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政治講座ⅴ2062「ロシアの世界での勢力地図が変わる瞬間を目撃」

 世界の勢力地図が変わりつつある。我々は歴史の「生き証人」であり、つまり歴史の目撃者である。シリアがロシアから離れる瞬間である。ロシアからどんどん味方だった国が離れてゆく。そして、ウクライナへの侵攻がロシアを弱めていることに起因する。ロシアから離れようとしている国はまだ多々ある。モルドバもロシアから離れEU加盟を画策している。ジョージアもロシアかEU加盟で揉めている。
今回はシリアから始まった世界勢力地図の変化の報道記事を紹介する。
     皇紀2684年12月12日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

報道記事紹介

「彼が動く番だ」 トランプ氏、プーチン氏に停戦交渉開始呼びかけ

毎日新聞 によるストーリー

会談を終え、エリゼ宮(仏大統領府)から出てくるトランプ次期米大統領(右)とフランスのマクロン大統領(中央)、ウクライナのゼレンスキー大統領=パリで2024年12月7日、AP

 ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領と米国のトランプ次期大統領は7日、訪問中のパリでマクロン仏大統領と3者で会談し、ウクライナでの戦況やロシアとの停戦に向けた交渉などについて協議した。トランプ氏は会談後、ロシアに停戦に向けた交渉開始を呼びかけた。

 フランスの各メディアによると、トランプ氏は7日、エリゼ宮(大統領府)で約1時間マクロン氏と会談。その後、ゼレンスキー氏が加わり3者で約30分間会談した。11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した後、ゼレンスキー氏と対面で会談したのは初めて。

 ゼレンスキー氏は7日の会談後、X(ツイッター)に「生産的で良い会談だった」と投稿。8日には、戦況や北朝鮮部隊の派遣状況、世界情勢などを協議したことを明かし、「ロシアが過去に繰り返してきたような数年で破棄することができない公正で持続的な和平を望む」とXで述べた。

 トランプ氏は会談後、シリアのアサド政権が崩壊したことに関する投稿で、ロシアとウクライナの戦闘にも触れ、「早急な停戦と(和平)交渉の開始が必要だ。戦闘が継続すれば、より深刻で最悪の状況になる。私はウラジーミル(プーチン露大統領)をよく知っている。彼が動く番だ。世界が待っている」と述べ、ロシアの停戦交渉への参加を呼びかけた。

 ウクライナ東部ドネツクではロシア軍が進軍速度を上げており、ウクライナや西側支援国の間では、トランプ氏がウクライナに不利な形で停戦協議の準備を進めることへの懸念がある。また仮に和平交渉が始まっても、ロシアとウクライナの停戦を巡る条件の隔たりは大きいとみられ、難航が予想される。

 トランプ氏とゼレンスキー氏は仏政府の招待で、パリのノートルダム大聖堂の再開記念式典に出席するため訪仏した。バイデン米大統領は招待されたが日程の調整がつかず欠席。妻ジル氏が出席した。【ブリュッセル宮川裕章、ワシントン松井聡】

トランプ氏「アサドは去った」…ウクライナとの戦闘が影響し「ロシアは守ろうとしなかった」

読売新聞 によるストーリー

トランプ次期大統領(11月1日)=ロイター© 読売新聞

 【パリ=阿部真司】米国のトランプ次期大統領は8日、シリアの反体制派が首都ダマスカスに進軍したことを巡り、自身のSNSで「アサド(大統領)は去った。ロシアはもはや彼を守ろうとしなかった」と述べた。ロシアがシリアに関心を失ったのは、ウクライナとの戦闘が原因だとの見方を示した。

 ロシアの侵略でウクライナとロシアの双方に多大な犠牲者が出ていることを踏まえ、「直ちに停戦し、交渉を始めるべきだ。このままではもっと悪い事態に発展しかねない」と強調した。プーチン露大統領に対し「今こそ行動を起こす時だ」と求めた。

シリアのアサド政権が崩壊 “後ろ盾”露プーチン政権へのダメージは

日テレNEWS NNN によるストーリー

ロシアのプーチン大統領はシリア内戦に介入し、アサド政権の“後ろ盾”として中東などで影響力を拡大してきた。しかしロシアはウクライナ侵攻で余力を失い、反政府勢力の猛攻からアサド政権を守り切れなかった。プーチン氏の政治的ダメージも避けられない状況だ。
■シリア軍事介入…プーチン大統領にとっての意味合いは
プーチン大統領は2015年にシリア内戦への軍事介入に踏み切った。2011年に本格化した民主化運動「アラブの春」によって、シリアではアサド政権と、さまざまな反政府勢力が入り乱れる形で内戦が続いてきた。アサド政権は劣勢だったが、ロシア軍の空爆の支援を得て戦況を好転させることに成功した。
プーチン大統領は以降、アサド政権の後ろ盾として中東での影響力拡大を図ってきた。プーチン氏は2014年にウクライナのクリミアを併合したことで西側諸国から制裁を受けていて、シリアへの介入はアメリカなどに対抗し、世界にロシアの影響力を示す象徴的な意味合いもあったとされる。
■シリアは“露の戦略的要衝”…軍事施設も

