見出し画像

政治講座ⅴ1993「政界再編が面白いことになって来た」

「選挙の顔」としての役割を期待され、9月30日に選対委員長に就任した小泉進次郎氏だけに責任を負わせて自分はポストにしがみついており退陣の意向を示さない。国民から「NO」を突き付けられた事実の認識もない「認識のずれ」国政を任せられるだろうか。レトリックはすごくうまいが行動は正反対で言動と行動は不一致である。政権公約と反対の事の行動をして解散するから国民から嫌われるのである。今回の総選挙が政界再編の起爆剤になり得るのであろうか。
今回も報道記事よりその内容を紹介する。

     皇紀2684年10月29日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

報道記事紹介

【衆院選】石破首相退陣からの高市早苗氏&「玉木雄一郎首相」浮上 今後の政局5つのパターン

東スポWEB によるストーリー

掲示板が当選者につける花で“満開”にならなかった自民。石破首相は渋い表情でインタビューを受けた(代表撮影)© 東スポWEB


 28日に全議席が確定した衆院選は自民党が大幅に議席を減らし、惨敗した。
 与党が過半数を割り込むのは、旧民主党政権が誕生した15年前の2009年以来だ。
 「職責を全うする」と険しい表情で述べた石破茂首相は辞任しない考えを示したが、難しい政権運営を迫られることは確実。
 今後、どうなるのか――。
現与党の自民と公明の議席数は計215で、過半数に届かない
 自民の裏金非公認候補で当選した3人を加え、与党系とされる無所属3人と協力態勢を築いても221にとどまる。
 野党は大別すると、中道・保守系(立民、維新、国民、参政、保守)が220、リベラル・左派系(れいわ、共産、社民)が18。
 ほかに野党系とされる無所属が6人いる。
今後は
①少数与党のまま石破政権継続
②野党が非自民の一点だけでまとまり、野党政権誕生
③自民が多数派工作で一部野党を取り込む
④自民党内抗争で石破氏が退陣
⑤自民が割れて一部野党と合流
――といったパターンが考えられる。
 ①は国会運営が不安定になり、波乱含み。
 ②は維新から共産までイデオロギーや政策の違いがあり、現実的ではない。
 注目は③~⑤が起きるか。
 ③も現時点で連立入り可能性を示唆する党はないが、閣僚ポストなどを取引材料に状況が変わる可能性も。
 政権交代を訴えた立民との大連立はあり得ないが、維新や国民の動向は注目される。
 自民が野党転落だけはしたくないとして、1994年の自社さ・村山政権同様、今回躍進した国民を「玉木雄一郎首相」で呼び込むなんてことも、一寸先は闇の永田町だけに、あるかもしれない。
 ④⑤は自民で石破おろしが激化した場合。
 裏金候補への対応で、旧安倍派による石破おろしの声が一部報道で伝わっている。
 石破氏が党内の不満を抑えられず、9月の総裁選で決選投票に残った高市早苗氏らが担がれるのが④パターン。
 それにしても、少数与党に変わりはない。
 ⑤は自民党を出た勢力が新党を結成し、野党と結びつくシナリオ。
 その場合、最大勢力である立民の野田氏が首班指名を受ける可能性が高いが、立民にもリベラル・左派系議員が少なくなく、立民自体が分裂することも考えられる。
 1993年の非自民・細川護熙政権は現立民の小沢一郎氏が自民を割ったところから始まった。

与党大敗で日本市場に暗雲、衆院選後に覚えたストラテジストらの不安

我妻綾、酒井大輔 によるストーリー

(ブルームバーグ): 2009年以来、15年ぶりに自民・公明の連立与党が衆議院選挙で過半数を維持できず、政治流動化や重要法案審議が滞るリスクが浮上し、日本市場に新たな暗雲が立ちこめてきたとストラテジストやアナリストらは不安を覚えている。
 政治資金パーティーの裏金問題が昨年発覚して以降、自公政権に対する有権者の支持は徐々に低下してきたが、27日投開票の衆院選で自民党は解散前から50以上も議席数を減らし、公明党と合わせて過半数を割り込むなど与党への批判は最高潮に達した。
 就任間もない石破茂首相が政権支持率の高いうちに衆院を解散した勝負手は、完全に裏目に出た格好だ。

  28日の日本市場は、円相場が対ドルで3カ月ぶりの安値を更新するなど下落し、債券も下落。
 一方、下げて始まった株式は重要イベント通過による買い戻しも入り、日経平均株価は一時800円以上反発。
 市場の一部では、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)改革に対する根強い期待に言及する声も上がる。

