
政治講座ⅴ1871「台湾有事は今が危ない」
中国が経済発展している時には微笑外交で台湾の馬英九氏は中国共産党べったり寄り添っていた。
しかし、習近平政権になってから、戦狼外交に変貌した。香港の返還に関して、英国に中国は一国二制度を確約していたが、その約束を反故にして民主化を弾圧を始めた。これに危機感をもったのは台湾(中華民国)である。戦わずして勝つ。これが孫子の兵法である。微笑外交から戦狼外交へ変貌して仮想敵国に警戒心を抱かせる愚策を行っているのが習近平政権であろう。政治の世界でも参謀あるいは懐刀は重要であると言われるが、中国の失政はそのような人材を粛清したことにも起因すると思われる。そして、懸念されることは、経済不況の名誉回復と責任逃避のために、自暴自棄に堕ちいた習近平氏が台湾侵攻の決断をすることである。日本にとっての台湾有事は今が危ない。
今回はそのような政治情勢の報道記事を紹介する。
皇紀2684年7月28日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
習近平がトランプを見誤れば「台湾有事」の可能性も…!トランプ再選後に米中間で起きる「衝撃展開」
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) によるストーリー
宮家邦彦/'53年生まれ。東京大学卒業後、'78年に外務省入省。在北京大使館公使などを経て05年に退官。現在、キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問
「トランプvs.習近平ガチンコバトルが始まる」
トランプ氏が大統領に返り咲けば、前政権のときと同様、もしくはそれ以上に、アメリカの国益を最も脅かすであろう中国に対し厳しい姿勢で臨むでしょう。
以前からトランプ氏は、「中国に奪われた雇用を取り戻す」という趣旨の演説をしており、中国からの輸入品に対し税率60%を超える関税をかける可能性がある、とも発言しています。
高関税を取引材料として交渉を仕掛け、中国に圧力をかけていく―これが第2次トランプ政権の基本的な考え方です。

トランプ氏には、アメリカ国内での人気を非常に重視するという特徴がある。自国内の声に耳を傾けすぎたゆえに、中国に対し過剰とも言える経済政策を取り、それに中国が反発。そうなれば、両国が互いに高関税をかけ合う「貿易戦争」が再び勃発するシナリオすらありえます。
中国が台湾に侵攻したら
また、台湾を巡る緊張も高まるでしょう。
トランプ氏は根っからのビジネスマンなので、安全保障の分野さえも経済の視点で見てしまう。実際、NATOや日本にも「守ってやるからその分の駐留米軍の負担をもっと払え」という発想。同様に台湾に対しても、「中国から守ってやるから十分にアメリカに貢献しろ」と迫るでしょう。
とはいえ、現時点でトランプ氏は、台湾に対し明確な意思を示さず、あいまいな発言を繰り返しています。
懸念されるのは、習近平政権がトランプ氏のこの「あいまいさ」を都合よく解釈し、誤った判断を下すこと。アメリカは介入してこないと高をくくり、悲願の「台湾統一」に乗り出す可能性はまったくゼロではありません。
実際、中国は「'27年までに台湾侵攻の準備を完了する」として、台湾の対岸で水陸両用部隊の駐屯地や飛行場を新設するなど、着々と準備を進めています。侵攻のシミュレーションをするためか、内モンゴル自治区でも、台北市街地や台湾総統府を模した施設が確認されています。

中国はいまや経済が低迷し、景気対策、失業対策が急務となっています。ロシアが陸続きの隣国をあれだけ攻めあぐねているのに、180kmもある台湾海峡を渡らねばならない。もし本当に台湾に侵攻し、国際社会からロシアのような経済制裁を受ければ、中国経済は一気に失速します。
では、そのときに備え、日本はどうあるべきか。第一は抑止力の強化です。中国が軍事的冒険を犯さないよう、韓国やオーストラリア、場合によってはインドとも協力する。
同時に、中国が経済安全保障の面で優位に立たないよう、半導体やAIといった技術を自国で活用できるようにする。いま岸田政権では半導体に補助金を付け、生産基盤のための工場建設だけでなく、次世代技術にも多額の投資をしています。本来は役人よりもビジネスマンが手がけたほうが効率は良いのですが……。方向性としては間違っていません。
「週刊現代」2024年8月3日号より
「中国、独裁で不安定化」 腐敗続く軍、疑念強める習氏―山口信治・防衛研究所主任研究官インタビュー
2023年10月23日07時01分配信

