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ブランドをつくるのは誰か?〜10年間の編集者人生でやったことがなかった仕事

こんにちは。Sansan株式会社でエディターをしている塚原です。
2022年にSansanに入社して、間もなく2年半。
現在は、契約データベース「Contract One」という、契約領域のDXを推進するサービスのUnitのブランディング部門でマネジャーを務めています。

🤔 <……「エディター」って何?
😲 <ブランディングって何をしてるんですか?

……という声が聞こえてきました。
いきなり「エディターをしている」と書きましたが、そもそもSaaSの事業会社において「エディター」って何をする人なの? そう思われる方が大半だと思います。
また、「ブランディング」と言われても、難しそうなイメージや、曖昧な印象を抱かれることと思います。

この記事では、私が普段やっていることを中心に、Sansanにおいてエディターがどのような役割を担っているのか、ブランディング部門として何を考えているのかをお伝えします。

"Contract One PMF Anniversary グロース始動 noteリレー"とは?
Sansanの第三のプロダクトであるContract OneはPMFを達成し、グロースを開始しました! Contract Oneの事業とメンバーをさらに知っていただくため、各メンバーがnoteを更新していきます。
明日の更新もお楽しみに!



経歴・バックグラウンド

新卒で出版社に入社し、6年半にわたり、エンタメ業界の専門雑誌の編集・執筆や、それに付随するWebメディアやブログの編集・執筆、書籍の編集に従事していました。

その後、もっと広い世界で自分のスキルを磨きたいと思い、クライアント企業のWebを中心としたコンテンツマーケティングを支援する会社に転職。

IT業界、旅行業界、食品業界など、BtoB・BtoCを問わず、さまざまな業界や商材のクライアントを担当し、マーケティング、採用促進、サステナビリティ活動の開示といった目的を達成するために、オウンドメディアの立ち上げやコンテンツ制作、Webキャンペーンなどを手掛けました。

ここでは望み通りいろいろな業界の仕事ができて、Webの知識も身につきました。
しかし、3年半やってみて、クライアントワークにはどうしても越えられない「壁」がある、外部の人間として踏み込めない領域があると感じるようになりました。

そこで、事業会社の中で働けないかな……と考えていたところに、Sansanの「エディター・ライター」という求人を発見し、「これだ!」と応募し、現在に至ります。

10年間の編集者人生で、やったことがなかった仕事

私のバックグラウンドからして、「エディター=編集者」だから、何かしらのコンテンツをつくったり、そこにあるテキストを書いたりするんだろうな……と想像されると思いますが、それだけではありません。

もちろん、アウトプットを制作することはかなり多く、大事な仕事です。

サービスサイト、ダウンロードコンテンツ、広告、展示会のブース・パネル・配布するパンフレット、ノベルティー、掲示物、営業資料など。
とにかく何かをつくるとなると、マーケティング、営業、CS、PRなど、さまざまな部門とコミュニケーションを取りながら動いていきます。

制作するアウトプットが目的を果たせるように、そしてその先の成果に結びつくように、それに接するステークホルダーの体験を想像しながら、デザイナーやディレクター、エンジニアといった社内のクリエイターメンバーと形にしていくのです

それに加えて、事業会社ならではの動きとして、「サービスのコンセプトをつくる」という仕事があります。

これは、私がSansanに入社するまでの10年間、編集者として働いてきた中で、経験したことがなかった仕事でした。

私が携わっていた雑誌は、数十年の歴史があるメディアで、すでにその雑誌「らしさ」がありましたし、クライアントワークでは、クライアント企業が決めた方針がある中で提案をすることが前提にあります。

たとえば、Contract Oneのタグラインである「現場の習慣を変える、契約データベース」については、すでにゼネラルマネジャー(事業責任者)の尾花が書いている通り、Contract Oneならではの価値を見いだしながらつくり上げていったものです。

タグラインを決めるということは、そのサービスの価値やマーケットを定めることであり、「世の中からどのように見られたいか」を決めることであり、さらに、その先の道しるべにもなります。

ここまでサービスの根幹に関わる、今後を決めるような局面に立ち会ったことはありませんでした。

そして、タグラインが決まったら、過去の資料を更新していく——だけではありません。
心血が注がれた18文字でも、伝えきれない、表現しきれない価値があります。
次は、タグラインの世界観をよりわかりやすく伝え、プロダクトの価値を理解してもらうための短い説明文をつくります。

尾花を筆頭に、PMM、マーケティング、PRといった関係各所とそれぞれ何案か書いて持ち寄り、侃々諤々、一言一句検討して、調整を重ねました。
その結果、たどり着いたのが以下の文章です。

Contract Oneは、あらゆる契約書を正確にデータ化し、
日常的に契約データを活用できる環境を作ることで、
管理部門だけでなく事業部門の習慣も変える契約データベースです。

「現場」とはどこで、誰がいるのか?
「現場の習慣」とは何か?
それをどう「変える」のか?
そして、それはContract Oneというサービスのどんな特長によって実現するのか?