ドル・円とTOPIX、長期金利の推移© Bloomberg

  衆院選結果を受けてストラテジストやアナリストらが語った日本市場に関するポイントは以下だ。

押し目買い

  東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、与党が想定以上に負けた印象で、状況は非常に不透明だと指摘。与党の敗北は相場にまだ十分織り込まれていないと警戒する。一方、本格化している国内主要企業の決算発表で好業績を確認した企業はそれほど売られることはなく、押し目買いのチャンスがあるとみている。

長期的な利益

  ラッセル・インベストメント・グループのストラテジスト、アレクサンダー・カーズリー氏は中長期的には日本株が好調を維持できる条件は整っているとの認識だ。企業が株主資本利益率(ROE)を重視し、設備投資を増やす姿勢は非常に心強い材料で、衆院選結果の影響を大きく受けることはないと予測する。

  円の対ドル相場については、しばらく前から評価面では非常に魅力的になっていると分析。材料に過剰反応する形で今後数日から数週間の間に一段と円売りが加速した場合、それは魅力的な投資機会になると言う。

円安圧力

  シドニーに拠点を置く豪KCMトレードのチーフマーケットアナリスト、ティム・ウォーター氏は衆院選結果は10月に入り下落基調を強める円にとって好材料にはならないとみている。

  与党の過半数割れは金融市場が嫌う不確実性そのものだと指摘。投資家はより明確な結果を望むだろうが、自民党に対する国民の信頼が明らかに失われていることを踏まえると、そうはならないかもしれないと話す。

割安ではない日経平均

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員は、日経平均の前週末終値時点の株価収益率(PER)は15.28倍となっており、決して安くはないとみている。

  水準面では3万5000円から3万7000円の間で推移する可能性が高いと予測。投資家の関心は今後、米国の給与データや大統領選の行方など世界的な要因に移っていくとの認識を示した。

脆弱な政府

  アストリス・アドバイザリー・ジャパンの投資戦略責任者、ニール・ニューマン氏はもしも政府が何もできない状況にあるとしても、コーポレートガバナンス改革、労働参加率の向上、好調な企業収益などアベノミクスの効果が残っているのであれば、株式市場にとっては良いことだと述べた。

  首相の交代劇が起こり、日本の情勢が泥沼化していくのは間違いないが、自民党は生き残るともみている。

脆弱なセクター

  コムジェスト・アセット・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、リチャード・ケイ氏は日本銀行の金融政策は緩和的なままであるべきだと言う一人だ。タカ派と目される石破首相でさえ、現状は金利を引き上げるタイミングではないと話し、他の政党は自民党以上に金融の引き締めには反対していると指摘した。

  日銀は過去3年にわたり、利上げを予想する多くの専門家の予想を完全に覆してきたとケイ氏は言う。日本の銀行株は2倍以上上昇し、市場が利上げを予想しているように見えるが、銀行株は今最も脆弱な状態にある可能性を懸念している。

  一方、衆院選の混乱を予想して事前に円安が進んだ円の対ドル相場は、今後政治情勢が落ち着き、日米金利差が縮小方向に回帰した場合、円は今夏のように正常化の道に戻ると予測。自動車や鉄鋼、商社など円高に敏感なセクターは恐らく影響を受けやすいと話した。

財政リスク

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、リスク回避と政治の不透明感から短期的には金利は低下する可能性があるものの、超長期ゾーンでは財政リスクプレミアムを織り込み、長期的に金利が上昇する可能性が高いとの見立てだ。

  今後過半数割れとなった自公は日本維新の会、消費税や所得税の減税を公約に掲げる国民民主党と連立を組むかもしれず、積極敵な財政政策が取られる可能性が高く、2025年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標は放棄され、日本国債格下げの可能性も排除できないと言う。

辞任の可能性

  ピクテ・ジャパンの田中純平ストラテジストは、対ドルでの円売り圧力には「日本売り」の側面もあるため、円安が日本株に与える好影響は限定的になるとの見解を示す。また、新たな連立政権の枠組みや政策ごとの部分連合を含む自公と野党側の協議が暗礁に乗り上げ、石破首相が辞任に追い込まれる可能性もあり、これも日本株には重しになると指摘している。

自民党の弱体化

  CLSA証券のストラテジスト、ニコラス・スミス氏は石破首相が当初何を達成したいか話していた内容を思い出すことが重要だと言う。それは増税だ。

自民党が弱体化すればするほど、石破首相がそれを達成することは難しくなり、それは市場にとって良いことだとスミス氏は述べた。市場は安倍晋三氏という強力で有能な元首相に安心してしまっていたため、政治はほとんど市場に影響を与えることもなく、単なる愉快な見世物に過ぎなかったと振り返る。