中国の習近平国家主席が共産党総書記として異例の3期目入りを果たして、23日で1年。習氏の権力基盤が確立した一方、外相が突然解任され、核ミサイルを扱うロケット軍のトップが変則的に交代。近く国防相も更迭されるとの見方が強い。この動きをどう見るべきか。防衛研究所の山口信治・中国研究室主任研究官に聞いた。
―今夏、ロケット軍の司令官、政治工作を担当する政治委員にそれぞれ海軍、空軍の出身者が起用されるなど、中国軍に異変が見られた。
習氏の一強体制が固まり、人事は習氏の一存で決まり、習氏の信任を失うと簡単に失脚する状況だ。毛沢東時代と似ているところがあり、習氏の信任を巡る争いが体制内で激しくなっている。
習氏は就任以来、軍に対する統制を強めてきた。習氏が軍を掌握できていないというより、軍を信頼できていないのだろう。トップリーダーは長く在任すると疑念が強くなる。習氏もそうなっているのかもしれない。
―習氏は何を目指しているのか。
全ての最終判断を習氏が下し、典型的な「独裁者の政治」になりつつある。習氏が年を取れば取るほど、中国はさらに不安定になるのではないか。プーチン・ロシア大統領がウクライナ侵攻を強行したように、不合理な決断を下すかもしれない。
―7月に軍に対する党の優位を確認する会議が開かれ、軍機関紙・解放軍報で何度も反腐敗を訴えているが、習氏は軍に不満があるのか。
何らかの理由で軍に対する習氏の不信感が高まっているのかもしれない。最近の人事は反腐敗が関係している。今でも中国軍に腐敗している部分があるのは間違いない。
―解放軍報に指揮官の能力不足を率直に認める表現がしばしば出る。
指揮官の能力不足はずっと言われてきた。習氏に忠誠を誓い、十分な能力を備えた将官が少ないのだろう。
―中国軍の全体的な能力をどう評価するか。
ミサイルの性能が高く、戦闘機や艦艇も新しくて強力だ。周辺国にとって脅威だ。通常戦力の打撃力は非常に高い。中国と戦争になれば、日米は深刻な打撃を受ける。ただ、中国軍は本格的な戦争を長く経験しておらず、台湾を巡り全面的な戦争になった場合、本当に米軍と戦える能力があるのか疑わしい。
―昨年8月に台湾周辺で行った大規模演習などを見ると、海上封鎖で台湾を追い詰めて屈服させようとする意図が感じられる。
中国は「戦わずして勝つ」を目指しているのだろうが、容易ではない。台湾社会で中国による影響力工作が問題と見なされていて、すでに手の内がばれている。海上封鎖はあり得る作戦だが、米国が台湾に物資を運ぼうとするのを実力で妨げるのは、中国にとって非常に難しい決断になる。短期の戦闘終結も難しい。
―合理的に考えるなら、台湾侵攻の可能性は低いという見方が一般的だ。
軍事的な合理性から見れば「勝てない」。しかし、習氏は「勝てる」と考えるかもしれない。側近が習氏の意を酌んで「勝てます」と応じることが懸念される。
参考文献・参考資料
習近平がトランプを見誤れば「台湾有事」の可能性も…!トランプ再選後に米中間で起きる「衝撃展開」 (msn.com)
「中国、独裁で不安定化」 腐敗続く軍、疑念強める習氏―山口信治・防衛研究所主任研究官インタビュー:時事ドットコム (jiji.com)
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?