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政治講座ⅴ1801「秦の始皇帝のような習近平」

 秦の始皇帝の歴史は統一後15年で滅亡した。中国の歴史を俯瞰すると同じ過ちを繰り返し、中国の独特の易姓革命で王朝が滅亡している。中国は民主主義国家ではないが、民衆の不満が暴動となり王朝を滅ぼしている。今、最高権力者の習近平が恐れているのは民衆の反乱・暴動である。中国国内では色々な場所と日時で、色々な理由で暴動が起きていると言われる。表面化しないのは、当局の監視と弾圧による制圧である。いつ暴走するか分からない状態にある。嵐の前の静けさである。秦の始皇帝の死後に滅亡したように、現代の中国共産党は習近平の死後、暴動が起きて、国家経済破綻の中華人民共和国も各民族ごとに分裂する危機を迎える可能性が大きい。温故知新。
今回はそのような中国で動乱が起きそうな報道記事を紹介する。

     皇紀2684年6月1日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

習近平はなぜ長期政権を目指すのか...中国共産党「非公開内部資料」から読み解けること

ニューズウィーク日本版 によるストーリー

習近平はなぜ長期政権を目指すのか...中国共産党「非公開内部資料」から読み解けること© ニューズウィーク日本版

plavi011-shutterstock

<公に説明したことはない、長期政権を目指す理由。その「野心」の原動力とは何か?>

独裁色を強める、習近平政権。その習近平は「毛沢東の夢」に言及したことがある。その「野心」の原動力とは何であり、毛時代と大きく異なる点は何か?

党・国家の中枢から翻弄される市井の人々まで、一人ひとりの声に耳を澄ませながら、幸福な全体主義国家を描いた...。

中国取材の第一線で活躍する気鋭のジャーナリスト・大熊雄一郎の『独裁が生まれた日』(白水社)より一部抜粋。

長期支配の理由

習近平はなぜ長期政権を目指すのか。公に説明したことはない。その動機を探るヒントが、中国共産党の非公開の内部発行資料にあった。

資料によると、党は2018年1月に党中央委員や閣僚を集めた会議を開いた。習はその場で演説し、「毛沢東の夢」に言及していた。

習は「共産党が何をなすべきか」と問題提起し、1956年8月の毛の言葉を引用した。「世界最強の資本主義国家、すなわち、米国に追い付く」「もしそうでなかったら、われわれ中華民族は全世界の各民族に申し訳が立たないし、人類への貢献も小さいものになる」

習は偉大な社会主義国家を築けば「他国に見下される不運な状況を変え」られると力説した。

この発言は、党が国家主席の任期制限撤廃の方針を決める直前のものだ。最強の資本主義国である米国に追い付いて「強国」を築くためには長期安定政権が必要だと主張し、終身国家主席を可能にする重大決定の支持取り付けを図る狙いがあったとみられる。

習は本気で国際秩序の主導権を握ろうとしている。中国が14億人を抱える大国にふさわしい地位を得られていないとの不満が背景にある。

最高実力者だった鄧小平は経済成長に必要な国際環境を維持するため、能力を隠して国力を蓄える外交戦略「韜光養晦(とうこうようかい)」路線を取り、対米関係の安定を最重要課題に据えてきた。

一方、習は対米戦略を転換し、米国主導の秩序を突き崩す意図を隠さなくなった。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を後押しするとして「グローバル発展イニシアチブ」を提唱。

ロシアや北朝鮮など反米国家との連携を深め中国、ロシア、インドなど新興国でつくる「BRICS」の枠組みを軸に影響力を高め、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の取り込みを進めている。

国家主席任期撤廃は、米政権が中国の民主化に見切りを付け、台頭する中国を「挑戦者」と位置付けるきっかけにもなった。

野心的な中国に日米欧は警戒を深めるが、習は西側先進国との関係悪化は国際社会での主導権を握るまでの一時的な痛みだと判断しているフシがある。

中国共産党の性質は毛沢東時代から変わっていない。習は路線を転換したというよりも、むしろ鄧小平時代に進んだ"脱毛沢東化"の流れを食い止め、元に戻そうとしている。

毛時代と大きく異なるのは、党の支配下にある中国がその野心を実行に移すための能力を、飛躍的に高めた点にある。

監視網

中国共産党が神のように崇めるロシア革命の指導者レーニンは、秘密警察「反革命・サボタージュ取り締まり全ロシア非常委員会」(通称チェーカー)を利用し、政権を脅かす「反革命」を取り締まった。

