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ライノセラス3Dの検討中(メリット・デメリット、教材の調査)

ライノセラスというCADベースの3DCGモデリングツールがある。その調査の2回目のメモ。

(約 2,200文字の記事です。)



ライノの主な用途

  • 建築コンセプトアート(完成イメージの確認用)

  • 工業製品のコンセプトアート(同上)

  • 宝飾デザイン(同上)

この3つがほとんどだ。まぁCADベースなので建築と工業製品に偏っている。また強度計算や物性を考慮したシミュレーションなどを使わない「コンセプトアート」に特化したCADだ。私としては「デザイナー用のCAD」だと思っている。

調べてみるとどうやら、コンセプトアート、つまりは設計図から立体化したら実際にどう見えるの?を可視化するためのモデリングツールという位置付けらしい。本番の設計は「物性を考慮」したメチャンコ高価なCADで細部まで設計して施工に入っていくようだ。ライノはそのコンセプトデザインアートの立体化に使われる、という印象。

もちろんCADなのでそこで作られたデータを流用して本番の設計・施工に入っていけることがライノのメリットにもなる。(これがポリゴンモデリングではゼロからCADデータ化が必要になるだろう。)

これに対してBlenderやZbrushなどのポリゴンモデリングは、勝手気ままにモリモリとモデリングできる。非工業製品の立体化に強い。当然直感的なので多くの3DCGモデラーが最初に手を出す部分がポリゴンモデリングだろう。最初からCADってのは、それなりの事情や時代背景がないと、今からいきなりCADの人は少ないだろうな、と思う。例えば建築学専攻や機械工学専攻などでない限り、一般人はほぼポリゴンモデリングでスタートするだろう。そこら辺もCADユーザーの少なさの原因。

用途は分かった。私の場合や個人の場合はほとんどがコンセプトアート目的でライノを使うことになるだろう。


ライノ、CADモデリングの強み

  • 繰り返しの形状パターンの動的な変更や配置に強い

  • 流れるような滑らかな流線型の形状(特にゆる~いカーブで長いカーブ形状)

  • ブーリアン後の面取り(万能ではないけれど)

  • CAD用データで出力できる(当たり前)

う~ん、これくらいじゃね?一般人には相当に「向かない」特徴しかない気がする。


ArtStationでのライノの作品を調べてみた

https://www.artstation.com/ch/rhinoceros?sort_by=trending&dimension=all

  • 宝石デザインが多い

  • 建築デザインもそこそこ多い

  • 平面が多くて「ショボいアマチュアモデル」も多い

  • 度肝を抜く有機曲線モデルもたまにある

  • ショボいと凄いの両極端で中間層が少ない

ArtStationを見ても、やはり宝石の装飾品のデザインが多め。次に建築デザイン。まぁ予想通りだった。そして想像以上に工業製品コンセプトアートが少なかった。

まぁアート作品と考えると工業製品のモデルのレンダリング・ビューは地味とも言える。だからあまり人気がないのかも?

全体としては面取りなしのカクカクしたアマチュアモデルと、本当にスポーツカーや電動ドリルの製品にしか見えないような、ガチの工業製品コンセプトアートの二択だと感じた。前者はいわゆる「チュートリアルを終えてできあがりました!」的なモデルだ。後者はガチのモデリング。クオリティが違いすぎる。

そしてCADを使ってコンセプトアートを作るなら後者のレベルに達しないといけないと感じた。というのも、CADで習作レベルの出来は、実はポリゴンモデリング初心者の習作レベルと大差ないのだ。どっちでもいいなら大半はポリゴンモデリングを採用するだろう。あえて面倒なCADを使うメリットがないからだ。


ライノを使ったモデリングならば「ハイクオリティが大前提」

もしライノを学んでモデリングするなら、ちょっとやそっとのモデルなら「それ、ポリゴンモデリングでよくね?」になってしまうのだ。CADの個性を生かした造型をハイクオリティで仕上げる必要がある。

そうでないと私の中でのモチベーションは「それ、ポリゴンモデリングでよくね?」になってしまうのだ。

ポリゴンモデリングでもできるけど、CADのほうが効率的、またはハイクオリティに仕上げられる、という「CADの強み」これを感じられるほどのモデルを作る必要がある。そうでないとCADを学ぶ上でのメリットを感じられないし、モチベーションも上がらない。CADの強みを生かしたモデルをCADで作るからこそ、そこに最大の効率化があると思うし、ゆえにCADでモデリングする意味があると思っている。

要するに「これをポリゴンモデリングで作るのはキツいな」と思えるほどのモデルを作る必要がある。なのでちょっとやそっとのモデルではダメだと感じた。

強みは緩い曲線

CADだと原理的に面荒れが起こらない(はず)。Shiftキーでスムーズ化ができない(する必要もないが)。なので緩くて均一なカーブ、曲面を作り出せるのがCADの強みだ。また規則的なパターンや画一的な表現も得意だ。結果的に工業製品だったり、ロボットだったり、宝飾デザインに偏っていく。少なくとも変曲点まみれの人体モデリングにはまぁ向かない。(金色のC3POは作れるだろうが、どう見ても工業デザインでしょ?あれは。)


ライノを学ぶかどうかはまだ迷い中。。。

とりあえず次回のUdemyセールでライノの学習コースはいくつか選別済みだが、セールになって見ないと分からない。そしてそもそも教材数は想像以上に多くはなかった。

ライノ関連の検討はいったん終了予定。ペンディングです。


今回の創作活動は約1時間(累積 約4,058時間)
(1,202回目のnote更新)


(カテゴリ:ライノセラス)


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大和 司
読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