写真:AP/アフロ タルトゥース海軍基地 2019年 日テレNEWS NNN© 日テレNEWS NNN


ロシアにとって、地中海に面するシリアは戦略的な要衝でもある。2つの主要な軍事施設を通じ、中東やアフリカへ影響力を行使してきた。
タルトゥース海軍基地は、ロシア海軍にとって地中海での唯一の補給・修理拠点。気候が暖かく、一年中利用できる貴重な軍港だ。またフメイミム空軍基地は近年、アフリカでの活動を広げるロシアにとって中継拠点としての価値が高まっていた。
■アサド政権のあっけない崩壊…ロシアに余力なく

写真:AP/アフロ シリア反政府勢力の兵士 日テレNEWS NNN© 日テレNEWS NNN


シリアの反政府勢力が先月下旬以降、大規模な攻勢を仕掛けたのに対し、ロシアによるアサド政権への軍事支援は非常に限定的なものだった。ウォール・ストリート・ジャーナルは7日、アサド政権の強力な味方だったロシア空軍について「ウクライナ侵攻で火力を消耗し、シリアでの活動は大幅に縮小した」と報じている。今回も空爆などの支援は行ったものの、戦況を変えるほどの効果はなかった。
同じくアサド政権を支えてきたイランやイスラム教シーア派組織ヒズボラも弱体化する中、ロシアにもウクライナとの二正面作戦に臨む余力がなかったのが実情だ。ブルームバーグ通信は6日、ロシア大統領府に近い関係者の話として、プーチン大統領はアサド政権軍が拠点を放棄し続ける限り、アサド氏を救うつもりはないようだとの声を伝えていた。
■プーチン大統領 ダメージ避けられず

日テレNEWS NNN 日テレNEWS NNN© 日テレNEWS NNN


ロシアなど支援国の弱体化で、アサド政権はあっけなく崩壊した。ウクライナに固執し、シリアという中東やアフリカへの足がかりを失ったことは、プーチン大統領にとっては戦略的敗北とも言える。
ロシア外務省は8日、ロシアは反政府勢力の全てのグループと連絡を取り合っているとして、今後は暴力ではなく政治的手段により問題を解決するよう呼びかけた。ロシア側が最も懸念していたのは、シリア領内の2つのロシア軍基地が反政府勢力に制圧されることだったが、そのような状況には至っていない。ロシア外務省はこの基地について、厳戒態勢ではあるが重大な脅威はないとしている。プーチン政権と反政府勢力との間で今後、協議が行われるとみられるが、縮小・撤退などに追い込まれれば、プーチン氏にとって、さらなる政治的ダメージは避けられない状況だ。

シリア政権崩壊、大統領はロシア亡命-「暴力と混乱」警戒の声相次ぐ

Peter Martin、Henry Meyer、Fiona MacDonald、Sam Dagher

2024年12月8日 14:43 JST 更新日時 2024年12月9日 11:21 JST

  • 偉大なシリア革命が勝利、犯罪的な体制は崩壊-シリア国営放送

  • アサド氏と家族にロシアが亡命認める-タス通信が露大統領府引用

People celebrate the fall of the Syrian regime at Umayyad Square in Damascus, Syria on Dec. 8, 2024. Photographer: Ali Haj Suleiman/Getty Images Europe

シリアのアサド政権が崩壊した。ここ数日に驚異的なペースで進軍し、領土を制圧してきた反体制派が首都ダマスカスにも進攻した。

  シリア国営放送は8日朝、「偉大なシリア革命の勝利と犯罪的なアサド体制の崩壊」を発表。その後でロシア外務省はアサド大統領が辞任すると決定し、シリアから出国したと声明で明らかにした。

アサド大統領のポスターに向け銃撃する反体制兵士(5日、シリア・ハマ)

Photographer: Bakr Alkasem/AFP/Getty Images

  ロシア国営タス通信によると、アサド氏とその家族はモスクワに到着。アサド氏一家はロシアへの亡命が認められたという。ロシア大統領府当局者を引用してタスが8日に報じた。

  シリアを長期にわたり支配してきたアサド政権の崩壊は、中東全体に衝撃を与えている。同国の主要支援国であるロシアとイランにとっては大きな打撃となりそうだ。

  イスラエルは8日朝、ゴラン高原の市民らを守るためシリア付近の緩衝地帯に軍を配備したと発表。その後、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が匿名のイスラエル当局者2人を引用して伝えたところによると、イスラエル軍の地上部隊は週末にシリアとの国境の非武装地帯を通過し、1973年の第4次中東戦争以来初めてシリア領内に入った。

  バイデン米大統領は8日、 アサド政権崩壊でシリアと中東全体に「歴史的な好機」が訪れたと歓迎した上で、「リスクと不確実性の瞬間でもある」と指摘。過激派組織「イスラム国」(IS)が空白を利用しようとする事実をわれわれは冷静に認識し、それを許さないと表明した。