連立政権の行方

  三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、今後自公は小規模政党との連立や協力について話し合う必要があるとみている。政治の先行き不透明感が続けば、日本の資産価格に下落圧力がかかり、これは円相場にとって困難な状況で、円安傾向が続く可能性は高いと言う。


自公過半数割れ 首相と野田氏、政権に意欲 自民200議席届かず

毎日新聞 によるストーリー

自民党開票センターでテレビ各局のインタビューに臨む石破茂首相=同党本部で2024年10月27日午後10時44分、宮間俊樹撮影

 第50回衆院選(衆院定数465=小選挙区289、比例代表176)は27日、投開票された。連立与党を構成する自民、公明両党は、公示前の計288議席から大きく減らし、過半数(233議席)を割り込んだ。自公の過半数割れは旧民主党政権が誕生した2009年以来、15年ぶり。公示前に256議席あった自民は大物政治家らの落選が相次ぎ、190議席台にとどまった。

立憲、国民が躍進

 自民派閥の政治資金パーティー裏金事件をはじめとした「政治とカネ」を巡る問題が大きく響いたとみられる。公明も大阪の小選挙区で全敗するなど苦戦し公示前の32議席を下回った。一方、立憲民主党(公示前98議席)は躍進し、国民民主党(同7議席)も4倍増となった。女性の当選者は少なくとも66人となり、09年の54人を上回り過去最多を更新した。

 石破茂首相(自民総裁)は27日夜、テレビ各局の番組に出演し「大変厳しい状況だ。政治とカネの問題について(国民に)全くご理解をいただけていないことが一番大きい」と語った。職責を全うするのかとの質問には「そういうことだ」と明言。「これから先どうやって我々が掲げた政策を実現するのか。そのことに向けて努力は最大限していかなければならない」とも述べ、政権維持に向け連立枠組み拡大などの対応を模索する考えをにじませた。

 立憲の野田佳彦代表は27日夜の民放番組で「首相指名を取りに行くのが当然だ。政権交代こそ最大の政治改革と言った以上はそれを追求していきたい」とも述べた。インターネット番組では「各党と誠意ある対応を含めて(首相指名のある)特別国会にどう臨むか。あるいは次の参院選をどう戦うかを含め、対話の第一歩を踏み出したい」と野党各党と協議に入る考えを示した。

連立枠組みの拡大模索か

 自公は与党議席の過半数回復を目指し、一部野党に協力を呼びかけて連立枠組みの拡大を模索するとみられる。自民内では国民民主や日本維新の会が連携候補とみる向きが多い。首相は民放番組で、国民民主などに連立入りを呼びかけるかについて「分からない」としつつ、「どの政策であれば一緒にやれるのかということが優先順位としては一番上に来るべきものだ」と含みを持たせた。「連立(枠組みの拡大)なのか、閣外協力なのか、いろんなやり方がある」とも述べた。

 自民は裏金問題を受けて非公認とした自民系無所属が当選した場合、追加公認し、議席の回復を急ぐ構えだ。ただ、自民系無所属の多くは小選挙区で苦戦しており、追加公認で回復できる議席は限定的だ。裏金事件に関係した前議員ら46人のうち、約6割の28人が落選した。

 首相は衆院選の勝敗ラインを「与党で過半数」に設定。21日には約40の小選挙区と大阪の全選挙区を「重点区」とし、首相ら党幹部が重点区をまわり支持のつなぎ留めに努めてきた。しかしその後、裏金問題で非公認とした候補が代表を務める党支部に党本部が2000万円を支給したことが判明。野党から「裏公認料だ」などと追及を受ける事態になった。

 立憲は「自公の過半数割れ」に加え「比較第1党になる」ことを衆院選の目標に設定。野田氏は目標達成に向け、自民系「裏金議員」の選挙区を重点的に回るなどして裏金批判を徹底してきた。

 首相が就任直後に衆院を解散したことで野党間の「共闘」態勢は整わず、主要野党4党で候補者を一本化できたのは全289小選挙区のうち53にとどまった。しかし野党同士の競合以上に「政治とカネ」の追い風の方が大きかった模様だ。

