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読書note 『日比野豆腐店』 小野寺史宣(徳間書店)

小野寺さんが紡ぐ物語は、とてもやさしい。

はじめて読んだのは『ひと』という作品だった。一人称で語られる他者とのふれあいに(ああ、この世の中もいいもんだな)って心が洗われて、それから新作が出ると必ず手に取っています。

東京の東部、葛飾区にある豆腐屋さん。

店主がコロナでなくなり、遺された家族(猫も)が、それぞれの思いを語る。

アフターコロナの「いま」がここに描かれる。

人ごとではなかった、でも、人ごとのようになってしまった数年前。

町も、人も、何事もなかったかのように日々を送っているが、失ったものもあるわけで、それを家族を通して語りかけてくれる。で、癒やされる。

読書は、心のデトックスだな。

おもしろかったです。

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