  イスラエルのネタニヤフ首相はアサド政権崩壊について、パレスチナ自治区ガザで拘束されている人質を解放する取引が前進する可能性があると、人質家族との会合で語った。


   反体制派を主導する武装組織「シリア解放機構(HTS)」は、7日夜にダマスカスに進攻するとともに、ほぼ同時期に同市から北に約160キロ離れた要衝ホムスを制圧したと発表した。また、北部のトルコとの国境近隣地域や南部なども別の反体制組織が掌握した。

   複数の報道では、ダマスカスの市民はアサド政権の崩壊を祝っている。

ダマスカスで政権崩壊を祝う市民(12月8日)

Photographer: Loui Beshara/AFP/Getty Images

  HTS指導者のジャウラニ氏は、首都に駐留する全シリア政府軍に武装解除を呼び掛けるとともに、正式な政権移譲までジャラリ首相が職務にとどまると述べた。

  ジャウラニ氏は中東の衛星テレビ、アルアラビーヤに対し、アサド氏の所在は分からないと語っていた。内戦を追跡調査する非政府組織(NGO)のシリア人権監視団によると、同氏はダマスカスから航空機で外国に逃れた。

  アサド大統領(59)は2000年に父から最高権力者の地位を引き継いだ。ブルームバーグは7日、同氏が権力を維持しようと、米国とトランプ次期大統領への間接的な外交提案を含む土壇場の取り組みを行ったと報道。さらに、政府軍に対してダマスカスへの退却を命じ、反体制派にホムスを含む領土の大半を事実上明け渡すことも認めていたという。

  トランプ氏はソーシャルメディアで、米国はシリア情勢に「一切関与すべきではない」と明言し、「これは我々の戦いではない。成り行きに任せよう。関与してはならない!」と主張。その後の投稿で、アサド氏は出国し、ロシアは「もはや同氏を守ることに関心がない」と指摘した。

  来月で退任となるバイデン政権は介入する意思をほとんど示しておらず、米国はHTSの攻勢とは何の関係もないとの主張を繰り返している。

  米国および、シリアと国境を接するイスラエルは、警戒しつつ事態を見守っている。両国にとってアサド氏は協力関係になく、米国はアサド政権に対して厳しい制裁を科している。一方、HTSは米国など西側諸国からテロ組織の指定を受けている。

  ドイツのベーアボック外相は声明で、「シリアが今、どのような外見であれ、他の過激派の手に落ちてはならない」と警告。フランスは「包括的な政治的解決策を通じてシリア人が和解と再建への道を見つけられるよう、最大限の支援」をパートナー諸国に呼びかけた。

  リスクコンサルティング会社RANEによると、さまざまなグループが自らの立場の強化を試みているため、シリアの政治情勢は流動的な状態が続きそうだ。

  RANEのグローバルセキュリティー担当アナリスト、フレディ・クーエイリ氏は「政権崩壊は、暫定政府樹立に向けて反体制派各派が争う政治プロセスを引き起こすだろう」と予想。「外国勢力が戦後の勢力均衡を形成しようとするため、暴力が起こりやすい遅々としたプロセスとなる公算が大きい。近い将来に最も可能性が高いのは、不安定で分裂したシリアだろう」と予測した。

  アラブ諸国の当局者も権力の空白は危険との認識を示している。

  アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領の顧問を務めるアンワル・ガルガシュ氏は8日、バーレーンでの会議で、シリアの領土保全に対する脅威、アラブの世界で続く「混乱と暴力のスパイラル」、そして「過激主義とテロリズム」の可能性について警告した。

  シリアの移行期間を形成する取り組みに関与しているサウジアラビアは8日、「混乱と分裂」を警告する声明を発表した。

  また、トルコはアサド政権崩壊によって生まれた機会を利用して、トルコ国内に住む数多くのシリア難民を帰還させようとする可能性が高い。そのためにトルコ政府は平和的な政権移行を促している。

  トルコのフィダン外相は8日、「われわれは長期にわたり、シリアの安定のために取り組んできた」とし、シリア国民や域内外の関係者と協力し「良好でスムーズな移行期間になるよう努めなければならない」とコメントした。

  クウェート大学のバデル・アル・サイフ助教授は「移行期には混乱が予想され、さらには流血すらあり得る派閥争いも想定される」と指摘。「シリアは10年余りの間、正常とは言えない状態が続いており、社会経済的および政治的な衰退に加え、飛び地や勢力圏に分断されている」と述べた。

原題:Syria’s Assad Toppled, Flees to Russia After Rebels Advance (3)Biden Sees ‘Moment of Opportunity’ and Risk on Assad’s Ouster、 Netanyahu: Fall of Assad Regime May Help Advance Hostage Deal、Syrian President Assad Toppled After Lightning Rebel Advance (1)Few Mourn End of Assad, But His Fall Unsettles a Restive Mideast(抜粋)

(19段落目以降にアラブ諸国の見解などを追加します)