 日本維新の会は地盤の大阪府の小選挙区で議席を独占したが、比例代表などで伸び悩み、全体では公示前の43議席を下回った。

 共産党は公示前唯一の小選挙区議席だった沖縄1区で議席を維持したが、比例を合わせた全体では公示前の10議席には届かない見通しだ。

 れいわ新選組(公示前3議席)は比例で議席を積み増し、3倍増になった。社民党は沖縄2区で議席を確保。参政党は比例で議席を獲得した。政治団体「日本保守党」も議席を獲得した。【影山哲也】毎日新聞

国民民主党が「石破」を見捨て「野田総理」に走る現実的な理由がヤバい《玉木財務相、大串官房長官の名前》

現代ビジネス編集部 によるストーリー
• 4 時間 • 読み終わるまで 5 分

自民に行ったとて過半数にギリギリ

「地獄に落ちるというのは、こういうことなんでしょう」
10月27日の総選挙開票から一夜明け、頭を抱えて「現代ビジネス」記者に語るのは、自民党で何度も閣僚入りした幹部のA氏だ。
衆議院選挙で自民党と公明党の連立与党が、過半数に届かず215議席。自民党は改選前から56議席を減らし、191議席とぼろ負けとなった。公明党も8議席減の24議席。
今後は、自民党と公明党が新たな党を取り込み、連立を組むか、それとも、野党第1党の立憲民主党が他の党と連携して政権を奪取するかにかかってきた。
また、惨敗を喫した自民党は、石破茂首相の退陣論が吹き荒れ、さらに騒がしくなる。

GettyImages© 現代ビジネス


自公が狙うのは、7議席から28議席にと大きく躍進した国民民主党だ。
国民民主党とは、岸田首相時代の自民党が、ガソリン価格の高騰で、税の上乗せ部分を見合わせる「トリガー条項」を協議したこともある。また、国民民主党の元参議院議員・矢田稚子氏は内閣総理大臣補佐官(賃金・雇用担当)に起用され、岸田政権に引き続き石破政権でも矢田氏は再任されている。
自公に加えて国民民主党が連立入りすれば、243議席となり、過半数を上回ることができる。
しかし、国民民主党の関係者はこう語る。
「うちの議員には二通りいる。ひとつは連立に入って『大臣になりたい』と公言するような権力志向の議員。もうひとつは、立憲民主党とは政はがほとんど変わらないのだが、支援労組の事情で国民民主に所属している議員。
 自公と組むとなると、後者のタイプは党を出ていくから、その場合は党が割れてしまう。党に残るであろう『大臣になりたい』グループは衆議院で10人ちょっとでしょうか」
となると、合流したとて過半数にギリギリという数字なのだ。

政権交代なら「石破総裁」は残留

国民だけでは足りないとなれば、視野に入ってくるのが維新である。維新は44議席から38議席に減らした。国民民主党と維新を合わせれば、66議席ほどになる。
衆議院の常任委員会すべてで委員長ポストと、過半数の委員を確保できる「絶対安定多数」の261議席も見えてくる。
「問題はここまで不人気を露呈した石破首相のもとで連立が組めるかどうかだ。石破首相は辞めないと言っているが、それで党内がもつのかどうか」(前出・A氏)
小泉進次郎選対委員長は、責任をとって石破首相に辞任の意思を伝えた。
一方で、石破首相の「責任論」はとどまるところはない。石破首相を辞任させ「次」として、総裁選で決選投票を戦った高市早苗氏、現政権を支える林芳正官房長官、加藤勝信財務相の「安定感」を支持する声もある。しかし、政権交代で、自民党は当然、野党に成り下がる可能性はゼロではない
「なぜ自民党の総裁を目指すイコール総理大臣の椅子。それが、野党の総裁となれば、まったく面白味がないし、誰もやりたがりません。それに、衆議院選挙で惨敗して『次の総裁』で党内抗争をやっているとなると、さらに国民からの信頼を失います。下野となれば、しばらく石破首相にやってもらい、年明けの予算成立で、新しい総裁選びとなるかもしれません」

GettyImages© 現代ビジネス


つまり、政権交代が起こるとなれば、逆に「石破総裁」は残留ムードということになるわけだ。
立憲民主党が大きく議席を伸ばした以上、連立の組み方次第では、野田佳彦代表を中心とした政権交代になる。国民民主党はどちらにつくか、キャスティングボートを握れる位置にある。
「国民民主党としては、自公と連立しても意味がない。閣僚ポストを1つもらって喜ぶだけで、主導権は自民党。立憲民主党と歩調を合わせるなら、ひとつにまとまって政権を作れれば日本の国を自らの手で運営できる大きな力を持つ」
国民民主党のB氏はそう話す。

