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Rhino 3D 学習36日目。教材Level 2 読了。初心者はG1で十分。G2は難解
Rhino 3Dの学習 36日目。公式トレーニングマニュアルのLevel 2の残りを読み終えた。これで一応はライノ 3D初心者から中級者になったと言っていいと思う。ようやく「あとは実践あるのみ」という状態になった。
だが懲りずにG2接続の沼にはまってしまった。だが結論が1つ出たのでその解説。
正式名称は「ライノセラス(Rhinoceros)」という3DCG CADソフトですが、ここではRhino 3D またはライノ 3Dと呼ぶことにします。
(約 4,500文字の記事です。)
アートギャラリー
3辺のG2接続は可能か?
実はこれの可能性について3日くらいコツコツと自力でトライしていた。だが今回、Level 2を読み終えても解決できそうな知恵が見つからなかった。
以下の図はLevel 2で知ったBlend Edgeというコマンドで3辺を丸くしてみた例。Blend Edgeは曲率連続でエッジを丸くしてくれるとヘルプページに書いてあったからだ。ようやくできたか!と思ったが……。
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一見するといい感じにできているのだが、ゼブラを確認して残念賞。
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アスタリスクのように中心から6方向に直線的な「曲率の不一致領域」が見える。なので曲率連続な面になっていない😭
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Level 2の学習でゼブラの正しい見方を身につけたからこそ断言できる。これって、どうやら原理的に実現不可能なのでは?🤔と薄々気付き始めた。
とりあえず保留と言うことで別件で、Level 2のサーフェスに関する演習をしていて、ここでも詰んだ。
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これ、三角形の穴。そう、四角い穴じゃない。面張りするとトポロジ的には三角面になる。Level 2の解説でNURBSの基本は四角形のサーフェス、ということを知ったので、何となく、無理かも?と思い始めた。
仮にどこかの辺を分割して疑似的に四角い穴にすることもできるが(試したが)、どういう手段で埋めても3方向のG2接続ができなかった。2方向までいけるが、のこり1方向は接線同一なG1接続になってしまう。
……、やはり3方向へのG2接続って、無理なんじゃね?🤔と思い始めた。
3方向の3面のG2接続は無理😭
ChatGPTに聞いてみたが、どうやら数学的にほぼ不可能らしい。回答を要約すると、
数学的にかなり困難でありほぼ実現不可能
2面のG2接続はできる。だがさらに3つめの面とのG2接続をライノ 3Dが探そうとすると数学的に解がない場合が有り得る
ライノ 3Dのソフトウェアのアルゴリズムにより、解がない場合にはG2接続を諦めた結果になる(一部がG1接続の領域となる)。アスタリスク状の曲率の不一致がゼブラに現れるのはその結果。
結局、現実的に確実にG2接続できるのは2方向の2面まで。3方向の接続ではどこかがG1になる。
オワタ😭
不可能を可能にしようと頑張ってみたが、数学的に不可能なものは何をどうしても不可能なのだ。もちろん今日までの色々な試行錯誤は無駄じゃなくて、色んな実践的な曲面の張り方を試せたし、知ることもできたし、特性も理解できた。それ+Level 2の知識を足し合わせても無理ならば、やっぱり原理的に不可能だったのか、とようやく納得できた。
そしてこれから導かれた1つの重要なヒント。
G2接続は「ここぞという面」に使う
G2接続はいつでもできるわけじゃない。なので、
どの面をG2で見せたいか
どの面ならG1で妥協してもいいか
この2つを意識してモデリング手段を検討する必要があると感じた。例えば普通車の天井側だったり、折り曲げられて隠れるような場所だったり、G1でいい場所は色々あるだろう。全面をG2接続できない以上、どうしても綺麗に見せたい面に優先的にG2接続し、その他をG1接続、という妥協が必要。
実はライノ 3D学習序盤で、G2, G1の違いを知ったときに「全部G2でよくね?」と思っていた。だが現実ではFull G2など不可能ゆえにG1も必要、というかG1を使わないわけにはいかない、という答えを自分で導き出せた。
そう確信できたのはLevel 2の2つの教材を眺めていたとき。これは天面がパッチで埋められているのでG1接続になる。パッチ面には他のUntrimmed SurfaceからのMatch Surfaceが効かない。なのでこれは外周の側面はG2化が可能だが天面への接続はG1になる。
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つまりこのやり方だと全面が滑らかなG2化はできない、ということになる。
G2接続できない場合を分析した
また次の例ではフィレットを使っている。フィレットはG1接続に限定される。
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フィレットでG2接続できない理由はこうだ。
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②を①に対してマッチさせることはできる。同様に③も①にマッチできる。すると②と③の間に隙間ができる。隙間ができない条件としては矢印先の頂点においてカーブの曲率が「①でも②でも③でも共通となっている場合のみ」なのだ。組み合わせを考えてもほぼ確率ゼロだ。だから②と③の間に微妙な隙間ができる。
それを埋めようと③を②にマッチさせると今度は元の①との間に隙間が。そりゃそうだ。矢印先の頂点位置において3者のうち2者が曲率G2という「2席しかない椅子」を争って椅子取りゲームをしているわけだから。椅子が1つ足らない。
なので堂々巡り😭無限ループ。つまりG2接続できない。
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前回の問題も同じ。なんとかして埋めて①を作っても、矢印先の頂点で常に3者が2席しかない「曲率G2という名の椅子」を争ってMatch Surfaceしているのだから永遠にG2接続にならない。
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だが逆に言えば3者共通の曲率を問題の頂点にセットできる形状ならば、G2は実現可能だ。もう組み合わせの問題でしかない。だから「不可能じゃないが、かなり状況が限られる」のが多方向G2接続、ということになる。
G2接続はハイコスト
これが恐らくはNURBSモデリングでG2にこだわると難易度が一気に上がる理由。G2化に至る道はそんなに多くはない。使える手は限られる。それ以前に形状によってG2化できるかどうかが決まる気もする。
なのでコスパを考えると多くの工業製品ではG1カーブがほぼ必ず採用されている。3次元の複数本のG2カーブへの整合作業はそれだけ作業コストが高い。技術的にも、手間的にも。
となると現実的な人工物では、どこかに必ずG1接続面が存在する。
G1接続面を目立たない位置に配置し、美しく見せたい面をG2接続面にする、というデザイン上の工夫が必要。
そもそもG2接続が必要か?よく検討すべし。(鏡面仕上げにしないと無意味?)