この警察機構は数々の悲劇を生むことになるが、中国共産党はこれよりも効率的に、かつダイナミックに「人民の敵」を捕捉するシステムを構築しつつある。

中国でインターネット検閲制度を創設し、「検閲の父」と呼ばれる方浜興は2011年、ネット検閲と、検閲を逃れようとする人々の「戦いは永遠に続くだろう」と指摘した。

習近平指導部はネット空間に照準を定め、独裁体制を揺るがしかねないと認定した言論を取り締まるため監視範囲を歯止めなく広げた。

中国でネット利用者は10億人を超える。短文投稿サイト「微博」や通信アプリ「微信」など独自の交流サイト(SNS)が次々と登場し、かつては厳しい言論統制下にある中国で、一人ひとりが発言権を持つ時代が到来するとの期待も一時的に膨らんだ。

中国政府は自由な言論空間を放置すれば、共産党の独裁体制を否定する「西側の価値観」が氾濫するとの危機感を抱き、当局に批判的な利用者を摘発するなど徹底的に取り締まる方向にかじを切った

2017年にプロバイダーに対しネット利用者の実名登録や公安当局への協力を義務付ける

「インターネット安全法」が施行されたほか、SNSの限定された仲間内でつくる「グループ」のやりとりを監視し、警察を侮辱するなどの投稿をした場合に法的責任を問う制度が導入された。

微信を運営するIT大手、騰訊(テンセント)の関係者は「公安当局の指示があれば誰のチャット記録でも提出しなければならない」と話す。指導者を皮肉る投稿などを通報するシステムも導入されているという。

「私は自分が中国で綿々と続いてきた『文字獄』(言論弾圧)の最後の被害者となることを期待する」

かつてこう訴えたノーベル平和賞受賞者の民主活動家、劉暁波は2017年7月に当局の拘束下で"獄中死"した。劉を追悼する写真などをSNSに投稿した中国の活動家らは拘束された。

共産党は自由な発信の場となる可能性があったネット空間を裏切り者をあぶり出し、摘発する手段へと変えた。

人工知能(AI)やビッグデータといった最新技術を駆使して約14億人の国民の言動を監視、コントロールし、共産党の一党支配を半永久的に持続させる構想だ。「デジタル独裁」の権力乱用に懸念が強まる。

「あなたの行動はすべて把握していた」。私が2018年に新疆ウイグル自治区西部のカシュガル地区を訪問すると、公安当局が取り囲み行動を阻止した。流ちょうな英語を話すウイグル族の警察官は、監視カメラ映像や携帯電話の通信記録を基に追跡したと誇らしげに話した。

中国政府はウイグル族など少数民族が多く住む同自治区で「AI統治」を全国に先駆けて導入した。

2017年には、区都ウルムチ市にビッグデータを活用した治安維持を推進する「国家工程実験室」を設立。公安省、学術機関などが連携して「ビッグデータによる立体的な治安と防犯システムを構築する」(実験室主任)ための拠点だ。

同自治区では至る所に監視カメラや顔認証の機器が置かれ、当局はSNSのやりとりも監視。地元の男性は「当局の悪口を書き込んだら数分以内に警察が来る」と話した。習指導部は新型コロナウイルス流行をきっかけにこうした統治を全国に広げた。

政府は企業とも連携を深めている。テンセント、電子商取引(EC)最大手のアリババグループ、音声認識技術大手の科大訊飛など、党に忠実な企業を支援。企業側は膨大な量の個人情報を当局の求めに応じて提出しているとみられている。

微信や電子決済の利用者は、知らないうちに通話や購入の記録、資産運用などの情報が国に吸い取られる可能性を常に抱えている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、中国政府が国民の生体認証のデータベースを構築するため企業を通じて個人の音声認証データを集めているとして「歯止めなき監視」に懸念を示す。