維新と立憲の接近

立憲民主党中心の政権となった場合、国民民主党の玉木雄一郎代表は政権の中枢に入る。
「財務省出身だから、財務相が有力でしょう。官房長官には、衆議院選挙大勝の立役者となった、立憲民主党の選対委員長、大串博志氏が適任でしょう。野田代表の最側近で、安定感があります。また、国民民主党にはそれ以外の閣僚ポストが複数まわってきます。委員長も同様ですね。そうなれば、当面党はしっかりまとまります」(前出・B氏)

GettyImages© 現代ビジネス


一方、維新はどうなのか。馬場伸幸代表は選挙後の記者会見で
「連立に入ることはありません」
と述べている。しかし、維新はこれまで徹底的に立憲民主党を叩いてきたが、野田代表就任後、勉強会の講師として党に招くなど風向きがかわってきた。
維新の元国会議員秘書で、今年の東京都知事選、石丸伸二氏の旋風を巻き起こした選挙プランナー、藤川晋之介氏はこう語る。
「これまで維新は立憲民主党のことをボロクソに言ってきました。しかし先日、馬場代表と話したところ『野田代表となれば十分な話し合いができる』と言っていた。自公と組めば、閣僚入りは1人だけ、馬場代表のみです。実質的には自民党が牛耳ることになります。
一方、立憲民主党を中心とした連立に入るなら、閣僚ポストも増え、維新の政権与党として発言権も増す。馬場代表に『連立入りして大臣になれば』と酒の席で持ち掛けたら、『とんでもない』と言いながら、にっこりでした。やる気あると思います」

細川政権の再来か

立憲民主党幹部のひとりも、自身たっぷりにこう語る。
ここまで勝てば政権交代も見えてくる。国民民主党、維新とも十分に組めるはず。それだけではなく、れいわ新撰組、社民党、参政党に加えて、日本保守党とも話し合いたい。7党連立に無所属からも入ってもらえれば、過半数を上回れる。うちか、自民党か、どちらが先に話をまとめきれるかだ。
自民党の安定感というが、野田代表は首相経験者です。2009年の政権交代で閣僚となった議員も、党内にはまだかなりいます。うちが連立政権を担えば、十分に安定した国政の運営ができます」
はじめての衆議院の総選挙にもかかわらず、議席を獲得した日本保守党。自民党への批判、保守層の票を取り込んだとみられる。日本保守党では唯一、小選挙区愛知1区で当選した前名古屋市長、河村たかし氏は言う。
「3議席とは、とてもありがたい支持を得た。感謝だ」
河村氏はがかつて、日本新党、新進党に在籍した当時は、細川護熙首相時代で政権交代も経験している。
「細川政権を経験した者としては、当時小沢一郎氏の剛腕で8党連立をまとめあげたことを思い出します。まだ小沢氏も元気なので、何か仕掛けはないのかな。日本保守党の立ち位置は、自民党はダメだと立ち上げた以上、当然『非自民』だ
立憲民主党中心の連立に入る? そんなもの、まだわからんが、野田代表もよく知る仲だ。自民党の高市氏も新進党で一緒に『非自民』とやっていた。首班指名もすぐでしょう。しっかりと話し合いができればとは思っている」(河村氏)
自民党政権か、それとも政権交代か、今後の政局に注目だ。

自民党が選挙で大負けしたのに石破茂首相が「辞められない」ホントの理由とは

FNNプライムオンライン によるストーリー

自民党が選挙で大負けしたのに石破茂首相が「辞められない」ホントの理由とは© FNNプライムオンライン

「国政の停滞は許されない」

石破首相は28日午後に記者会見し、「首相を辞めない」ことを明らかにした。理由は「国政は一時たりとも停滞が許されない」からだそうだ。

しかし持っていた256議席の四分の一に当たる65議席を失い、自民党単独過半数も、与党過半数も失った首相は首班指名も受けられない、予算も通せない。それなのに堂々と続投するというのは実に不思議な話だ。自民党関係者によると、実は昨日から「辞めない」と言っていたという。なんなのか。

だが「国政の停滞が…」というとってつけたような理由以外に実は「辞めない」いや「辞められない」理由がちゃんとある。

石破氏が辞めたら自民党は11月7日に行われる予定の首班指名選挙の前までに新総裁を決めなければならない。フルスペックの総裁選をやる時間はないので両院議員総会で議員のみの投票で行われる。

本来なら前回の総裁選で石破氏に惜敗した高市早苗・前経済再生相が本命のはずなのだが、現政権執行部の菅義偉副総裁や森山裕幹事長、さらに石破首相誕生の影のキングメーカーである岸田文雄前首相らはあまり気が進まないだろう。

