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政治講座ⅴ1348「オワコンの中国」

 日本の不動産バブル崩壊と中国の不動産バブル崩壊の類似性が叫ばれて、中国版リーマンショックで世界の金融危機を煽る輩(経済専門家)がいるが、視点を変えると肝心な事実を見逃していると考える。
中国における不動産所有権とは、マンションで言うと「建物の所有権」と「土地の使用権」に分けられる。
2つの権利のうち「建物の所有権」には期間の定めがないが、「土地の使用権」は期限付き。 住宅用の土地の場合、「70年間」と法律で定められている。
1978年以前、改革前の中国では住居は国家から分配されるものだった。その後、分譲住宅の流通が段階的に始まり、1998年に全面化。全面化以前は土地の使用権を20年や30年という短い期間で定めた地域もあったものの、中国の近年の不動産ブームで家を買った人にとって70年はまだかなり先のことだ。さて中国では2021年1月1日に施行される民事法を体系化した「民法典」で、土地の使用権について以下の条文が盛り込まれて注目されている。「住宅建設用地の使用権が期間満了になった場合、これを自動更新とする。更新料の納付、また減免については法令や行政規定に準じて取り扱うものとする(359条)」従来の法律にも住宅用の土地の使用権は「自動更新」と規定されていたが、新法ではさらに更新料や納付方法にも触れられた。民法典に記載されたことで、更新料についての議論が進むことが期待できるだろう。さらに有識者が、長期の使用期間に対し当初に十分な土地使用権料を払っていた場合は、将来的に更新料が少額、もしくは全額免除になる可能性を指摘したことで安心感が広がった。税収不足の政府は更新料を税収に充当することは間違いないであろう。

日本と中国との違いは土地に対する私有財産が認められているかである。
日本の不動産の土地は、永遠に残り、私有財産として売買できる。当然のように、建物は毎年消耗・劣化して、最後には朽ちて価値のない建物になる。企業会計では減価償却といって毎年均等に経費として計上していくことになるが、同じように家計簿を単式簿記でなく複式簿記で考えると毎年家屋の資産価値が下がっていくのである。建物の価値が減衰するが、土地の価格は適正価格で推移して売買できるのである。日本では、バブル崩壊時の異常な土地価格を例外とすると、バブル崩壊後の土地の価格は30年間大幅下落していないのである。30年前の戸建ての価格における土地の値段の比率は安定しているのである。寧ろ、戸建ての価格が値上がり気味である。それは、海外からの建材の値上がりによるところである。日本がデフレになった理由はバブル崩壊が原因ではなく、日本の企業が中国などに人件費安さで、海外進出して、国内の産業空洞化が起き、日本企業が中国の安い労働力で製品を作り、安価な中国製品を輸入したのが、物価の安定と低下(デフレ)を引き起こしたためである。
そして、そのようになった理由と原因には、米国との貿易摩擦を引き起こし、米国の貿易赤字の増大を招き、米国に睨まれたために、迂回貿易(中国から輸出)したのである。高齢化社会の日本は貯蓄のある者や年金生活者にとっては「デフレ経済」は最適な環境であるのである。
翻って、中国経済を俯瞰してみると、不動産バブル崩壊でななく、需要と供給の分析なしの計画性の無い過剰投資(投資用マンション)の結果であると言わざるを得ない。吾輩は、十数年前から中国の過剰投資の実態を「鬼城マンション」の報道で知っていた。
このように、需要の無いマンションを投資用マンションとして作り続けた結果が今の顛末になるのである。
もう一つ、悪化させたのは、中国共産との出世の道具として、需要のない過剰投資をさせて、GDPの引き上げに利用したのである。
そして、残ったのは「融資平台」の債務1320兆円と隠れ借金の存在である。これらは、中国の国内の経済事情であり、リーマンショックのような他国へ波及する要素は少ない。これで、被害にあう投資家はよほど分析力の無い無能な投資家であろう。このままでは、中国は最貧国に陥り、大きい北朝鮮になるような気がする。今回はそのような報道記事を紹介する。
蛇足:地方融資平台の債務残高は66兆元、1元=20円として1,320兆円程度>中国の外貨準備高、8月末時点で3兆1601億ドル(464兆5347億円)「元」の貨幣価値を担保すべき外貨が不足している。これで分ることはデフレ経済ではなく、外国投資の逃避で経済成長の鈍化、高い失業率、過剰通貨発行による価格の上昇の組み合わせによって引き起こされる経済状況。貨幣価値が猛烈に下がり物価上昇を伴い、スタグフレーションが中国を襲う。そして、最貧国の奈落へと落ちること間違い無しである。