単語のニュアンスや「てにをは」までさまざまな角度から検討し、意見を交わして、上記を端的に表したつもりです。
こうして決めた説明文は、さまざまな場面で使用し、その後につくるアウトプットでも参照されるほか、他社のメディアなどでも引用されていきます。

確定した説明文はサービスサイトなどで使用しています

ブランドをつくっているのは誰か

😟<コンセプトを決めるのって、大変なんですね……

ここまでお読みいただいて、そう感じられたかと思います。
しかし、ある意味それ以上に大変で、これまた私が経験したことのなかった、そして非常に重要な仕事がまだ残っています。

それは、「浸透させる」ことです。

Contract One Unitには現在、職種も立場もさまざまな数十名のメンバーがいます。
その一人ひとりが、自分の言葉でコンセプトを語れるようになり、何かに迷った時に判断の拠り所にするようになる。
そうすると、メンバー一人ひとりの仕事やコミュニケーション、その他あらゆる接点において、「Contract Oneらしさ」がにじみ出るようになります。

ここまで来て初めて、社外の人が受ける「Contract Oneって、こうだよね」というイメージが確立される=ブランドになるのだと思います。

コンセプトは、つくっただけでは伝わりません。

つまり、ブランドとは、私のようなブランディング部門だけが向き合うものではなく、こうしたメンバー一人ひとりの仕事を通して伝わっていくものだと考えています。

テキストや表現のガイドラインをつくってアナウンスしたり、制作を進める過程でメンバーとの議論を通して目線を合わせたり、社内外向けのプレゼンテーションでの表現を検討したり、メンバー同士で「現場」「習慣」「変える」の具体例を挙げて解像度を上げてみたり——。

自分たちがブランドイメージに沿ったアウトプットを制作するということだけでなく、こうした営みを通して、メンバーがブランドを体現できるように動くのも、ブランディング部門としてのとても大事な仕事であると思い、日々、向き合っています。

また、多種多様なアウトプットにある一つひとつの表現が正確、適切であることは、アウトプットそのものだけではなく、Contract OneというサービスやSansan株式会社に対する信頼につながります

メンバーからは「細かいな〜」と思われている自覚もあるのですが、こうした面から、誤字脱字や整合性の確認を含めたレビューも重要な仕事だと思っています。

SaaS企業だからこそ、新規事業だからこその醍醐味

そういえば、Contract Oneのタグラインは、どんな変遷をたどってきたのでしょうか?

2021年3月:Smart判子で紙の契約書もオンラインで完結(クローズドセールス期)
2021年7月:紙の契約書もオンラインで完結。締結も管理もSmartに(クローズドセールス期)
2022年1月:契約業務のDXから、リスクを管理する
2022年12月:契約データベースが、ビジネスを強くする
2023年10月:契約データベースが、収益を最大化する
2024年7月:現場の習慣を変える、契約データベース

けっこう変わっていると思います。
私が入社してからすでに3回、変わっています。

Contract Oneの場合は、新規事業だからこそさまざまな方向性を試していたという面もありますが、そもそも、SaaSプロダクトは、進化します
SaaS企業で働くということは、そこに向き合うということでもあると考えています。

細部までこだわりぬいて決めた表現も、変えることはあります。
その時々で最適なものは何か、短期的にも中長期的にも、さまざまな方面から多角的に検討して、議論を重ねて、決めていきます。

タグラインに限らず、細かい表現に至るまで、Sansanではこうした動きが日々スピーディーに繰り返されています。
コンセプト自体は変わらなくても、さまざまな制作物をアップデートすることは日常的に行っています。

手間は掛かりますが、変化を恐れず、成果に結びつけるための動きが絶えず繰り返されることは健全だと思います。

これは、SaaS企業だからこそ味わえる醍醐味だと思いますし、新規事業フェーズにあるContract Oneでは、こうした場面に出くわす機会も多いと感じます。

また、開発やフロントとの距離感が近く、一丸となってサービスの進化、そしてその先にある顧客の働き方を変えることに向き合っていると実感できることも、Sansanの特長だと思います。
組織文化もフラットで、前提もすり合っているので、コミュニケーションも円滑ですし、判断基準も明確です。
現在、社員も1500名以上いますが、一度も会話をしたことがない他部門のメンバーでもマネジャー層でも、気軽に声を掛けて相談できます。

編集者という職業柄、さまざまな立場の人たちの間に立って、いろいろな意見を聞いてまとめていくという仕事をずっとしてきた私ですが、Sansanはやりやすいと感じています。

とはいえ、あまり使ったことがない筋肉を鍛える場面も多々あり、白目になりながら走っている日もありますが、今のContract Oneでしか感じられない楽しさと、ここでしか得られない経験が確かにあります。

Contract Oneは、ここからさらにスケールアップしていきます。

この記事を読んで少しでも「面白そうかも……」と思った方、ぜひ、一緒にこのサービスの未来をつくっていきましょう!

https://open.talentio.com/r/1/c/sansan/pages/91241?utm_source=note&utm_medium=referral&utm_campaign=contractone_page

契約データベース「Contract One」のサービスサイトはこちら


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