強大な監視網を構築した結果、新疆ウイグル自治区では拘束者が急増。当局による個人情報の収集、保存、利用を監視する法律やメディアは事実上存在しない。

大熊雄一郎(おおくま・ゆういちろう)

共同通信社記者。2009年共同通信社入社。社会部、外信部を経て11年〜15年、中国総局で反日デモや党幹部失脚、香港「雨傘運動」などを取材。17年再度中国総局に赴任し米中貿易摩擦、香港大規模デモ、武漢新型コロナ流行、中国共産党結党100年、北京冬季五輪等を取材。第20回党大会を巡るスクープなどが国際報道に貢献したとされ、「ボーン・上田記念国際記者賞」(2022年)を受賞。

習近平はなぜ長期政権を目指すのか...中国共産党「非公開内部資料」から読み解けること© ニューズウィーク日本版

独裁が生まれた日

大熊雄一郎[著]

白水社[刊]

中国を脱出するのは富裕層だけじゃなかった…!習近平の「経済無策」で、日本に中国移民が「大量になだれ込む日」

藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー) によるストーリー

日本にも「中国人移民」が増加中

中国のルーツを持つ華僑が歴史上、世界に大きな影響を与えたことはよく知られている。特に東南アジアのシンガポールの経済成長を実現させたのは、華僑出身の面々だ。

それが、中国の高度成長が顕著になってきた2000年代に入ると「新・華僑」と呼ばれる人たちが本土で沸き立った中国マネーを使って世界に進出した。

世界を席巻してきた中国マネーの様相はいま大きく変化しようとしている…Photo/gettyimages© 現代ビジネス

こうした中国人富裕層は、近年、特に日本にも大挙してやってくるようになった。習近平政権の経済人弾圧で規制の厳しくなった本土より日本でビジネスや子育てをした方がいいという富裕層が増えているわけだ。

都内在住の中国人ママたちは、港区や中央区に住みつき、子どもを通わせるインターナショナルスクールの情報収集に余念がないという。都内のインターナショナルスクールには、中国人の子どもたちがあふれるようになっている。また、地方にもイギリスのボーディングスクールの分校などが建てられており、これらは中国資本によって開校されているという。

しかし、この状況はいつまで続くだろうか。長い目で見れば、中国からやってくるのは富裕層ばかりではなくなる可能性を筆者は懸念している。

このまま中国国内の経済疲弊がつづけば、日本に脱出してくる不法移民も増えてくるのではないか。

それほど中国経済の不均衡ぶりは、ますます顕著になっている。

深刻さを増す中国経済

4月の工業生産は前年比6.7%増と伸び率は3月の4.5%から拡大した。電気自動車(EV)を始めとする新エネルギー車が牽引した(39.2%増)。一方、小売売上高は2.3%増と2022年以来の低い伸びにとどまった。

不動産危機が内需を圧迫する状況が続いている。だが、不動産市場は一向に回復する兆しを見せていない。

中国政府が発表した4月の主要70都市の新築住宅価格動向によれば、全体の91%にあたる64都市で価格が下落した。下落都市の数は約9年ぶりの水準で、価格の下落率0.6%も9年超ぶりの大きさだ。

地方政府の4月の土地売却収入も2389億元(約5兆3000億円)と8年ぶりの低水準に落ち込んでいる。

終わらない習近平の「経済無策」

中国政府も「さすがにこれではまずい」と思ったのだろう、何立峰副首相は5月17日、国内で売れ残っている住宅を買い取る方針を明らかにした。

地方政府が買い取った後に安価な住宅に転換して国民に提供する方式だ。このために必要な資金は、1兆元(約22兆円)の超長期特別国債を発行して調達するとしている。

習近平国家主席の経済対策には効果が見られない… Photo/gettyimages© 現代ビジネス

中国政府が満を持して不動産支援策を発表したのにもかかわらず、市場の反応は冷ややかだった。「1兆元では危機を終わらせるには規模が小さ過ぎる」と判断したためだ。

バブル崩壊後の1990年代の日本では、政府が小出しに政策を打ち出すたびに市場から「ノー」を突きつけられていた感がある。

このほかにもEVの過剰生産、過剰競争も厳しさを増している。

筆者は、5月9日に寄稿した「中国の「麻薬犯罪」を暴露した米下院報告書がヤバすぎる…!ついに明らかとなる「21世紀版アヘン戦争」の非道な中身」でも指摘したが、アメリカにメキシコ経由で流入する不法移民が増えており、これがアメリカ議会でも深刻な問題になっている。

