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『美しい日本の私』『じぶんだけのいろ』『美しいものを』『日本の素朴絵』_つきこ文庫2021年8月

親友が静岡でカフェを再オープンして1年ちょっと。

「お店に置く本を選んでほしい」と本好きの私に仕事をくれた。

以来、毎月4冊本を贈っている。

1年経って8月で15回目。

続けられたことがちょっと自信になって、
本探しに本屋や図書館を巡る時間が増えて、
「またいい本に出逢ってしまった」機会も増えて、
「この本に出会えてよかった」なんて言って下さるカフェのお客様がいると聞いて、
何だか嬉しくなっちゃった。

つきこnoteでも簡単に紹介していこうと思います。

夏真っ盛りの8月は、
涼しさをイメージして"白い本"をテーマに選んでみました。


*つきこ文庫 8月選書*

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*文庫/名著
 『美しい日本の私』川端康成 著

https://www.kadokawa.co.jp/product/321411000190/

ときどき、なんでもないことを不思議に思う。
昨日、熱海の宿に着くと、床の花とは別に海棠の花を持ってきてくれた。
つかれているので早く寝た。
夜なかの四時に目がさめた。
海棠の花は眠っていなかった。
花は眠らないと気がついて、私は驚いた。(P6)

自然はいつも美しい。
しかし、その美しさは、ある時、ある人が見るだけなのであろう。(P9)

川端康成氏の名前を聞く機会が増えて気になっていたところ、
渋谷にあるブックカフェで出会った本書。

『美しい日本の私』は、
1968年日本人として初のノーベル文学賞授与された著者の、
授賞記念講演の演説タイトル。
講演内容の原文と訳文に加えて、
ノーベル文学賞授与前後の著者の思想が伸び伸びと語られている。

日本という国に生まれ、
その時代を生きてきた著者の、
美に対する自覚と発見の喜び、
日本人としての誇りと自信が伝わった。

始まりの1文に心ときめき読み進めたけど、
今の私にはちょっと背伸びをした1冊。
もう何回か読んでみて、もっと仲良くなってみたいと思う。

風流、つまり、
存在する美を発見するにも、
発見した美を感得するにも、
感得した美を創造とするにも、
「をのづからその場にあるものを」の「その場」は、
まことに大切なことで、
天の恵みと言っていいでしょうし、
その場をその場と「知る」ことが出来ましたら、
美の神のたまものと言ってもいいでしょう。(P72)

いったんこの世にあらわれた美は、決してほろびない、
と詩人高村光太郎は書いた。
「美を高める民族は、人間の魂と生命を高める民族である。」(P45)

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*言葉/ 本
 『美しいものを 花森安治のちいさな絵と言葉集』暮しの手帖編集部編

https://www.kurashi-no-techo.co.jp/books/b_1177.html

暮らしと結びついた美しさが、
ほんとうの美しさだ。(P80)

美しくありたいとねがうのは、
女、男をとわず、生きているかぎり、
これは人間の本能です。
美しいということは、
こころにしても、体にしても、幸せなことです。
幸せになりたいとねがうことを、
恥ずかしがらないように。(P32)

遊びに行った家庭で必ず1冊は見つけるのが『暮らしの手帖』。
初代編集長・花森安治氏の温かみあるイラストと信念を感じるシンプルな言葉たち。

私は昔から背が高くて、
どうしても目立ってしまうのが嫌で、
「おしゃれ」なものを身につけるのも気恥ずかしくて、
てんで「おしゃれ」というものに興味がなかった。

だけど、
好きなものを身につけることで自分を大切にし毎日を楽しむ友人を見て、
「おしゃれ」の概念が変わった今日この頃。
それを美しく言い表していただきました。

私たちの日日の暮らしを、
少しでも明るく、
愉しくする、
そのことを何よりも大切に考えるのが、
ほんとうの「おしゃれ」である。(P24)

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*建築/科学/アート
 『日本の素朴絵』矢島新 著

https://pie.co.jp/book/i/4307/

日本の素朴絵

この本に、言葉はいらない。
思わず「これなら私にも描けるかも」なんて真似て描いてみたり。
民藝の日本絵画のようで、
日本の文化・伝統・美意識の幅の広さが何だか嬉しくて楽しい1冊。

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*絵  本 
 『じぶんだけの いろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし』
  レオ・レオニ 著,谷川俊太郎 翻訳

http://www.kogakusha.com/leo/leo007.htm

「ぼくらは どうしても
 じぶんの いろを
 もてないんだろうか?」

白い表紙の絵本を探していて出会った1冊。

"じぶんの いろ"を持つことへの憧れ。

私たちも、いろんな人やもの、こととの出会いで
いろんな影響を受けて変化してる。

変化を通して成長して、どんどん新しい自分になっていく。

"新しい自分"には、
持って生まれた個性、神性や仏性を磨き本来の自分に近づいていくことと、
今の時代、この世界でしか得られない、新たな個性を身につけていくことと、
ふたつの意味を包括してるから、
時々、"自分"が何だかわからなくなることもある。

だから、"じぶんの いろ"という、
自分を確認できるものを求める気持ちはよくわかる。

「ぼくら いっしょに いて みないか?」

状況は何一つ変わってないけど、
共に変化する仲間を持つことで、
"じぶんの いろ"を持たないことへの不安が不安じゃなくなり、
変化していくことさえが喜びになっていく。

私自身、昔は自分という存在への確信が持てなかったけど、
共にある存在を知り、人との出会いで自分が変わることを
今では純粋に楽しめるようになった。

子どもの頃に読んでいたら何を感じたかな?

絵本のことをあれこれ書くのは控えるけれど、
こうして本を通しての気づきを言葉にしてみて、
私には"今"、出会うべくして出会った1冊だったことを再確認。


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上記の本は、8月中は
O-katteLABO(@静岡県袋井市 月見の里学遊館内)
https://www.instagram.com/o_katte/?hl=ja

で自由に読めます。
ぜひ遊びに来てね。

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本は時間と空間を超えて出会える人との出会い。
心に響く光る言葉を知る機会。
知は力なり。

たくさんの人に読んでもらえたらなと思い
本の紹介しています。
気になる本があったら、ぜひ読んでみてください😊


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