     皇紀2683年9月10日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国の外貨準備高、8月末時点で3兆1601億ドル(464兆5347億円)

新華社 によるストーリー •

中国の外貨準備高、8月末時点で3兆1601億ドル© 新華社

中国国家外貨管理局。(資料写真、北京=新華社記者/劉開雄)

 【新華社北京9月8日】中国国家外貨管理局が7日に発表した8月末時点の外貨準備高は3兆1601億ドル(1ドル=約147円)で、7月末から442億ドル(1.38%)減少した。

 同局の責任者によると、8月はドル指数が上昇し、世界の金融資産価格は全体的に下落した。為替レートや資産価格の変動などの要因が総合的に作用し、外貨準備高の減少につながった。

中国】「融資平台」の債務規模はすでに約66兆元…〈不動産市場の冷え込み〉で減速する中国経済。今後の焦点は?(ストラテジストが解説)

9/6(水) 11:46配信

●中国では、地方政府や融資平台などを軸とする不動産市場の活況が、経済の成長を支えてきた。
●ただ住宅価格が急騰し当局は規制強化へ、その結果、不動産市場が低迷し、経済成長が減速。
●焦点は、不動産市場の回復度合いや不動産関連の債務返済動向、当局の方針や施策に注目。

中国では、地方政府や融資平台などを軸とする不動産市場の活況が、経済の成長を支えてきた

[図表1]不動産市場の活況が経済成長をけん引

中国では、先月発表された7月分の主要経済指標が市場予想を下回るなど、循環的な景気のモメンタム(勢い)の鈍化が続いています。この背景には、中国経済の成長を支えてきた不動産市場の冷え込みがあると思われ、以下、その経緯を確認していきます。中国不動産市場の最大の特徴は、土地の「公有制」であり、不動産業者は建設用地を確保するため、地方政府から土地の使用権を購入します(図表1)。 不動産業者は、確保した土地にマンションを建設、販売しますが、住宅価格の上昇局面では、大きな利益を計上できるため、積極的に借り入れを増やし地方政府から土地使用権の購入を継続しました。一方、地方政府は、土地使用権を売却した資金をインフラ整備に充て、地域経済の成長につなげてきました。橋や道路などを実際に整備するのは、地方政府傘下のインフラ投資会社「融資平台」で、融資平台は銀行融資や社債発行で資金を調達します。

ただ住宅価格が急騰し当局は規制強化へ、その結果、不動産市場が低迷し、経済成長が減速

しかしながら、このような不動産依存型の経済は、いくつかの問題を生み出しました。1つは、融資平台の債務の膨張です。地方政府傘下の融資平台は、その債務に暗黙の政府保証があるとみなされ、政府並みの低コストで借り入れを増やしていきました。国際通貨基金(IMF)によると、2023年の融資平台の債務規模は、中央政府(約30兆元)と地方政府(約40兆元)の合計額に近い約66兆元に達する模様です。 もう1つは、住宅価格の急騰です。住宅価格の値上がりを見込んだ投機目的の購入が、富裕層を中心に広がり、特に北京などの大都市では住宅価格が高騰しました。中国当局はこれらに対処すべく、2020年夏に大手不動産業者が守るべき負債比率などの財務指針「3つのレッドライン(三道紅線)」を設け、2021年1月には銀行の住宅ローン不動産開発企業への融資に総量規制を設けましたが、問題はさらに深刻化しました。