【解説】 アサド政権崩壊、シリアと周辺のパワーバランスはどうなるのか

画像提供,Reuters

ヒューゴ・バシェーガ中東特派員(シリア国境近くのトルコから)

シリアの反政府勢力は1週間ほど前、北西部イドリブの拠点から驚異的な攻勢を開始した。そのときには、バッシャール・アル・アサド政権が崩壊に至るとはほとんど考えられなかった。

シリアはいま、転換点を迎えている。アサド大統領は、シリアを29年間支配した父ハフェズ・アサド前大統領の死去を受け、2000年に政権を握った。前大統領も息子同様、強権的だった。

アサド大統領は、厳しく統制された抑圧的な政治構造を引き継いだ。そこでは反体制派は容認されなかった。

当初は変化への期待もあった。新大統領は父親よりオープンで、あまり残忍ではないのではないかと思われた。しかし、それもつかの間だった。

アサド大統領は2011年、政権に対する平和的な抗議行動を暴力的に弾圧し、内戦を引き起こした。今後永遠に、そのことで記憶されることになった。シリアでは50万人以上が殺され、約600万人が難民となった。

アサド大統領はロシアとイランの支援を得て反体制派を抑え込み、生き延びた。ロシアは強大な空軍力を使い、イランはシリアに軍事顧問を送った。イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラも、よく訓練された戦闘員を派遣した。

今回はそうしたことは起きなかった。アサド大統領の味方はそれぞれ自国のことで手がいっぱいで、実質的に彼を見捨てた。支援を受けられないアサド大統領の軍隊は、イスラム主義の武装勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」反政府勢力を食い止められなかった。場所によっては、止めようとする様子もなかった。

反体制派はまず、国内第2の都市アレッポを先週、ほぼ抵抗を受けずに掌握した。さらに南進して中部ハマ、そして数日後には重要拠点都市のホムスを抑えた。首都ダマスカスに向け東部と南部からも進撃し、首都は孤立した。数時間後にはアサド政権の中枢機能がある首都に戦闘員が入り込んだ。

パワーバランスはどうなる

アサド一族による約50年の支配が終わることで、この地域のパワーバランスは再構築される。

イランはまたしても、その影響力が大きな打撃を受けた。アサド政権下のシリアは、イランとヒズボラとのつながりの一部だった。イランがヒズボラに武器・弾薬を送るうえで、カギとなっていた。

ヒズボラは、イスラエルとの1年にわたる戦争で著しく弱体化しており、その先行きは不透明だ。

イランが支援する別のグループ、イエメンの反政府武装組織フーシ派も、繰り返し空爆で狙われている。これらの集団と、イラクの民兵、パレスチナ・ガザのイスラム組織ハマスが、イランの言う「抵抗の枢軸」を形成しているが、それは今、深刻なダメージを受けている。

この新たな構図は、イランを国家存立の脅威とみなすイスラエルでは歓迎されるだろう。

多くの人は今回の進撃について、トルコの賛同なしには起こりえなかったと考えている。トルコはシリアの反政府勢力の一部を支援しているが、HTSに対する支援は否定している。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はしばらく、シリア難民の帰還を可能にする外交的解決に向けた交渉に参加するよう、アサド大統領に迫っていた。

トルコにはシリア難民が少なくとも300万人おり、難しい国内問題になっている。

だが、アサド大統領は参加を拒んでいた。

アサド大統領がいなくなったことを、多くの人が喜んでいる。

しかし、次に何が起こるのだろうか。HTSはイスラム武装組織アルカイダにルーツをもち、暴力の歴史もある。

HTSは近年、民族主義的な勢力としてのイメージを売り込んでいる。最近のメッセージは外交的かつ融和的なトーンになっている。

とはいえ、多くの人はそれに納得しておらず、政権を倒した後のHTSがどうするつもりか懸念している。

今回の劇的な状況変化は、危険な権力の空白を招き、混乱といっそうの暴力をもたらす結果につながる恐れもある。

(英語記事 End of Assad rule will reshape region's balance of power

シリア反政府勢力の代表、首都で演説 大統領は逃亡

画像提供,Getty Images

画像説明,首都中心部のモスクで演説する反政府勢力のアル・ジャウラニ代表(8日午後、ダマスカス)

2024年12月8日

更新 2024年12月9日

シリア反政府勢力の代表は8日午後、首都ダマスカスで演説し、政権を倒した勝利は「すべてのシリア人のものだ」と宣言した。

アサド政権への大攻勢を主導した反政府勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」のアブ・モハメド・アル・ジャウラニ(別名アブ・モハメド・アル・ゴラニ)代表は、首都中心部にあるウマイヤド・モスクで聴衆を前にした。

アル・ジャウラニ代表は、国外に逃れたとされるバッシャール・アル・アサド大統領の政権について、「自国の市民を不当に、何の犯罪も犯していないのに投獄した」と非難し、その政権を打倒した「この勝利は、すべてのシリア人のものだ」と強調した。

