POLY Dがやって来た
DEEPMIND12を迎えて一年が経った。
自分のニーズに合ったシンセで、シンセの学習にも指使いの練習にも向いていた。簡単なわりに自由度が高く、思いついたことを試せるのが好きなところだ。コンパクトなので外にも持って行きやすかった。「買ったけど触らなかった」は回避できたと思う。
そしてPOLY Dがやって来た……。
すぐ帰って行った(飾り板がついてなくて返品交換)。
そしてまた来た。
静止画では分からないが、LFOの挙動がおかしい……。
周期が滑らかに変わらず、急に爆速になったりしてつまみ位置と対応しない。
目下、返品交換2の最中。そういうこともある。
「太い音」幻想
音の形容で「太い」「厚い」「もっちり」「ジューシー」などというが、場面によって意味するところが違うようで、まだよく分からない。
分からないなりに「太い音」への憧れはあって、「太い音の出るポリシンセ」を求めてきた。「太い音」が出てピアノ的な演奏にも使えて自由度も高い、決定版のシンセが欲しい。
しかし「太い音」というのは「モノシンセ的な音」なのかもしれない。もしそうなら「太い音の出るポリシンセ」は存在しない。または、絶妙なバランスの上に成り立つものかもしれないが、それができるのは高級機種だったりビンテージだったりする可能性がある。
いったん幻想を清算したい。ということで、POLY Dを「モノシンセ代表(のクローン)」として見るつもりでいる。
楽器への憧れ
アコースティック楽器への憧れがあるので、メモリー機能がないのはむしろ楽器っぽくていい。前ならひるんでいたが、今はいける気がする。
それにしても対照的な2台だ。DEEPMINDは幅のわりに奥行きがスリムなので、どっしりしたPOLY Dが上に乗るとアンバランスな感じ。実際POLY Dの方が重い。かといって上下逆にもできない。
DEEPMIND…ポリ、多機能、オシレーター弱い、スライダー多い
POLY D…モノ、アナクロ、オシレーター強い、ノブ多い
鍵盤は同じようだが、PODY Dの打鍵はちょっとフカッとしている気がする(悪い意味)。
ウッドの色合いの差もいい感じ。そしてお揃いの透明ダサホイール。これを並べたかった。すっかり透明ダサホイールのファンだ。
野趣
ちょっと触っただけだが「じゃじゃ馬」っぽい印象だ。
音の勢いが強くてガサツな感じ。何かとノイズが出る(配線が悪いのかもしれない)し、きいきい、ガタピシして、昔の水道の蛇口のように感じる。ノブが悪いという意味ではなく。おそらくPOLY Dが野趣あふれるというよりは、DEEPMINDが優等生的なんだと思う。
意外にも、「太さ」はまだ体感していない。オシレーターを重ねすぎなんだと思う。4OSCあるからって4つ使わないといけないわけじゃなくて、オシレーター1つか2つで作った音に「太さ」を感じている気がする。
それで、オシレーターの「素音」の問題になるわけだが、交換が済んだら弾き比べてみようと思う。minilogue xdとも比べたい。
パラフォニック
POLY Dはポリといいつつパラフォニックなので、4音出そうとすると1音1音は1オシレーターしか鳴らせない。かつオシレーター以外は共通なので、演奏に制限がある。ピッチを揃えるチューニングもしないといけない。
それでも、和音が弾けるのは嬉しい。DEEPMINDに慣れてるせいで、つい和音を弾いてしまうとこある。こんなに和音が好きだったのかと思う。モノに触れようという時に変な話だが。
音の記憶
おもしろいことに、youtubeで聴くPOLY Dの音に「ああ、POLY Dっぽい」と感じるようになった。
いきなりそんな覚えてるはずないし、ブラインドで当てられる気はしない。ただ、手元で触りながら繰り返し鳴らすと、やはり脳が覚えようとする、その「覚えようとする」動きなのかもしれない。
youtubeだと録音環境がまちまちだから、「これが機種固有の部分だ」という確信が持てなくて、基準点を作りにくかったのかも。
交換が済んだら触っていこう。