です。
※半年前の話なので、値段や仕組みなどが変化している可能性があります。
HHKBが静電容量無接点方式だとか、その他商品自体の詳しい説明は抜きにして、とりあえず使った感想などを述べていきます。
1日目(レンタル品の到着)
見た目がシンプルでかっこいい。持ってみると意外と重い。キーボードを適当に押してみると、独特の打鍵音がして感動する。これが噂のHHKBか……。
iPadに接続して早速タイピングしてみると、あれ? 思っていたよりも打ちにくい? と感じる。普段はノートパソコンのキーボードやiPadの正規品キーボード(平たいキー)を使用しているので、指が引っかかる。
何回もタイピングゲームをやってみるものの、特に感動することもなく、タイピングに夢中になりすぎて打鍵感、打鍵音が特に気にならないことに気がつく。
正直、思ってた程じゃないかもとガッカリする。
2日目
それほどハマっていなかったのに、HHKBを使って文字を打ちたい衝動に駆られる。レンタルしているから使えるうちに使っておこうという心理かもしれない。ノートパソコンのキーボードに戻ってみると、打ちやすくてびっくりする。懲りずにHHKBでタイピングをしていると、確かにタイプミスは減っているような気がする。だが指先が引っかかる。平たいキーボードばかりを使っているせいで、指をスライドさせながらタイプする癖がついているようだ。
と、ここでめちゃくちゃ肩が凝る。パームレストは持っていないので、ちょうど良さそうな本を2冊並べて代用。元々少し高めの机を使用しているせいで、さらに厚みのあるHHKBキーボードは姿勢が悪くなる。HHKBを使うために周りの環境も整えないといけないということだろうか。そう考えると、自分にはこの高級キーボードを使いこなせないのかもしれないと思い始める。
3日目
仕上げなければならない小説があったので、HHKBを使って小説を書く。自分のペースで打っていると、打鍵音の心地良さに気がつく。
4日目
少しずつ慣れてきて、だんだん楽しくなってくる。最初の頃よりも仲良くなれたような感覚である。レンタル料金分の元を取るために、小説を書くスピードがかなり上がる。HHKBを購入してしまえば、小説が完成するスピードが上がるかもしれない。ただ、買わなければ3万円分の出費を抑えられる。そんな葛藤を繰り返す。
5日目
引き続き、HHKBを使用。HHKBはとにかく値段がネックである。レビューを見ると、ほとんどが高く評価されている。自分としては、やはり手放しに良いとは言えない。いきなり購入していたらかなりショックだったろうと自分の判断を褒める。
6日目
この頃から急に、あれ? 打ちやすいし、楽しい! という感覚になる。普通のキーボードだと物足りなくなってきた。HHKBで文字を打たせてくれ! と思い始める。扱いにもだいぶ慣れてくる。
7日目
タイピングが更に楽しくなる。HHKBを触りたくて仕方なくなってくる。HHKBで文字を打たせてくれ!
8日目
よし、買おう。
9日目〜10日目(返却)
公式通販サイトを確認しつつ、配列をどれにするか検討する。もう購入することは決めている。
購入、そして現在
私が購入したのは、レンタルした物と同じ『HHKB Professional HYBRID Type–S(日本語配列)墨』です。
買って半年ほどになりますが、めちゃくちゃ使ってます。結果的に買って良かったと思っています。
私は文章や小説を書くために使用していますが、特に大きな不満点はありません。ただ、少し薄暗いところで作業しているとコマンドキーがどこにあるのか全然分からないので、顔を近づけてコマンドキーを探しています。これが少し面倒。
HHKBはキーキャップを変えられるのですが、コマンドキーだけのキーキャップは売っていないようです。自分の好きなようにカスタマイズできるらしいので、それも楽しそうですね。
購入後の話
念願のHHKBを購入したのですが、初期不良品らしきものを引き当てまして、1週間とたたずに新しい物と交換してもらいました。
(カスタマーセンターさんはとても迅速に対応してくださいました。)
私は元々初期不良品引きがちなので、送られてきた箱を捨てられない人です。
個人的に気になって調べたところと、半年使用して気づいたことのまとめ
キーボードの色について
キーボードの色によってはキーボードの印字が見えにくいので、見ながら打つ人は困るかも。私はコマンドキーの位置がよく分からないので確認しつつ打つはめになっている。元からコマンドキーは見ながら打っていたので、別にそれほど気になっていないし、それほど頻繁にコマンドキーは使わない。
どの配列を選べばいいか
HHKBの日本語配列といえど、キーボードの配列が普通のキーボードと少し違うらしいが、よく分からない。文字をひたすら打つだけならさして気にならない。
英語配列と見た目を比較して気になったのは、スペースキーの長さ。日本語配列のスペースキーを見ると、とても短く見える。だが実際打ってみると、左手の親指で打鍵する際、スペースキーの左端を触るくらいなので全然問題なかった。
それと、英語配列はエンターキーがシフトキー並みに小さい。英語配列のキーボードを使用したことがないのでなんとも言えないが、的確に押す自信がない。
日本語配列には、右下段に独立したカーソルキーがある。だが、英語配列にはそれが無く、ファンクションキーを押しながら特定のキーを押す必要がある。筆者は文章や小説を書く際カーソルキーを頻繁に使うので、英語配列だったらストレスになっていたと思う。
自分がよく使うキーなど、普段キーボードをどのように使用しているかを改めて確認すると、選びやすいと思う。
筆者は文章と小説を書くために使用しているが、日本語配列で全く問題なく使えている。
パームレストは買うべきか?