どこの面を最も美しく見せたいか?を検討するのが腕の見せ所かも
初心者のうちはとりあえずG1接続オンリーで腕を磨き、慣れてきたらG2接続を意識してもいいかもね。
限られた条件での成功例
そしてまぁ、よせばいいのに試行錯誤Again😅そして何とかできた。
Gif動画を作るのが面倒臭い。これだけで1.92MB。mp4なら600kBなのに。
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一応理想的なG2カーブだと思う。(当社比)縦でも横でもゼブラにカクツキは無いと思う。一応全体のレンダリング結果。まぁ滑らかですわ。ただしこの価値が形状からはまったく認識できない。
ただの石鹸にしか見えない😭
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こんな感じでフルG2化は面倒臭いし手間もかかる上に、そもそも設計したい形状によっては数学的に実現不可能な形もある。そう、実はG2化できるかどうかは「作りたい形で決まる」のだ😱
何でもかんでもG2化できるわけじゃないことを知った。そしてコストの割に造型に感動的な何かがあるわけでもなく。
なのでどんなに手法を考えても、そもそもG2化不可能な形であれば、いくら探っても答えは出てこない。それを学んだ、というか探り当てた。上の例はたまたま上手く行く形状だったことも分かった。
もしアレがこうなら、無理だった。そんな感じで「とある条件」が、いくつかあるのだろう。今回はたまたま1つ見つけた。これがノウハウという奴か……。
初心者のうちはG1接続で合格点
接線Tangency同一のG1接続でもう合格点ということにしよう。G2は更なる高みへのハードルとし、しばらくは見なかったことにしておこう😖実際問題、工業製品のほとんどはG1接続で設計されている。だってG2接続は作業コストがかかりすぎるから……。
というわけで今回だけは無駄にG2接続の実現可能性と問題点と、G2接続のための各種技量の必要性と、実は形状そのものはコストに見合わないほど「何の変哲もない」ことを学んだのでした👍
鏡面仕上げが重要な工業製品って、自動車と宝飾品のジュエリーくらいしか思いつかない。あとはオブジェ目的か🤔
Level 2を読み終えた(ハンズオンはまだ)
とりあえず公式トレーニングマニュアル2つを読み終えた。Level 2の中盤以降は、実は単なる実践モデリングのかけらを集めただけに過ぎない。それをやったからといって「ライノ 3Dの特徴」を理解できるわけではなかった。なので全体を先に読んで「この章は要するに何を説明したかったがゆえにそんな作業をしているのか」を理解して、ようやく全部を読み終えた。
ヒストリ、ブロック、スカルプト、Cageなどの変形ツール等など、基本機能に関する情報がまず欲しかったので。コマンドごとの詳細な手順やTipsはあとでいい。
明日からはLevel 2の「無駄に分かりにくい解説」を丁寧に読みながらハンズオンで色んな関数の特徴を理解したい。あとはLevel 1やUdemy教材の復習だったり。コマンドの学習と使い所のノウハウの蓄積が鍵だと感じた。それがある程度溜まってからでないと、無意味に苦しむ実践トレーニングは時間とエネルギーの無駄になりかねない。
知識がない状態で経験を積んでも、経験値は上がらない。それがライノ 3D。
闇雲な実践やテストが悪手になる、それがライノ 3D。
まだまだインプットが足らない。あと復習で過去に出てきたコマンドをしっかりと頭にたたき込んでサッと使えるようになること。急がば回れ。
次回はライノセラスというソフトの全体像を知った上で、ライノ 3Dを知る前とあとの感想やライノ 3Dの特性についての感想などの予定。
今回の創作活動は約2時間30分(累積 約4,124時間)
(1,241回目のnote更新)
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(カテゴリ:ライノセラス)
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