通信アプリ「テレグラム」に投稿された動画では、集まった人たちが「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と連呼していた。AFP通信が伝えた。

侵攻継続、ロシアの国力低下が露呈 シリア政権崩壊は大きな打撃に

朝日新聞社 によるストーリー
• 30 分

シリアで2017年12月、空軍基地を訪問したロシアのプーチン大統領(右)とシリアのアサド大統領。スプートニク提供=ロイター© 朝日新聞社


 アサド政権のあっけない崩壊は、ウクライナ侵攻が長期化するロシアに、もはや友好国の政権を軍事的に支える力がないことを如実に示した。中東を含め、国際的な影響力の低下は避けられず、大きな打撃となる可能性がある。
【写真】シリアとの国境に近いレバノンのバリエリアスで2024年12月8日、アサド政権の崩壊を祝うシリア人たち=AP
 「アサド氏と紛争参加者の交渉にロシアは関与しておらず、全関係者に外交的手段による解決を求める」
 ロシア外務省は8日、アサド氏の大統領辞任と国外退去を発表した際、距離を置く姿勢を鮮明にした。
 シリアはロシア軍が旧ソ連諸国以外で基地を保有する唯一の国。ロシア下院のカルタポロフ国防委員長はソ連崩壊時に旧東ドイツ地域から軍を撤退させざるをえなかったことを例に挙げ、「どのようにソ連軍がドイツなどでの活動を終えたかを忘れないことが重要だ。国益を守る必要があり、我々の大統領がやっている」と述べ、政権への衝撃の大きさをうかがわせた。

「ロシアは弱体化している」トランプ氏に突かれたプーチン大統領“アサド政権崩壊”の弱り目

アサ芸biz の意見

「ロシアは弱体化している」トランプ氏に突かれたプーチン大統領“アサド政権崩壊”の弱り目© アサ芸biz


トランプ氏がハリス氏を破り、次期大統領への就任が決定した11月9日、電話でわずか5分間会談し、「非常にフレンドリーな感じがした」との感想を述べた石破茂首相。しかし、トランプ氏側から「民間人の立場で外国政府との交渉を禁じた米ローガン法に抵触するため、大統領就任前には外国要人と会談しない方針」との意向を伝えられ、会談を断念したと発表していた。
しかしトランプ氏は、14日にはすでにアルゼンチンのミレイ大統領と会談。その後も電話ではあるものの、各国首脳と「中身のある会談」をしているとも伝えられている。
そんな、「外国要人とは会談しない」と公言していたトランプ氏が、当選後初の外遊先としてフランスを訪問し、マクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領と12月7日に3者会談を行った。
「トランプ氏のフランス訪問はノートルダム大聖堂の再開式典に出席するためですが、その席で3者会談を行っており、会談後ゼレンスキー氏はSNSに《我々は皆、この戦争ができるだけ早く、公正な方法で終わることを望んでいる。ウクライナ国民、現場の状況、そして公正な平和について話し合った。我々は一緒に取り組み続け、連絡を取り合っていくことで同意した》と投稿しています。一方、トランプ氏も翌8日、《ロシアは弱体化している。ゼレンスキー大統領は合意を結び、狂気を止めたいと考えている》と自身のSNSに投稿。ただ、選挙戦中に『大統領就任から24時間以内に戦争を終わらせる』と宣言したトランプ氏に対し、一部報道ではマクロン氏とイギリスのスターマー首相が、ウクライナ支援での軍隊派遣強化について議論を活発化させているとの情報も飛び交っている。来年のトランプ氏就任で欧米の足並みが揃うかどうかが焦点になるでしょう」(外報部記者)
さらに、そんなタイミングで明らかになったのが、2015年以降ロシアが支援してきたシリア内戦におけるアサド政権崩壊を伝える衝撃的な報道だった。シリアでは11年から大規模な民主化を求めるデモが起こり、アサド政権がこれを武力弾圧。それが皮切りとなって政権側と反政府勢力との激しい内戦が続いていた。しかし、ロシアからの軍事支援を得たアサド政権は反政府勢力の支配地域を次々に奪還。ただ多くの民間人を巻き込む政権側のやり方に、国際社会からは非難の声が上がっていた。
「その後、20年にはアサド政権のバックにつくロシアと反政府勢力を支援するトルコが停戦合意を交わし、戦闘は膠着状態となっていたものの、内戦は相変わらず続いていたんです。ところが22年にロシアのウクライナ侵攻が始まり、プーチン大統領としては対ウクライナで手一杯で、とてもではないがシリア内戦にまで手を差し伸べることができなくなった。シリアに派兵されていた兵士や兵器もウクライナ戦争に投入されることになり、アサド政権が弱体化していったというわけなんです」(同)
トランプ氏は8日のSNSで、《アサドは去った。後ろ盾のロシアも守ろうとしなかった。ウクライナ侵攻でシリアへの関心を失った》と投稿。ウクライナ問題についても《直ちに停戦し、交渉を始めるべきだ。このままではもっと悪い事態に発展しかねない。(プーチン氏は)今こそ行動を起こす時だ》と強調、プーチン氏にメッセージを送っているが、もちろん交渉が一筋縄で行かないだろうことは、想像に難しくない。
シリア内戦から手を引き勢力を一本化させたロシアに対し、トランプ氏はどんなディールを仕掛けるのか。トランプ氏の一挙手一投足に世界中の視線が注がれている。(灯倫太郎)