焦点は、不動産市場の回復度合いや不動産関連の債務返済動向、当局の方針や施策に注目

[図表2]不動産市場の低迷で経済成長が減速
中国当局の規制により住宅価格が下落に転じると、家計は逆資産効果で消費を抑制、不動産業者は業績悪化と債務返済能力の低下、地方政府は土地使用権売却の収入減、融資平台は債務返済能力の低下、という状況が発生しました(図表2)。仮に不動産業者や融資平台が債務不履行(デフォルト)となった場合、それらが発行する債券を保有する投資家や、融資を行っている銀行は、損失を被る恐れもあります。 以上より、今後、中国経済をみる上では、不動産市場の回復度合いや不動産関連の債務返済動向が焦点になると思われます。
ただ、中国では初めて住宅を購入する30歳前後の人口が減少傾向にあることや、融資平台の債務の全貌は把握されていないとの声もあり、問題解決には時間を要すると考えられます。なお、中国当局は強力な市場管理能力を有しているため、今後どのような方針、施策を打ち出すのか、しっかりと見極める必要があります。 市川 雅浩

習近平の「遅すぎる通達」では中国の不動産バブル崩壊ドミノは止まらない…1320兆円の債務残高を抱える企業と「隠れ借金」

9/4(月) 7:03配信

1320兆円の債務残高

 足もと、中国不動産バブルの崩壊に歯止めが掛からない。不動産市況の悪化の影響を受け、地方政府の財政悪化の懸念が高まっている。
【写真】瀕死の「恒大」をなぶり殺す習近平の独裁がヤバすぎる!
 特に、地方融資平台(LGFV)と呼ばれる政府傘下の企業の資金繰りは厳しいようだ。
2022年末、地方融資平台の債務残高は66兆元、1元=20円として1,320兆円程度(2019年末から5割増)に達しているという。  融資平台が抱える借金はいわゆる“隠れ借金”で、通常、地方政府の借金とカウントされないことが多い。
 IMFの予測によると、中国の非金融部門の債務残高は今後も増加傾向をたどり、2027年にGDP比311%に達するという。
 その予測が物語るのは、借金で不動産やインフラなどの投資によって経済成長してきた“つけ”が顕在化していることだろう。
 地方融資平台の債務について、地方政府などの“暗黙の保証”があると信じる国民も多く、家計部門への波及も大きいはずだ。
 習近平政権は、地方政府に傘下企業の債務の肩代わりするよう通達を出したが、それだけでは根本的な解決といえない。短期間での債務問題の解決は見込みづらい。

非公式な資金調達手段を確立

 中国経済全体でバランスシート調整、デフレ圧力は強まり、信託商品や理財商品のデフォルトも増える恐れは高まっている。
 地方政府の隠れ借金の問題は、中国社会全体に重大なマイナス要因として働くことも考えられる。
 中国の地方政府は、税収や土地の利用権譲渡などによって財源を確保した。ただ、中央政府は、地方政府の債券(地方債)発行などによる資金調達を厳格に管理した。
 インフラ投資などを進めて経済成長率目標を達成するため、地方政府は地方融資平台を設立し、非公式な資金調達手段を確立。IMFによると2003年時点で地方融資平台の借り入れによる調達額はGDP対比11.5%だった。
 リーマンショック後、地方政府は4兆元(約56兆円程度)の経済対策の資金調達を担った。地方融資平台の資金調達は急増し、2008年末の調達額は同16.1%、2014年は同37.1%に達した。  同年の地方融資平台の債務残高についてIMFは、地方政府に支払い責任がある債務がGDP比22%、政府の保証が適用されない可能性がある債務残高は同13%程度と推計した。