この現状の中国経済がつづけば、それはアメリカやヨーロッパに限らず世界に広がっていく可能性が高い。日本にも不法移民がやってくる可能性はどれほどあるのか。

後編「中国「仕事のない若者」が決断する「国内脱出」の深刻な実態…!バブル崩壊で増加の一途の中国移民が「日本」を目指すXデー」で、さらに中国経済の実態を検証していこう。

習近平氏への不満が社会全体に充満、「次の時代」に備えよ 政治体制転換は日本の利益【中国の今を語る②】

47NEWS によるストーリー

インタビューに答える張倫CYセルジー・パリ大教授=2024年3月19日、東京都内(撮影・大熊雄一郎、共同)© 47NEWS

 「中国で毛沢東の死後に本格化した改革・開放政策は基本的に経済と政治の自由化だった。1989年に当局が民主化要求運動を武力弾圧した天安門事件で政治改革は頓挫。改革モデルはねじれ、官僚の腐敗や貧富の格差といった問題が山積した。解決には全面的な改革が必要だったが、習近平国家主席が選択したのは個人独裁を推進した毛のやり方だった」

 中国からフランスに亡命したCYセルジー・パリ大学の張倫教授が3月に来日、東京都内で中国の現状を分析した。(聞き手・共同通信前中国総局記者 大熊雄一郎)

 ▽人々は習氏に幻想を抱いていた


2012年11月、中国共産党第18回党大会で総書記に就任した習近平氏=北京(共同)© 47NEWS

 そもそも習氏はなぜ強大な権力を掌握できたのか。2012年に習時代が始まった当初、改革派も含めて多くの人々が改革に踏み切るとの幻想を抱いていた。習氏はそうした期待を利用した。一方で腐敗官僚や政治エリート、富裕層に不満を持つ民族主義者は、毛のような強い指導者を望んでいた。こうした勢力も習氏の主な支持者となった。

 また習氏と同様に「紅二代」(中国共産党革命に参加した高級幹部の子弟)と呼ばれる人たちも重要な支持層だった。各方面が自らの理想を習氏に投射し、習氏は好きに解釈させて権力の源泉として取り込んでいった。

 習氏は反腐敗闘争を仕掛けて世論の支持を得ると同時に、政治ライバルを追い落とした。共産党は構造的な腐敗体質であり、誰でも調査対象となりうる。「腐敗を撲滅して党の地位を守る」と訴えれば誰も反対できない。


中国全人代の開幕式に習近平国家主席(左)と臨む李克強首相(当時)=2023年3月5日、北京の人民大会堂(ロイター=共同)© 47NEWS

 私は(昨年死去した)李克強前首相と1980年代に交流があった。李氏は権力を拡大する習氏に対抗すべきだったが、権限を奪われてしまった。

 ▽悪循環

 中国は経済成長を実現する一方で政治改革を進めなかったために環境問題といった社会矛盾が深刻化し、不安定になった。治安維持に充てる「公共安全」費は国防費を上回っている。これが習氏が「国家の安全」を重視するようになった内部要因だ。外部要因は、国際環境の悪化。党は西側諸国が望んだような変革を起こさなかった。米欧などは、異なる政治体制やイデオロギーを持つ中国の台頭を警戒している。

北京市内の公園で開かれた国家安全をテーマにしたイベント=2024年4月15日(撮影・武隈周防、共同)© 47NEWS

 国家の安全を重視する三つ目の要因は、党内闘争だ。習氏は政敵に絶え間なく攻撃を仕掛け、投獄したり自殺に追いやったりした。権力基盤は安定しても、いつ報復されるか分からない不安感にさいなまれているはずだ。「国家の安全」を強調するほど、周囲に敵を増やす悪循環に陥りつつある。

 ▽欧州も警戒

 習氏は本気で国際秩序を転換したがっている。「先進国と途上国の不合理な関係を是正する」という中国の主張自体がおかしいわけではない。ただ国際秩序の多極化とか、人類運命共同体などと唱えても、実際の行動は覇権的だ。自国民の人権すら尊重しない。世界を率いるというなら、まず国際社会を納得させるモデルを持たなければならない。