シリア内戦の終結と共に暴かれたアサド前大統領の贅沢な生活、市民による豪邸襲撃と略奪の衝撃映像がSNSに投稿される

川田翔平 によるストーリー

引用:聯合ニュース


約54年間にわたりシリアを支配してきたアサド政権が今月破壊し、独裁者の贅沢な生活が明らかとなった。シリアでは人口の約70%が貧困層であり、市民たちは大統領の豪邸を襲撃し、怒りを爆発させた。
英紙「ガーディアン」は9日(現地時間)、ソーシャルメディア上にシリアの首都ダマスカスにある大統領官邸や、大統領所有するとされる豪邸の略奪映像が多数投稿されていると報じた。
シリアでは1970年のクーデターによりハーフィズ・アサド前大統領が30年間政権を掌握し、2000年の死後は息子のバシャール・アサドが大統領に就任した。2011年にはアサド政権の独裁体制に反発する民主化要求デモが勃発し、内戦へと発展した。反政府軍は8日、首都ダマスカスを制圧し、同日バシャール・アサドは家族とともにロシアへ亡命した。
ソーシャルメディアに投稿された映像には、アサド前大統領の邸宅とみられる車庫にランボルギーニやフェラーリ、アストンマーティンといった高級車が並んでいる様子が映っていた。映像にはシリア人らが車庫内に押し入り、クラクションを鳴らしながら歓声を上げる様子が記録されていた。
シリアのコメディアン、ファディ・マズ氏がアサド前大統領の豪邸を訪れ、動画を撮影してソーシャルメディアに投稿した。映像には、肉がぎっしり詰まった冷蔵庫や美術品が並ぶ棚を物色する人々の姿が映り、冷蔵庫の前には高級ブランド「エルメス」の箱も確認できた。さらに、マズ氏が高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の衣装バッグを引きずる姿も捉えられた。英紙「ガーディアン」によると、このバッグの市場価格は約3万6,500ポンド(約706万円)と推定される。
別の映像には、男性がダマスカスの富裕層地区アル・マリキにあるアサド前大統領の邸宅の一つに侵入する様子が映されていた。映像には、高級雑貨や衣類が詰まった衣装部屋や、撮影者がハーフィズ・アサドの肖像画を床に叩きつける場面が記録されていた。
2022年の米国務省の推計によると、アサド前大統領の純資産は最大16億ポンド(約3,098億円)に上るとされる。同年の世界銀行(WB)の報告書によれば、シリアでは10年以上続く内戦の影響により、人口の1,450万人(約70%)が貧困層に属し、そのうち約25%が極度の貧困状態にあるとされる。海外メディアは、反政府軍がダマスカスを制圧した後、現地市民らがアサド前大統領の豪邸を探し回り、略奪や破壊行為を行っていると伝えている。

引用:聯合ニュース

アサド氏失脚、イランに「歴史的規模」の打撃

Sune Engel Rasmussen によるストーリー
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アサド氏失脚、イランに「歴史的規模」の打撃


イランは数十年の歳月と数十億ドルの資金を費やし、民兵組織や各国政府のネットワークを構築してきた。それによって同国は、中東全域で政治的・軍事的影響力を行使し、自国領土に対する外国の攻撃を抑止できるようになった。
その同盟の柱は、ほんの数週間で音を立てて崩れ去った。
シリアのバッシャール・アサド大統領の退陣は、イランの戦略面における大惨事だ。今まさにドナルド・トランプ次期米大統領の選出と、イラン政府に新たな圧力をかけるとする同大統領の公約に直面しているイランは、これにより何十年も前からの安全保障政策の見直しを迫られるだろう。
アサド氏が排除されたことは、昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃をきっかけに起きた一連の出来事の中で、今までのところのクライマックスでもある。ハマスの攻撃は、2003年の米国によるイラク侵攻以来で最も根本的な変化をイランの安全保障環境にもたらした。ただ、イラクのサダム・フセイン氏が打倒されたことは最終的にイランにチャンスを与えたが、今回はイランが不利な立場に置かれている。
イスラエルは1年余りにわたる攻撃で、パレスチナにおけるイランの主要な協力者であるハマスに大打撃を与えた。今年9月以降、イスラエルはイランの最も強力な仲間であるレバノンの民兵組織ヒズボラの指導者の大半を殺害し、生き残っている最高司令官たちを雲隠れさせた。シンクタンク「国際危機グループ(ICG)」のイランプロジェクト担当ディレクター、アリ・バエズ氏によると、アサド氏の打倒でイランが「前方防衛」と呼ぶ前線の残存部分が破壊された。
バエズ氏は「イランは昨年10月7日のハマスによる攻撃が歴史上の転換点だと考えていた。それは事実だが、イランが望んでいたのとは正反対の方向転換だった」と指摘し、「イランの西側戦線のドミノが次々に倒れた」と語った。