パームレストはあったほうがいい。というのも、筆者も最初はパームレスト無しで打っていたのだが、たまに、押していないはずの記号が勝手に入力される現象が起きた。不具合かと原因を調べていたら、キーボード本体との段差のせいで、上部にあるキーを押すときに、下段のキーを押してしまっていると判明。これをきっかけにパームレストを使用するようにしたら、間違えて押されることはなくなった。なのであった方がいい。必要性を感じないのなら最初は無しで使ってみて、不便だと感じたら購入すればいいと思う。本で代用という手もあるが、本の角が前腕に当たって赤い跡が残る。そしてちょっと痛い。
筆者が使用しているパームレストは、『Faluber』のS–300mmである。大体3,000円くらいである。他のメーカーの物も色々あるようだが、サイズや厚みなどは要確認。
余談だが、『パームレスト』と『アームレスト』は何が違うのかと気になり調べた。パームレストは、手のひらを支える物で、アームレストは腕などを乗せる物のことらしい。パームは英語で『手のひら』という意味だ。筆者はアームを言い間違えてパームになったのかと思っていた。とんだ勘違いである。
キーボードに印字されている文字が入力されない(追記あり)
ローマ字の部分などは印字されているまま入力されるのだが、「」(かぎカッコ)などの入力は印字されているのと違う文字が入力される。これはちゃんと設定をすれば直せるらしい。
接続する先によっても違うのかもしれないが、いちいち設定するのが面倒な筆者は、ここを押すとこれが出るというのを覚えて入力している。と言っても「」(かぎカッコ)くらいなので、特に気にしていない。
※追記:私は基本的にMacで使用しているが、HHKBの後ろにあるDIPスイッチの1をオンにしたところ、表記通りの文字が入力されるようになった。だが、iPadに接続したところ、また元に戻ってしまった。MacBookで使用した際は有線で繋いでいたからなのか、原因はよく分かっていない。
値段が高い
言わずもがなである。別に普通のキーボードでもいいやと思えるのなら無理をして買う必要はないし、買ったからといって小説や文章のクオリティが上がるわけはない。ただ、見た目もカッコいいし、打っているとテンションが上がる。筆者は元々タイピングをするのが好きなので、HHKBで打っていると楽しい。創作にモチベーションは大切である。
じっくり考えて、買わないなら買わないでもいい。そのお金を別のことに使えばいい。今はフリマアプリなどが充実しているので、買って合わないのなら早々に売るのも1つの手である。あまり使用していないのならそれなりの高値で売れるらしいが、保証はできかねる。
とにかく、買おうか迷っているのなら試しに使ってみることを強くすすめる。HHKBを店頭で使える場所は限られているらしいが、ありがたいことにレンタルができるので、失敗しないためにも実際に使って判断した方がいい。
筆者が使用したゲオあれこれレンタルだと、レンタル後にPFU(HHKBを販売している会社)公式通販サイトから新品を購入する際、レンタル料分を値引きしてくれるという嬉しい特典がある。レンタル料は借りる機種によって異なるが、筆者の場合、9泊10日で3,980円ほどだった。これは半年前の話で、変わっている可能性があるので随時チェックしていただきたい。レンタルをする際は、いつまでに返却するのかをしっかりチェックするように。
打鍵音に関して
打鍵音が大きいかどうかは、正直分からない。これもやはり、実際に打って聞いてみないと分からないところではある。
公式の動画でHHKBの打鍵音ASMRがあるので、聞いてみてほしい。モデルによる打鍵音の違いの動画もある。
HHKBを使ったら、他のキーボードが使いにくくなるか?
そんなことはない。確かに、HHKBではないキーボードに物足りなさは感じるが、本来は文字を入力することが目的なので、集中していればそんなに気にならない。
筆者はHHKBを使用することによって、気持ちを切り替えている。
どうしてリアルフォースにしなかったのか
HHKBを調べているとチラチラと出てくるのがこのリアルフォース。単純にHHKBの方が見た目が好みだったということと、文字の入力がメインでテンキーは不要だったため、すんなりとHHKBに決めた。
※リアルフォースではコンパクトモデルのRC1が2024年10月に発売されたようだが、どちらを選ぶかは好み。私はその2択でもHHKBを選ぶ。リアルフォースの方が1段キーが多いので。
おわりに
この記事もHHKBを使って作成しました。やっぱり打ち心地がいいです。
普段薄いキーボードを使っているのなら、慣れるまで少し時間が必要ですね。最初は打ちにくさに驚くと思います。しっかり上からキーボードを打つような感覚なので。
レンタル期間中に合うかどうか分からない可能性も十分にありますが、実際に使ってみると分かることがあるので、購入を迷った際はレンタルをおすすめします!
この記事が『HHKB』を買おうか迷っている人たちの参考になればと思います。
では。
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