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今日より明日笑え | エッセイ

2代目相棒に乗り換えてから早一ヶ月経った頃、私はm.c.A・Tの「Shinin' My Life」をひたすらりリピートしていた。



まだ慣らし運転が必要な状態であるため、その期間…もとい走行距離が一定の数値に到達するまで、高速道路や近場だけを行く所謂いわゆるちょい乗りを避け、ある程度離れた場所を目指して走っている。

十数年ぶりに乗り換えた新車の静粛性は、もはや云うまでもない。エンジンから伝わる振動音や風切り音、それにロードノイズなども圧倒的に異なっている。無論、車自体を操ることにおける運転の楽しさは抜群だ。

先代の愛車に乗っていた時と比べて劇的な変化に、私は一つの意味で心の底から感動が湧き上がっていた。しかしながら、これからまた10年以上を目標に乗り続けるため、かつ事故を起こさぬように運転感覚も慣らしておかなくてはならない。


話は元に戻るが、私は先代に乗っていた時期から、時折入ってくる交通情報などのラジオをほとんど流さず、常にスマホなどに取り溜めたお気に入りの音楽だけを流している。

乗り換えてからの半月ぐらいは、今まで聞き慣れた音楽をBGMにして走っていた。ただ折角乗り換えたのだから、この際一度も耳にしたことがないような楽曲をかけて、新鮮な空気を取り込みたい…なんてことを思っていたのである。

ストリーミングを介して選曲したのが、今からちょうど30年前に発表されたm.c.A・T3枚目のアルバム「Fight 4 da Future」だった。



私は90年代生まれにも関わらず、ひょんなことがきっかけで幼稚園の時からm.c.A・Tを存じている身である。しかし現在に至るまで知っているのは、ボンバヘッ!でお馴染みの「Bomb A Head!」一曲のみであった。

たまたま、YouTubeで上がっているそのミュージック・ビデオを観たせいか、ダートコースなる場所から雪道などといったオフロードをものともせず、颯爽と駆け抜けながら「シャイニンマイライフ!」と甲高く張り上げる一本の動画に出会ったのである。

その音が耳に入り込んだ瞬間、思わず自分の第六感なるものが反応しては光の速さ(?)で検索をかける。そうして辿り着いてからなお、いつもの如くリピートが止まらなくなっている。



およそ半年ぶりに仕事に就いたばかりで業務に未だ慣れないうえ、車のローンもがっちり組んで、ある種で再び崖っぷちな状態に投じてしまった自分である。そんなどうしようもない中で「今日より明日笑え」という言葉が胸に響いてくる。

一昔前の楽曲を好んだり愛車を変えたりと、果たして時代の流れに合っているのか反っているのか。それが自分でもわからないほどに、側から見てもかなり迷走しているのかもしれない。

けれども、一つの人生の時を乗り越えたからこそ、生き様とか信念を捻じ曲げずに、がんばるよ俺…


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タダノツカサ
最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!