ただ高市氏を前回応援した人たちの多くが選挙で落選している。もし執行部がいま名前の上がっている林芳正官房長官や加藤勝信財務相を立てて高市氏に勝つようなことがあったら、党内の分断はさらに進むし、「分裂」に発展しかねない。

分裂だけは絶対「ダメ!」

だから石破氏は今降ろさないほうがいいと、主流派もそして非主流派もわかっている。絶対に「分裂」だけはしてはいけないのだ。

私は昨日出したコラムで「与党過半数割れで少数与党か石破退陣か連立再編か…まさかの政権交代も」と書いたのだが、石破茂首相は辞めず、さらに野党は連立政権への参加に否定的で、もちろん政権交代も起きないようである。

実は政権交代が無理なのは昨日(27日)、議席予測で自民党が議席を減らしながらも第1党は維持できそうだった時点でわかっていた。立憲民主党は議席を大幅に増やしたが、日本維新の会と国民民主党に加えて共産党とれいわ新選組まで入れないと過半数には行かないからだ。(実際には4党合わせても過半数には足りなかった)。

野田佳彦・立憲代表は自民の一部が割れて野党連合に参加することを期待する口ぶりだったがそれは無理だ。党分裂は自民も立憲も以前経験して酷い目にあっている。「分裂だけは損するからしちゃダメ」というのは与野党の共通認識なのだ。

だから自民は主流派も非州流派も絶対に「分裂」だけは避けなければいけないことをわかっている。高市氏や安倍派周辺から「石破おろし」の声が上がらないのはそういうわけなのだ。つまり石破氏は今はとりあえず辞められない。

さて野田氏は自民党との大連立にも関心がないようだった。そして維新も立憲も今のところ連立入りには消極的だ。国会会期末に内閣不信任案を共同提出した以上当然と言えば当然なのだが、主要野党が最初から連立入りを拒否するというのはいかがなものか。

欧州では選挙で比例代表制を使っている国が多く、少数政党が乱立するためしょっちゅう連立の組み替えが行われる。ドイツでは2018年に当時のメルケル首相の与党が過半数を割った後、なんと5ヶ月も連立協議をした上で大連立政権が発足したこともある。

多様な民意が反映されるのが民主主義?

これは大変面倒くさいプロセスだが、そうやって多数与党を形成し政権を運営することが多くの民意を政治に反映させ、かつ政治を安定させることになる。

そういうことをせずに「是々非々で協力します」というのは国政政党としては無責任ではないかと私は思う。ただ政党だけでなく、メディアも、そして有権者も日本ではそういうことにまだ慣れていないのかもしれない。

というわけで政権交代も連立再編もなし、石破氏も辞めず、自公は少数与党として首班指名選挙に臨む。1回目の投票で誰も過半数を取れず、石破、野田氏の決選投票となるが、決戦でも維新は「馬場」、国民は「玉木」と書いて無効票となり、母数が減って石破氏が過半数を取るという流れらしい。

年明けの通常国会の予算審議では野党が賛成する条件として自分たちの要求を飲むよう与党に迫る。そして与野党の話し合いがまとまらなければ、最後は石破退陣が予算賛成の条件となり、石破氏は予算成立を花道として退陣するということになるかもしれない。

日本はしばらくの間は首相が1年毎に交代するという「政治的混乱期」に入ってしまった可能性がある。それって「多様な民意が反映される民主的な国家」になったということなのだろうか。

石破政権立て直しへ、政策ごとの「部分連合」模索…多数派形成へ立憲民主党と綱引き

読売新聞 によるストーリー

臨時役員会に臨む石破首相(中央)、森山幹事長(左から4人目)、小泉選対委員長(同2人目)(28日午前11時30分、自民党本部で)=川口正峰撮影© 読売新聞


 石破首相(自民党総裁)は、衆院選から一夜明けた28日午前、党本部で臨時役員会に出席した。公明党と合わせて与党で過半数を割り込んだ結果を受けて対応を協議し、政権の立て直しを急ぐ。選挙結果を巡っては、小泉進次郎選挙対策委員長が首相に辞表を提出し、受理された首相と森山幹事長の責任を問う声も上がっており、事態の収拾は難航する可能性がある首相は政権維持のため枠組みの拡大を探る構えで、大幅に議席を増やした立憲民主党との間で多数派形成に向けた争いが激化しそうだ。
 与党の最終獲得議席は自民191議席、公明24議席の合計215議席で、過半数(233議席)に届かなかった。首相は党派閥の政治資金問題を受け、非公認とした候補が無所属で勝ち上がってきた場合は追加公認する考えを示していたが、投開票日の27日は見送った。
 小泉氏は28日に首相に辞表を提出した後、記者団に「目標を掲げて戦い、結果が出なかったら責任を取るのは当たり前だ」と語った。
 首相は選挙戦で、「自公で過半数」を勝敗ラインと明言していた。首相は周辺に退陣を否定しているほか、森山氏も28日未明、記者団に「責任を果たしていきたい」と述べ、続投する意向を示した。

