東京は国際金融都市としての競争力を持てるか?
かつて、日本経済の勢いがあった頃、アジアで圧倒的な経済力を誇っていた頃、東京は国際金融都市として期待されていたと思います。しかし、期待通りになったとは言い難いでしょう。それなのに、今から再度トライして、当時出来なかった事が出来るのでしょうか?
時差の関係で、ニューヨーク、ロンドン、東京と並べば便利ですから、ある程度の需要は残るのでしょうが、アジア内の金融取引を東京で行うメリットがあるでしょうか?中国関連は香港で、東南アジア関係はシンガポールで取引した方が便利ではないでしょうか。
国際金融都市となるには、世界中から優秀な国際金融のプロたちに移り住んでもらう必要がありますが、彼らが東京を選ぶでしょうか?少子高齢化で衰退していく国の中で、国際金融分野だけ将来性があると考えてくれるでしょうか?英語の通じにくい街に家族ともども引っ越して来てくれるでしょうか?市場ですから、「他のプロたちが集まるところに自分も行こう」と考えるプロが多いでしょう。そうしたプロたちに選んでもらえるでしょうか?
「円を国際化しよう」という話も「東京を国際金融都市にしよう」という話も、日本人の間で勝手に盛り上がっている「天動説」のように思えてなりません。
まあ、円の国際化や東京の国際金融都市化を目指して失敗したとしても、失うものは大きくないでしょうから、トライしてみる事に反対する理由も特にありませんが、くれぐれも過大な期待は持たないようにしたいものです。