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杜の都、あおばの街を歩く
仙台に降り立った瞬間、自分が思い描いていたイメージとは異なる光景に少々驚いてしまった。
まず駅構内を出ると、都会の街並みと遜色ない雰囲気を醸し出すかのように、多くのホテルやショッピングセンターをはじめとした大型商業施設、それに家電量販店などといった姿を見受けられた。
特に東口では、某大手家電量販店を中心に、再開発が完成したばかりの真新しさが残っている。そこから西口と行き来するための自由通路や、コンコースもかなりの解放感に包まれている。
さすがは杜の都。一見、東京の街と間違われてもおかしくはないと言わんばかりに、人の波によって至る所が混雑している。ビジネスマンの他にも、訪日外国人の姿もちらほら見受けられた。
だがそれでは、普段から自分が置いている日常と何も変わりがない。もう少し市街地から離れて、散策する必要があると感じたのだった。
宿泊するホテルでチェックインを取り、スーツケースやバックパックを室内に残し、身軽な格好に着替えて、もう一度繁華街から攻めていくように散策することにした。
街中では、杜の都を象徴しているケヤキが、街路樹として至る所で散見された。鈍色目立つビルが建ち並んでいる中、それに負けず劣らずの緑が、太陽の光を遮ってしまうほどの広がりを見せている。
続いて向かったのは商店街だ。平日の昼間にも関わらず、若者を中心に多くの人々で賑わい、駅構内での人混みとは少し異なった活気を見せている。この場所のすぐ近くには、大型の商業施設が建ち並んでいるにも関わらず、シャッターで閉め切っている光景はほとんどなかったと思う。
さらに市街地を離れ、川を越えた先には、辺りすべて緑の風景が待ち構えていた。それまで辺りにあるビルやマンションの群れが嘘みたく、まさに家の玄関口から出たかのような見晴らしには、思わず息を呑んだ。
こうした街並みは、いつもの外出先である東京の池袋や新宿と比較しても、なかなかお目にかかることはない。ようやく自分が探していた光景に、巡り会えた瞬間でもあった。
それから数時間かけて散策し、わずかな範囲ながら、仙台の街と自然と空気に触れてきたのである。
実質「二度目」の仙台の訪問となった今回の旅。そしていつもと違う日常に身を置いた今回の非日常。観光目的ではあまり物足りない感じではあったが、自己を見つめ直すという点では、こうしてひとり散策するだけでも充実できたと思う。
また自分の心のどこか、に何かしらの迷いがあれば、是非訪問したいと思ったのであった。
ちなみにバスやタクシー、そして地下鉄をまったく使わず、自力でひたすら歩き続けるのは少々無謀だったかもしれない。長時間動きっぱなしだったせいか、夕方を過ぎてホテルに着く頃には、両脚が悲鳴を上げてしまっていた。
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