国会の新勢力


 ただ、首相と幹事長は政治資金問題を巡る逆風をはね返せなかっただけでなく、非公認候補の政党支部への2000万円支給が非難されたこともあり、責任論が党内で噴出するのは確実だ。
 自民は28日午後、公明と連立維持に向けた協議を行った。公明は落選した石井代表の辞任が不可避な情勢となっている。新代表選出に向けて調整を急ぐ構えだ。
 一方、今回の衆院選で立民は50議席増の148議席と大きく伸長した。国民民主党も28議席と躍進し、日本維新の会の38議席と合わせた野党勢力の合計議席は、与党に迫る状況となった。
 立民の野田代表は28日午前、東京都内の連合本部で芳野友子会長と会談し、衆院選の結果を報告した。会談後、野田氏は記者団に「(与党)過半数割れまで追い込めたことは一定の成果だ。特別国会、(来年夏の)参院選も含めてやるべきことはいっぱいある」と述べた。
 自民、公明両党が過半数を維持できなかったことで、政権運営が不安定化するのは確実だ。首相が11月初旬以降に開かれる特別国会の首相指名選挙で再び選出されても、少数与党に転落する見通しだ。
 首相は重要政策を進めるため、国民などに協力を求める考えだ。国民の玉木代表は「政権に入ると、必ずしも同意していないことにも同意しないといけない」と否定的なスタンスで、首相は政策ごとに協力を求める「部分連合」を模索する。
 野田氏も首相指名選挙で維新や国民の支援を得たい意向だ。
 首相指名選挙で首相が過半数を取れなかった場合は、上位2人による決選投票となる。野田氏は28日未明の記者会見で「比較第2党であるので、自分がまず手を挙げ、ご協力をお願いする」と述べ、他の野党に自身への投票を呼びかける考えを示した。維新と国民が与党寄りの立場を取らないよう、両党への働きかけも行う。

自民・小泉進次郎氏は「選対委員長辞任」でさっさとトンズラ…選挙期間中の“食レポ”にも批判が殺到

日刊ゲンダイDIGITAL によるストーリー

お腹は一杯になったが……(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL


《逃げ足だけは速いな》《トンズラ、スタコラサッサ…。何でもいいが批判の矢面に立ちたくないのだろう》--。
27日投開票された衆院選で惨敗した自民党。石破茂首相(67=自民党総裁)は28日午前、党本部で臨時役員会に出席し、対応を協議。小泉進次郎選対委員長(43)が敗戦の責任を取るとして石破首相に辞表を提出し、受理されたのだが、ネット上ではこんな声が広がった。
「選挙の顔」としての役割を期待され、9月30日に選対委員長に就任したばかり。選挙期間中は全国各地を回り、応援演説に立っていたものの、派閥の裏金事件の逆風を跳ね返すことができなかったようだ。
開票直後、「誰かが責任を取らなければならない」と語っていた小泉氏。近年の自民党国会議員はそろって「責任」を口にするものの、その後は雲隠れして何もせず、ほとぼりが冷めるのを待つのが当たり前。そんな中で小泉氏の素早い「辞任」対応に称賛の声が上がるかと思いきや違ったようだ
■小泉氏に「足りないもの」とは……
SNS上では自民支持者とみられる人から、《何が責任を取るだ!あなたは何をしていたんだ。観光気分だったクセに》との恨み節の声もみられる。
無理もないだろう。小泉氏は選挙期間中、全国を飛び回る姿をX(旧ツイッター)に公開していたのだが、「数少ない楽しみ」などと言って連日、投稿していたのが笑顔で弁当を食べる姿ばかりだったからだ。
《今日のお昼は車中のモスバーガーです》《お昼は滋賀県名物の『サラダパン』》……。まるで全国の名産品を食べ歩きしながら「食レポ」しているかのようで、SNS上では《真面目に選挙応援しているのか?》《裏金選挙に対する緊張感ゼロ》といった厳しい声が飛び交っていた
「敗因があるとしたら、私の中で足りないものがあったと思う」
総裁選で敗れた際、こう語っていた小泉氏。「足りないもの」が何かはまだ見えていない?。
◇ ◇ ◇
自民惨敗で終わった裏金総選挙。関連記事では【もっと読む】『泉房穂氏「日本のテレビ局は腐っている」とSNSに吐露…裏金自民とTV局は“握っている”のか』、【さらに読む】『石破首相の逆ギレは説得力ゼロ 「2000万円支給問題」は裏金事件と同じ構図…またも露呈した無反省ぶり』を取り上げている。