アサド氏失脚、イランに「歴史的規模」の打撃


シリアはイランにとって、中東で唯一の同盟国だった。さらに重要なのは、シリアがイランに陸路によるヒズボラへのアクセスを提供していたことだ。ヒズボラはイランが「抵抗の枢軸」と呼ぶネットワークの中心的存在であり、イランの支援のおかげで世界最強の軍事力を持つ非国家主体になった。
バエズ氏は「ヒズボラへのアクセスがなければ、抵抗の枢軸は存在し得ない」と語った。
イランは最高指導者のアリ・ハメネイ師が来年86歳になるなど、宗教指導者の高齢化が進むタイミングで、新たな安全保障状況に直面している。イスラム主義政権に対する国内の支持率は低下する一方、同国の最大の敵であるイスラエルは勢いづいている。
過去1年間のイランの後退は、同国が外国からの攻撃への抑止力を取り戻すために核開発を加速する可能性があるとの懸念を生じさせている。イラン当局者はここしばらく、核開発の取り組みを強化するかや、大量破壊兵器を調達しないとのハメネイ師が20年前にした約束を考え直すかについて、公然と議論している。
先週公表された米情報機関の報告書は、イランが核爆弾の製造を決めるリスクが高まっていると指摘している。国際原子力機関(IAEA)は6日、イランが高濃縮ウランの生産を大幅に拡大し始めたことを明らかにした。IAEAはイランと監視に関する新たな取り決めをしなければ、イランによる兵器級の高濃縮ウラン生産や核分裂性物質の流用を確実に止めることが困難になる恐れがあると警告した。
トランプ氏の大統領復帰を控え、イランはウラン濃縮活動に関して協議する準備ができていると述べているが、武装勢力の支援やミサイル開発など、地域的な活動について交渉する意向は示していない。トランプ氏は1期目の際、核交渉を行うのであれば、地域的な活動を議題に含めるべきだと主張していた。
イスラエルがハマスとヒズボラの及ぼす自国への脅威を当面取り除いたことで、イランがこれまで維持してきたイスラエルからの攻撃に対する抑止力が低下した。イスラエルは今年に入ってから2回、イランに空からの直接攻撃を行い、イランの軍事施設に打撃を与えるとともに、ロシアがイランに供与していた防空システムを破壊した。イスラエルはまた、イランの革命防衛隊(IRGC)の複数の指揮官を殺害した。

アサド氏失脚、イランに「歴史的規模」の打撃


2008~2017年に米情報当局でイラン担当部門のトップを務めたノーマン・ルール氏は今回のイランの対応について、10年以上にわたり内戦状態のシリアでアサド政権を支持してきたが、結局同政権をあからさまに見捨てたと語った。
同氏はまた「例えばイスラエルは、シリアのことをよく知る世代のヒズボラとIRGCの幹部らを殺害し、官僚のネットワークと調整能力を葬り去った」と指摘。アサド政権の崩壊は「歴史的な規模の戦略的打撃をイランに与えた」と述べた。

今後のイランの足場

ヒズボラ、ハマス、アサド政権の三者は、イランの「前方防衛」戦略の最前線を構成していた。これらの防衛線が崩壊した今、イランと直接国境を接するイラクが脚光を浴びることになった。イラクはイランにとって、制裁の影響回避策を含む経済活動の重要なルートであり、最も差し迫った安全保障上の懸念要因でもある。2003年に起きた米国主導のイラク戦争の後、イランはシーア派イスラム教徒を中心とするイランに忠実な民兵のネットワークを構築し、それを基盤として海外に軍事的・政治的影響力を行使できるようになった。シリアで反体制派の攻勢に直面した多くの民兵が、イラクに逃れてきている。シンクタンクの英王立国際問題研究所(チャタムハウス)でイラク問題のプロジェクトディレクターを務めるレナド・マンスール氏は、イランが今後、自国に紛争が波及するのを防ぐために、イラクに関心を向けるだろうと述べている。
同氏は「ヒズボラに起こったこと、ハマスに起こったこと、そしてアサド政権に起こったことですら、ある程度までは(イランにとって)それほど重要でないと言える。イラクはもっとイランに近い」と語った。
確かに、イランとシリアとの関係は、イランとアサド氏との結び付きを超えて深く根付いている。シリアは1979年にイランのイスラム共和国を国家として承認した最初のアラブ国家であり、両国は1980年代以降、戦略的同盟関係にある。イランは地域全体で忠誠を誓う勢力を増やしてきた。一部は資金力と武力によるものだが、米国とイスラエルの支配に対する広範な反感も利用してきた。
テヘラン大学のフォアド・イザディ教授は、こうした根本的な反感はまだあり、イランは、公然とイスラエルに対抗し、パレスチナの大義を真摯(しんし)に支持する中東唯一のイスラム国家であり続けていると指摘する。イランは歴史的に、分裂状態にある国家に足掛かりを見つけてきたため、シリアの今後の政治状況がどうなるかにかかわらず、同国で一定の影響力を維持できるかもしれない。
イザディ氏によれば、「民主的なシリア政府ができてもイスラエルに友好的になることはなく、パレスチナの大義を支持することになる」、「大混乱が起きてシリアが第2のリビアになったとしても、やはりイランは対処可能だ」という。
元米情報当局幹部のルール氏によると、またイランは依然、この地域全体に10万人以上の民兵組織を持ち、自前の精鋭部隊数千人と国内で影響力を持つ強硬派を擁する潜在力の高い軍事大国だ。
ルール氏は「(イエメンの)親イラン武装組織フーシ派はかつてなく強力になっている。レバノンではヒズボラが生き延び、力を取り戻しそうだ。ハマスの復活もあるかもしれない」との見方を示した。「イランの後退を確実に恒久的なものとするには、イランが代理勢力の残党に対する兵たんおよび訓練システムを再構築するのを防ぐための地域的・国際的な計画が必要だ」