投資の積み増しがアダに

 2014年、共産党政権は地方融資平台の債務残高の急増を懸念し、地方政府による“暗黙の保証”を禁止すると解釈できる改革を行った。
 しかし、その後も地方融資平台の債務残高は増加した。地方政府は毎年の経済成長率の目標を達成するために投資などを積み増さなければならなかったのだ。
 2018年、地方融資平台の債務残高はGDP比38%に増えた。ローン債権は“信託商品”や“理財商品”に組み込まれ、個人や企業の資金運用手段として活用された。  その後、コロナ禍の発生による検査負担増加、3つのレッドライン実施後の不動産市況の悪化などをきっかけに地方政府の財政は悪化した。地方融資平台のデフォルト懸念も上昇した。
 2023年2月にIMFが公表した報告書によると、2022年時点で中国の非金融部門(政府、一般事業法人、家計など)の債務残高はGDPの291%に達した。主な内訳は中央政府が22%、地方政府は30%、地方融資平台は48%、家計は61%、一般事業法人が119%だ(https://www.imf.org/en/Publications/CR/Issues/2023/02/02/Peoples-Republic-of-China-2022-Article-IV-Consultation-Press-Release-Staff-Report-and-529067)。  
なお、国際決済銀行のデータによると1989年末のバブル絶頂期、わが国の家計と一般企業の債務残高は同201%程度、2022年末の中国は220%程度だ。
 地方融資平台の債務問題の根っこはかなり深い。不動産市況と地方財政は土地譲渡益によって密接に絡み合う。

債務を株式に変えたところで

 現状、不動産市況が下げ止まる兆しは見出しづらく財政悪化懸念の上昇は避けられない。
また、共産党政権は国有・国営企業などに債務を株式に交換するよう求めた。  
業績が悪化しフリーキャッシュフローが減少する中、債務を株式に変えてもゾンビ企業の実体は変わらない
 どの企業が地方融資平台か明確な定義もなく、債務と株式の交換は株式市場の不安定材料になるだろう。
 8月、習政権は地方政府に債券発行を増やし地方融資平台の債務肩代わりを指示した。共産党政権は近視眼的に損失を先送りし、時間を稼ごうとしているように見える
 依然として、暗黙の政府保証があると信じる国民は多いとも解釈できる。いずれにせよ、成長率が高まらないのであれば債務問題の深刻化は避けられなさそうだ。
 地方融資平台の返済能力は低下し、理財商品などのデフォルトも増えるだろう。それに伴い、バランスシート調整圧力は強まり、中国のデフレ環境は鮮明化するだろう。
 債務発行による債務の延命を重視していることを見る限り、中国経済が短期間のうちに本格的な回復に向かうとは考えづらい。
 むしろ、不動産や地方政府などの債務問題の深刻化と景気後退の懸念が連鎖的に高まる恐れは増している。

参考文献・参考資料

中国の外貨準備高、8月末時点で3兆1601億ドル (msn.com)

【中国】「融資平台」の債務規模はすでに約66兆元…〈不動産市場の冷え込み〉で減速する中国経済。今後の焦点は?(ストラテジストが解説)(THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン)) - Yahoo!ニュース

習近平の「遅すぎる通達」では中国の不動産バブル崩壊ドミノは止まらない…1320兆円の債務残高を抱える企業と「隠れ借金」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

中国、不動産不況で投資会社「融資平台」が債務2000兆円 中国版リーマンか | News Everyday

中国のインフラ投資会社「融資平台」の債務が膨張している。IMF(国際通貨基金)の推計によると、2027年には約2000兆円の大台に乗る見通しだという。かつて「リーマン・ショック」を引き起こした米リーマン・ブラザーズの負債額は63兆円だった。 - Togetter

中国地方、企業倒産58%増249件 1~8月 融資返済や物価高響く (msn.com)

アメリカの政府債務残高の推移 - 世界経済のネタ帳 (ecodb.net)

習近平の「遅すぎる通達」では中国の不動産バブル崩壊ドミノは止まらない…1320兆円の債務残高を抱える企業と「隠れ借金」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

適格担保 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

約束手形の廃止後はどうなる?手形割引の今後や取るべき対応を解説! - ペイッター (paytner.co.jp)

減価償却 - Wikipedia

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