日本保守党が初の議席 「反安倍」石破政権にどう向き合う? 百田尚樹代表は熱烈な「安倍応援団」だったが…

 27日に投開票された衆院選では、作家の百田尚樹氏が代表を務める政治団体「日本保守党」が3議席を獲得し、国会に初めての足掛かりを築いた。百田氏は右派の論客として著名で、故・安倍晋三元首相との親密な関係でも知られた人物。かたや現在の自民党を率いるのは、安倍氏と反目してきた石破茂首相だ。少数与党となった自民とは今後、どう付き合っていく考えなのか。(佐藤裕介、戎野文菜)

◆河村たかし氏「自民党に取って代わる勢力に」

ホワイトボードで当選確実となった候補者らに印を付ける百田尚樹代表=10月28日未明、東京都内で(戎野文菜撮影)

真っ先に「当選確実」となったのは、名古屋市長を辞職して愛知1区から立候補した河村たかし共同代表。名古屋市内の選挙事務所で「保守党が自民党に取って代わる勢力になるための重要な日」と力を込めた。
日本保守党は、比例代表の東海ブロックと近畿ブロックでも各1議席を獲得した。

◆自民党への協力「総理を保守党から出すなら考えても」

百田代表は27日夜から28日未明にかけて、有本香事務総長とともに東京都内で記者会見した。
百田氏は「3議席」という結果について「満足とは言えない。(選挙区と比例代表の計30人の候補者で)負けた人の方が多いので、喜び半分というよりも、悔しさと悲しさのほうが大きい」とした上で、「大変な大きな躍進。これで国会で戦う武器を得た気がする。せっかく与えられた武器なので徹底して使っていこうと思う」とも語った。

初の議席獲得が確実になり、笑顔を見せる百田尚樹代表㊨と有本香事務総長=10月27日夜、東京都内で(戎野文菜撮影)


記者会見では、与党の過半数割れが確実になったことを受け、連立政権入りの可能性があるかとの質問も出た。
百田氏は「基本的にはやりません」とした上で、「自民がどうしても連立政権を組みたいと、『頼むから』と言ってきたら。条件次第ですね。総理は日本保守党から出しますと言うたら、まあ考えてもいいけど」と説明。有本氏は「自民党が大変問題があるからといって立ち上がったのが日本保守党。ですから、一緒にやるという選択は基本的にはない。ただ、お話があったときは検討はする」と話した。
重ねて「仮に(日本保守党と政策が近い)高市早苗氏が首相になっても組めないのか」とも問われたが、有本氏は「あまりにも仮定の話がすぎる。ちょっと答えられない」と答えるにとどめた。

野口健氏“大惨敗”の石破首相に提言「過半数が取れなかった以上、当然ながら辞任すべき」

スポーツニッポン新聞社 の意見

野口健氏© (C) スポーツニッポン新聞社

 アルピニスト・野口健氏(51)が28日に自身のX(旧ツイッター)を更新。衆院選“大惨敗”の結果を受け、石破茂首相に提言をした。

 野口氏は、非公認の“裏金”候補をめぐる問題に触れると「やはりあの2000万がトドメとなったのでは。誰があの2000万を何の為に決めたのか。理解に苦しむ」と推測する。

 「しかし、自民執行部は責任を取るべき。自公で過半数が取れなかった以上、ますば石破首相は当然ながら辞任すべき。解散のタイミングも総裁選の時に話していた事を一瞬にして覆した」とした。

 また、石破首相によるアジア版NATOの創設核の共同保有についての持論については「長年、党内野党的な存在であったためか、出来もしない事を安易に口にしてしまうようになってしまったのか」と投げかけていた。

 「諦めムードではありませんが、この国は一度、落ちるとこまで落ちて、その失敗、苦難から立ち上がるしかないのではないかと」といい「いずれにせよ、自民党の執行部はみな、潔く辞任すべき。橋本龍太郎さんは参議院の敗北でも責任をとり総理を辞職。あなた方ができる唯一の事は潔く身を引くことではないでしょう」と訴えていた。

ここから先は

381字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?