シリア首都近郊にイスラエル軍侵攻、反体制派「拷問の責任問う」

Maya Gebeily Michelle Nichols によるストーリー

崩壊したシリア・アサド政権への攻勢を主導したシャーム解放機構(HTS)は、国民への拷問に関与した治安当局者や軍将校の責任を問う方針を示し、「犯罪者や殺人者」のリストを公表するとした。写真は首都ダマスカスで反体制派の旗を持つ戦闘員。9日撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)© Thomson Reuters

Maya Gebeily Michelle Nichols

[ダマスカス/ニューヨーク 10日 ロイター] - シリア治安当局筋は10日、イスラエル軍が首都ダマスカスの南西約25キロメートルまで侵攻したと明らかにした。

イスラエルは占領地であるゴラン高原のシリアとの緩衝地帯に部隊を展開し、シリア軍の基地を空爆した。

同筋によると、イスラエル軍は非武装地帯からシリア領内に10キロ入った地点にあるカナタまで達した。

イスラエル軍はコメントを控えた。イスラエルはシリア国内の紛争には関与しないとし、緩衝地帯の占領は防衛策だと主張している。

エジプト、カタール、サウジアラビアはイスラエルの侵攻を非難した。サウジは「シリアが治安を回復するチャンスを台無しにする」と指摘した。

<拷問の責任問う>

崩壊したシリア・アサド政権への攻勢を主導したシャーム解放機構(HTS)は、国民への拷問に関与した治安当局者や軍将校の責任を問う方針を示し、「犯罪者や殺人者」のリストを公表するとした。

アサド政権のジャラリ首相は9日、北西部の反体制派支配地域を拠点とする「救国政府」に権力を移譲することで合意。政権移譲には数日かかると述べた。

アルジャジーラTVによると、暫定政権のトップは救国政府を率いるムハンマド・バシル氏になる見通し。

一方、シリアでは秩序回復の兆しも見えてきた。銀行が10日に再開するほか、石油省は石油部門の全従業員に対し、安全を確保するとして、同日に出勤するよう呼びかけた。

モルドバ大統領選 EU加盟推進の現職勝利でロシアが非難


2024年11月5日 21時56分

旧ソビエトのモルドバで行われた大統領選挙の決選投票で、EU=ヨーロッパ連合への加盟を推進してきた現職のサンドゥ大統領が勝利したことについて、ロシア外務省は「最も非民主的な選挙キャンペーンだった」と非難しました。

旧ソビエトのモルドバでは3日、大統領選挙の決選投票が行われ、中央選挙管理委員会によりますと
▽EU加盟を推進してきた現職のサンドゥ大統領が55.35%
▽ロシアとの関係も重視する元検事総長のストヤノグロ氏が44.65%となり
サンドゥ大統領が再選を果たしました。

これを受けてモルドバの隣国で同じくEU加盟を目指すウクライナのゼレンスキー大統領は4日、「ヨーロッパを選ぶことは普通の生活を求めるという選択でもある。ロシアのような体制のもとでは決してありえない選択だ」と述べ、連帯を呼びかけました。

一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は4日、声明で「モルドバの独立以降、最も非民主的な選挙キャンペーンだったと言っても過言ではない」と非難しました。

その理由として、ロシア国内に設けられた在外投票の投票所の数が少なかったなどと主張しています。

ただ、今回の大統領選挙をめぐってはEU加盟を阻止したいロシア側が選挙介入を行っていると欧米諸国やモルドバ政府が厳しく批判していて、モルドバの警察もロシアが関係する人物による大規模な買収が行われていたと発表しています。

サンドゥ大統領の再選によってEU加盟の路線が継続することになりますが、歴史的、経済的なつながりからロシアとの関係を重視する国民も少なくなく、今後、国を1つにまとめていくことができるかが問われることになります。

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