 欧州の対中認識には重大な変化が生じている。習氏が改革を後退させたことで、中国が開放や自由化に向かうとの幻想は消えた。またウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領を、習氏は支持した。プーチン氏は欧州の安全保障を脅かしている。ロシアを支持することは、欧州を脅かすことだと見なされる。欧州との関係は悪化し続けており、改善の要素は見当たらない。

握手を交わす中国の習近平国家主席(左)とフランスのマクロン大統領=2024年5月6日、パリ(新華社=共同)© 47NEWS

 ▽ゼロコロナで支持失う

 習氏は共産党総書記就任当初こそ支持や期待は大きかったが、弁護士や記者、教師ら知識人を取り締まったことで自由派の支持は低下した。同時に党・政府内のエリートの不満も大きくなった。一方で釣魚島(沖縄県・尖閣諸島の中国名)や南シナ海で強硬姿勢を示してナショナリズムを刺激しており、愛国主義者の支持は大きい。

 習氏への不満は政治的なエリートから中間層、そして社会全体に広がりつつある。その原因は(強権的な手法で新型コロナウイルスの感染拡大阻止を図った)「ゼロコロナ政策」だ。それに景気低迷も重なり、支持は下がっている。

北京市中心部で中国の「ゼロコロナ」政策に反対し、当局への抗議を意味する白い紙を掲げる人たち=2022年11月28日(撮影・大熊雄一郎、共同)© 47NEWS

 明日に何らかの変化が起きても驚かない。社会心理の変化は非常に複雑で早い。社会は見かけほど安定しておらず、むしろ極めて不安定だ。だからこそ民主化によって閉塞感を打ち破らなければならない。

 日本のエリートや政治家には、中国の多様な可能性を想定し、将来に備えてほしい。日本は北京が台湾に侵攻するかどうかにばかり関心を持っているが、中国のさまざまな勢力とどう付き合うかも考えてほしい。最も重要なことは、「ポスト習近平時代」を想像し、備えることだ。

 ▽文明刷新の競争


来日した張倫CYセルジー・パリ大教授=2024年3月19日、東京都内(撮影・大熊雄一郎、共同)© 47NEWS

 中国と日本の関係は近代以来、非常に独特であり続けている。他の国が果たせない役割を果たすこともできる。日本は東方の国家であると同時に西側国家の側面もある。これこそが日本の成功の土台となっている。中国の模範となり得る。日本にはソフトパワーを活用し、中国人に東方文明の可能性を示してほしい。またできる限り、中国の人権や民主化に関心を持ち、中国の転換を後押ししてほしい。それこそが日本の根本的な利益だ。近代以来、両国は地政学的な競争を繰り広げてきた。21世紀の競争は「文明イノベーション」の競争であるべきだ。環境や高齢化、社会保障の分野で協力できる。東アジアにどのような文明刷新を起こすかで競い合ってほしい。

 中国の現状は、かつて軍国主義時代の日本と似ている。日本は歴史の教訓を中国に伝え、今のままでは災難をもたらすと教えてほしい。

   ×   ×   ×

 張倫氏(ちょう・りん)1962年、中国・瀋陽出身。1980年代に北京大在学中、中国経済や政治体制改革を研究。1989年に民主化要求運動に参加、当局が運動を武力弾圧した天安門事件が起きた後、指名手配され、フランスに亡命。CYセルジー・パリ大教授(現代中国)やAGORA研究所研究員、フランス人間科学研究財団(FMSH)中国研究プロジェクト責任者などを務める。

参考文献・参考資料

習近平はなぜ長期政権を目指すのか...中国共産党「非公開内部資料」から読み解けること (msn.com)

始皇帝 - Wikipedia

韜光養晦 - Wikipedia

中国を脱出するのは富裕層だけじゃなかった…!習近平の「経済無策」で、日本に中国移民が「大量になだれ込む日」 (msn.com)

習近平氏への不満が社会全体に充満、「次の時代」に備えよ 政治体制転換は日本の利益【中国の今を語る②】 (msn.com)

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